
イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「べらぼう」大河絵第43話 嘲笑と謀略 怒りで目が…“高低差が凄すぎる”定信の転落
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俳優の横浜流星(29)が主演を務めるNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(日曜後8・00)の第44話が16日に放送される。気づいた時には、時すでに遅し。蔦重(横浜流星)と歌麿(染谷将太)の長く続いた唯一無二の関係が音を立てて崩れていく中、幕府内では松平定信(井上祐貴)が“天国から地獄”へ突き落される。青天の霹靂の2人は…。
前回の第43話は「裏切りの恋歌」。蔦重は、吉原への借金返済の代わりとして、歌麿が描く五十枚の女郎絵の準備を進めていた。蔦重との関係に悩む歌麿の気持ちも知らず、半ば強引に仕事を進める蔦重だったが、ある日、歌麿が西村屋の万次郎(中村莟玉)と組む話を聞き動揺する。一方、江戸城では、定信がオロシャ対策に全力を注いでいた。この一件をさばき将軍・家斉(城桧吏)に手柄を認めてもらい“大老”の座を狙うが…という展開だった。
反田沼を掲げ質素倹約を推し進め、賛否はあるが強引かつ強い信念で幕政をけん引してきた定信。オロシャ対策に奔走する中、自信やおごりもあり“罠”に気づけなかった。
「いささか不敬ではあるが、ここはひとつ、将軍になったつもりでことにあたろうと思う」。田安家の大願、大老の野望を目前にほくそ笑みながら「早く下城したい」と家斉に願い出た定信。しかし、その場には、定信以上に心の中で笑い、嘲笑を隠せずにいる面々が…。「ゆっくり休むがよい」。その言葉の意味を理解し、生気を失い、怒りに震える定信を見る老中たちのしたり顔、あざけ笑う家斉、静かに静かに口がほどける治済(生田斗真)。あっけなく幕政から外された。
「私ではないか!嫌がられようとも、煙たがられようとも、やるべきことをやり通したのは私ではないか!」
かつて恋川春町が自害した際に涙した布団部屋で、今にも血が吹き出しそうなほど怒りで目を充血させた定信が、全身全霊の恨みの言葉を絞り出した。
「クズどもが…地獄へ…地獄へ落ちるがよい!」
策略がうまくいき、江戸の街に変装して繰り出し、自身が絵を描いた陰謀の大成功の喜びをかみしめる治済。ドロッドロの権力争いを石井さんが描く。
第44話は「空飛ぶ源内」。
◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画を手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2023 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2023 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。スポニチアネックスでの大河絵連載は「鎌倉殿の13人」(2022年)から始まり4年目。
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