「パンクがどうなろうが、知ったこっちゃないよね」
ライブにすべてを懸けたパンクス達の魂が映画館で炸裂!
人生なんてクソッタレだ!
STANCE PUNKS 25周年記念 ドキュメンタリー映画『すべての若きクソ野郎どもへ』の公開を控えた、STANCE PUNKSのVo.TSURUと深作健太監督に、映画制作の舞台裏からバンドの25年について語っていただきました。「PUNK」や「ライブ」、「作品」へのこだわりなど、熱く語りつつも、終始笑いが絶えない、スペシャルインタビューをお届けします。
■映画制作は──まさかのきっかけ
――よろしくお願いします。ではまず25周年のドキュメンタリーを作ろうと思ったきっかけを、TSURUさん教えていただけますでしょうか?
TSURU:昔、20周年か何かの時に、その当時STANCE PUNKSの映像を担当してたスタッフがドキュメンタリー映画撮ろうって言ったんですけど、それをずっと忘れてて、なんかふわっと5年経っちゃって。なんとなく、いつか作れたら楽しそうだなと思ってたくらいだったんですけど。コロナ禍になった時に、バンドマンのほとんどがそうだったんだけど、ライブに全然お客さんが入らなくなって、「ヤバい」ってなったじゃないですか。それでみんな活動資金がなくなっちゃった時に、文化庁のAFF(ARTS for the future!)という制度が出てきて、それが瀕死のバンド達をみんな助けてくれようとしたんですよ。だから俺らもパンクバンドのくせに、ちょっと国に助けてもらおうかな、とか思っちゃって、それを申請して援助金をもらおうとしたんですけど、それを担当していたうちのスタッフが色々やらかしたことで、援助を受けられないことになって、すっかり活動資金がなくなってしまったんです。そしたら当時新しいメンバーで加入していたエンドウ.っていうサポートメンバーがいるんですけど、そのエンドウ.が「よし、クラウドファンディングやって、映画を作りましょう」って提案したの。それで急に映画を作ることになったんですよ。だからある意味映画ができたのは、やらかしたスタッフのおかげでもありますね。もう活動資金が底をついて解散かと思ってたのに(笑)。
――そこから深作健太さんに監督をお願いすることになった経緯を聞かせていただけますでしょうか?
TSURU:テツシ(Ba.川崎テツシ)がスタパンとは別にthe hollowsってバンドをやっていて、そのボーカルの豪起って奴が深作監督と友達だったらしく、『バトル・ロワイアルII』の時の縁もあったので頼んでみようとなりました。
■深作監督との再会――「真夜中少年突撃団」の絆
――『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌』の主題歌をどういった風にスタパンにオファーされたか覚えていらっしゃいますか?
深作監督:よく覚えてないんですけど、単純にテツシさんとTSURUさんは家が近所だから、飲もうっていう話は何年か前からあったんですね。
TSURU:そういえばそうでしたよね。
深作監督:僕もぜひお会いしたいなって思っていて、実現していなかったんですけど。 これを機会に豪起を通じて、吉祥寺でTSURUさんとテツシさんと3人で初めてお会いして。2003年に『バトル・ロワイアルII』でご一緒して以来、その前からですけど、僕はずっとSTANCE PUNKSを聴いていたし、25周年ってことで、これは是非やらせていただきたいと。本当に嬉しかったです。お話をいただいて。
――『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌』で「真夜中少年突撃団」と出会い、この曲を主題歌に使いたいという想いなど、当時のことをお聞かせいただけますでしょうか?
深作監督:たまたま入った渋谷のHMVで白地に赤で『STANCE PUNKS』と書かれたアルバムを一目惚れしてジャケ買いして。それで「真夜中少年突撃団」を聴いて感動しました。その後、『バトル・ロワイアルII』で撮影中に父親が亡くなったり、いろんな状況になるんですけれど。深作組は、映画界では“深夜作業組”って呼ばれていて、夜遅くまで撮影することで有名だったんです。「真夜中少年突撃団」は、そんな僕たちにピッタリの歌だったんですよね。撮影中にこの曲に励まされ、ぜひ主題歌にお願いしたいって思い、すぐにプロデューサーに連絡してもらいました。エンドロールにあの曲が流れてTSURUさんのシャウトが聞こえた時、『バトル・ロワイアルII』という作品に否定的だった東映上層部の先輩が、「あぁ、こういう映画にしたかったんだな」って納得してくれたのが印象的でした。やっぱり音楽の力って強いなと。
■「パンクな現場」の映画制作──「スタンド・バイ・ミー」
――その時はお互い知らないもの同士で、そこから今回タッグを組んで映画を制作したわけですが、その中でお互い刺激し合った部分だとか。自分が相手に思っていたイメージとは違ったことなどありましたでしょうか?
深作監督:それが全くなくて。もし僕たちが同級生だったら、仲良くなってたんじゃないかな(笑)。テツシさんもヒデさんもそうなんですけど、同じ音楽聴いて育ってるし、みんな時間もルーズだし、夜ふかし好きだし、なんか似てますよね。こんなに気負わず仕事できたのは本当に幸せでした。僕の中では「夜の飛行船」とか「ヘドが出るほど青い空」とか「花を添えるように」とか、STANCE PUNKSの好きな曲全部から、いつも大切なマインド貰ってるような感じだったので、根幹の話なんかまったくせずに、映画の打ち合わせもろくにしないで、いつの間にか完成しちゃったなっていう。
TSURU:まともな打ち合わせは何もしてないですよね。
深作監督:してないですよね(笑)。撮影で一緒に旅行に行けたのが、本当に幸せで。
TSURU:あれは楽しかったですね(笑)。
深作監督:なんか子供が冒険に行くみたいな感じで。
TSURU:夏休みに友達と遊びに行くみたいな感じで、撮影で行ってるみたいなのは何もなかったですね。ただ一緒に遊んだだけで。
――遠方だと、どちらに行かれたんですか?
深作監督:名古屋に一回と、あと福島に一回。 名古屋は、TSURUさんの故郷の名古屋と小牧と扶桑の三箇所に行きましたね。
――では、名古屋で撮影した映像も映画の中に入ってるんでしょうか?
TSURU:名古屋は何も入ってないよ。
深作監督:そうなんですよ。もったいないけどカットになって。いい画はたくさん撮れたんですけど。
TSURU:そうなんですよ。「クソッタレ解放区」の歌詞に出てくる《夜の冷え切ったフェンスを》のフェンスが実際ある場所に行くシーンがあって。このフェンスを想像しながら書いたんで、撮影してきたんです。でも、それを編集で使おうとしたら、まさかの音が何も入ってなかったという(笑)。
深作監督:そうだった。ワンオペだったんで、すんません。画だけ使ってもよかったんですけど。
TSURU:説明がないとただの金網で、うまくハマらなかったんですかね。
深作監督:僕自身、一人でキャメラ持って撮影というのは初めてで。
TSURU:だって、カメラマンじゃないですもんね。
深作監督:メカに弱い(笑)いろんなミスもありながら、どうにか最後まで辿り着けたのは、皆さんの撮影の応援だったりで。今回は、本当にみんなで作ってる感が強かった。
TSURU:そうそう。深作監督だけは(映画の)経験ありますけど、あとはもう素人の寄せ集めみたいな感じで作った映画だから、それが最高にパンクらしいなって俺は思うから嬉しかったですね。みんなで作れて。完全にダチの寄せ集めで作った映画ってカッコいいでしょ。
深作監督:自主映画な、手作りな感覚。
TSURU:友達が集まって、わいわい言いながら作っただけ。
深作監督:今のメンバーはサポートを入れて5人ですけど、そこにいろんなスタッフ、(マネージャーの)ヒデさんや、(編集の)クレハさんや、(アートディレクターの)マツさんや、ファンの皆さんも集まって、これがみんな揃ってSTANCE PUNKSというバンドなんだって改めて感じて。そう思ってライブに参加してると、すごくなにかが来るんですよね。みんなで支え合って、ここまで来た25年なんだってことを初めて実感したという。
――逆にTSURUさんは、監督と一緒にモノを作る中で、面白いなと感じたり刺激を受けた部分はありましたか?
TSURU:なんだろう。でも本当に友達みたいな感じでやらせてもらったし、嫌いな大人じゃなくて良かった。それに尽きる(笑)。
深作監督:お互いに大人のこと、大嫌いですもんね(笑)。
TSURU:そうなんですよね。大人のくせに(笑)。嫌いな大人だったら上手くいかなかっただろうな。
深作監督:今回、書き下ろしの主題歌「スタンド・バイ・ミー」が、僕大好きで。タイトル聞いただけでもう感動しちゃった。スタジオで曲が生まれてゆく過程を密着させて貰ったんですけど、その根っこには25年間ずっと変わらず、少年のまんまのTSURUさんがいて。STANCE PUNKSの曲や歌詞に背中を押されてやってきた、僕自身の25年とも重なって、なんだかすごく泣けました。
■「パンクとは何か?」――TSURUと監督、それぞれの答え
――STANCE PUNKSのバンド名に「パンク」という言葉が入っていて。人によってイメージが違う言葉だと思いますが、この映画の中での「パンク」とは何なのでしょうか?
TSURU:よくインタビューの最後に、聞く「パンクとは、何ですか?」ってやつだよね。みんなが困っているやつでしょ、それ(笑)
――そうですね。この映画を通して、伝えたかった「パンク」やメッセージ、そういったものは何なのかを、ぜひ聞いてみたいです!
深作監督:まず“パンク”に出会えて、僕の人生はとっても楽になりました。出会わなかったら、もっと窮屈で息苦しかったでしょうし、“自由”とか“アナーキー”とか、あとなんだろう、大嫌いな“大人”にならないこととか、大切な“感性”をパンクロックは教えてくれた。あとルールや時間を守らなくていいんだとか、全然よくないんですけど(笑)。でもSTANCE PUNKSの25年は決して平坦なんかじゃなく、メンバー一人一人が、自分の体や心と闘いながら、それでも苦悩をポジティブなエネルギーなに変えてゆく姿が感動的でした。だから、この映画を観るお客さんも、改めて自分の25年を振り返りながら、元気になっていただけたら。そんな思いで最後の仕上げを行なっています。
――パンクがあることでポジティブになるっていうのはいいことですね。TSURUさん自身が25年のことを語ってきたりする中で、改めて映画で話してる内容や、他の人からこういうふうに言われたということで、何か新しい発見はありましたか?
TSURU:何もなかった(笑)。
――何もなかった(笑)……。なるほど。
TSURU:ただね、やっぱり何かいろいろ世間で、なんか……、パンクがウンコじゃなくなってきてるから。やっぱりダメな方がカッコいいでしょ!ということだけかな、再確認したのは。バカじゃないの!パンクなのにさ。なんかそんな、人を救いたい!とか音楽が人を救うっていうのは自分だって救われてきたし、そう思うけど。僕はそんなこと思ってやってないからね。だけど、やっぱり長いことやってきて思ったのは、お客さんたちに、「ありがとう」というのはすごく思った。それはすごく。もう映画作る前から、ちょっと前からなんだけど。うん。こうやってみんなが応援してくれたから、バンドをやってこられたし、みんなが応援してくれなかったらバンドは無くなってただろうし。もしそうなってたら、俺はどうなっちゃってたんだろう!?って考えたら背中がゾッとしただけかな(笑)。
――ということは、若い時はそんなことを考えてなかったけど、どこかのタイミングで、「ありがとう」と感じるようになってきたんですかね。
TSURU:昔から思ってはいたと思うけど、なんだろうね。みんなが生きてみたいダメな人生ってあるじゃない?憧れてはみるものの、実際はなかなかそんなダメには生きられないじゃない。ダメでは上手くやれないから。
――ダメだとそうなりますよね。
TSURU:みんな就職したりとかプラプラしてたりとか、なんかいろいろ人それぞれで、ダメな部分が何なのかは分かんないけどさ。それを実際体現するのってやっぱり面白いじゃない! ステージの上でダメな人を見るのってさ、生きてみたかった架空のダメな自分を想像できるというかさ。この前ね、イギー・ポップ見てきたんだけど、見てたらえらく大変そうだなって思ったの。よたよたしながら、この歳までこんなんで《犬、犬》歌っててさ。そんなダメダメな姿を見てたら、なんかすごい勇気が出たもの。僕はそういうふうにありたいかな。なんかあんまりね、ライブを見て泣いたりするよりも、「もう大丈夫? あいつ?」みたいな。「何やってんだよ! あいついくつになっても」「ツルー! 後ろー!」っていう風に生きられたら最高だなっていうのを思ったよ。うん。あんまり、「ありがとうございます」って言われすぎるとなんだかね。嬉しいけど恥ずかしいから。
――自分が言われるのがですか?
TSURU:別に嬉しいけどね。嬉しいけど、なんかこう、あんまり人救いみたいにはなりたくないな、パンクロッカーとしては。
――そこはね。確かに他のいろんなバンドのライブを見てると、そこまで、過度に「ありがとう」って言わなくてもと思ったりする時もありますね。
TSURU:(ありがとうっていうのは)嬉しいんだけどね。でもまあやっぱり深作監督もさっき言ってた通り、最近は「コンプライアンスがなんとか」とか、「時間を守らないこととか全然格好いいことじゃない」みたいな、そんな時代じゃない。僕の周りにはそんなこと知るかって感じの奴しかいないよ(笑)人を傷つけるとかそういうことではなくね。
――そういった意味でいうと、今回の映画はクラウドファンディングで制作したということで、最初の目標達成額は550万円だったのが、結果的にその2倍以上の1100万円を超えて支援していただいたのは、こんなにもお客さんに支えられてるのが、すごいなと感じました。
TSURU:すごかったね。最初550万というのが設定された時に、そんなものパンクスが集められるわけがないだろうと思ったもんね、本気で。だけど、みんながすごく応援してくれたから。だから本当にファンのみんなと作ったんだと思う、きっと。みんながいなかったらできなかった映画だから、それはすごく素晴らしいよね。意外と愛されててよかった(笑)。
■奇跡の一週間前完成
――監督が映画を作られる中で、TSURUさんの一番印象的なシーンや言葉は、なんでしょうか?
深作監督:自分が撮ったところじゃないんですけど、映画の撮影が始まる前に作られた最初の予告編の、「パンクがどうなろうが、知ったこっちゃないよね」っていう言葉。下北を歩きながら言うやつ。やっぱり初期衝動なんじゃないですかね、パンクの精神は。TSURUさんはずっとそれを貫かれている。あそこから始まり、あそこを追いかけた2年間だったなと思います。実はもう撮影を始めて2年なんですよね。
TSURU:そうですね。2年前から始まり、途中でほとんど何もしない時期があって、すっかり忘れてましたよ映画のこと。
深作監督:みんな宿題をギリギリでやるタイプですよね(笑)。
TSURU:スタッフ全員がルーズ過ぎて、できないかと思いましたよ。2年前から始めたのに、結局、ほぼラスト1ヶ月で作りましたよね。
深作監督:本当にそうですね。公開日は決まっちゃってたし、危なかった。
――5月17日公開で今日が8日の夜なんですけど、映画ってこういう一週間前でも編集していることもあるのでしょうか?
深作監督:ないです(笑)。明日と明後日で、きっと完成するはずです(笑)。
TSURU:本当に一週間前完成ですよね。すごい。
深作監督:すご過ぎる、まさにパンクです(笑)。
TSURU:俺は、こういうもんだと思ってましたよ映画って。
――友情出演でいろんな人がSTANCE PUNKSのことを語ってくれてるんですけど、面白かったコメントはありましたか?
TSURU:えー、誰も全然面白くない(笑)。面白くはないけど、みんな褒めてくれたから嬉しかった。すごい褒められるぞ!みたいな。いつもそんなに褒められないのに、やたら人気者たちにいっぱい褒められて楽しかった。そんだけ(笑)。特にレジェンドパンクスたちの、HIKAGEさんやJ-OHNOさんとか、TAISEIさんとかNAOKIさんとかに褒められたところはさ、これはただ俺が自分で見て嬉しくなる為だけの映像じゃんって。何回も見たもん(笑)。
■すべての若きクソ野郎どもへ――二人からのメッセージ
――これから東京、大阪、名古屋と上映されますけど。普段ライブハウスに来るような人がたくさん来て映画を観てくれると思うんですけど、どんな風に見てほしいとか、ありますか?
TSURU:ポップコーン食べながら。床にこぼしたりしてほしい。
――はっははは(笑)。
TSURU:「最悪だなスタパンの映画の後は、マジでポップコーンだらけだよクソが」とか言われながら、それが広まっていってほしいです(笑)。
――監督は、ありますか?
深作監督:上映直後に、映画館とは別のライブハウスでライブがあるじゃないですか。こういうのって、たぶん初めてだと思うんですよ。映画を観た同じ日に、そのまんまライブハウスへ行って、生のライブを聴く。「スタンド・バイ・ミー」は、そこで初披露ですか?
TSURU:そうですね。ライブでは、まだやってないですね。
深作監督:僕もまだ生では聞けてません。
TSURU:現状だと、まだできないですね。練習してないんで(笑)。
深作監督:最高ですね(笑)。
TSURU:本当にできないんです。ちょっと歌詞もうろ覚えで。
深作監督:(笑)この3日間のライブは宝物ですね。
■心に潜む「悪」と創作の根源 ―― 向き合うことから生まれる力
――個人的に聞きたい質問がありまして、深作組の舞台『ルル -地霊・パンドラの箱-』を観に行った時に、ヒトラーの肖像画や切り裂きジャックが出てきたり、STANCE PUNKSの「イカれた世界にバースデイソング」で殺人鬼という歌詞があったりして。決して演劇や歌の中で彼らを賛美しているわけではないのですが、世の中からしたら悪とされてるような人達のことを歌詞にいれたり題材に入れてること、なかなか世の中の人がやらないことを扱っていることが何故なのかを聞きたくて。そういうところにも焦点を当てることによって、表現したいことやその根源は何なのでしょうか?
TSURU:それはみんなの心に悪い人は潜んでいるからっていうことしかないかな、俺は。だって、本当に100%悪人が心にいないのって、赤ちゃんとかだけじゃないのかなと思うから。分かんないけど、いつからそういうちょっとした嘘をつくようになったんだろうとか、心に何が芽生えるのかなんて分かんないけど、それってみんな紙一重だと思うから。世の中的に良くない人ってなんだろう。例えば殺人鬼がいいとか、別になりたいとも思わない。ユダヤ人虐殺とか、何もいいとは思わない。当たり前のことだけど。ただ、誰だってそういうさ、どこまでかは人それぞれだけど、誰だってなんかこう、「あいつ、ブッ殺したい」とかそういうところってあるじゃない、やっぱり。何もかもは常に表裏一体。だからそういうものは自然と歌に出てくるんじゃないかなと思うけど。
――TSURUさんの人生観なんですね。
TSURU:そうだね。自然なことかな、わざと登場させようと思って登場させてるわけでもないから。
深作監督:僕たちはどっちにしろマトモかダメかに分けたら、ルーディーズの側ですよね。ヒトラーみたいな人は、ちゃんと生きようとした“悪者”なんで。政治家とか“大人”って、多かれ少なかれそういう人達なんじゃないかな。“必要悪”を認めてしまってる。僕の父親は戦争を知っている世代で、戦争という“悪”の功罪や高揚感を知ってるからこそ、映画の中で“正義の味方”を描かなかったわけで。それを受け継いで僕自身もまた、絶えず“暴力”と“セックス”が表現の核としてあるわけですよ。臭いものにフタはできないSTANCE PUNKSも、ずっとそれを歌っていると思うし。いつも心に「イカれた世界にバースデイソングを」が響いていて。僕たちはいつも自分の中の“怪物”と闘っている。そういう意味において、ヒトラーや独裁者になろうとする“正義の味方”たちは、いつの間にか、世の中はきれいなんだって嘘をつこうとするから、そういう大人にはなりたくないし、気をつけたいなって思ってる。エライ人になんてなりたくないです。
5月17日 新宿バルト9 舞台挨拶後の集合写真
上映情報
STANCE PUNKS 25周年記念ドキュメンタリー映画『すべての若きクソ野郎どもへ』
▼5月17日(土)東京・新宿バルト 9 (満員御礼)
17:10 START
2,500円(税込)
▼6月7日(土)大阪・T・ジョイ梅田
16:30 START
2,500円(税込)
▼6月14日(土)愛知・名古屋ミッドランドスクエアシネマ
16:30 START
2,500円(税込)
ライブ情報
STANCE PUNKS 映画公開記念ライヴ TOUR
▼5月17日(土)東京・新宿 Marble (SOLD OUT)
OPEN 21:00 / START 21:30
一般4,500円 / 学割 1,998円(税込・D代別)
▼6月7日(土)大阪・福島 2nd LINE
OPEN 20:30 / START 21:00
一般4,500円 / 学割 1,998円(税込・D代別)
▼6月14日(土)愛知・名古屋 RAD SEVEN
OPEN 20:30 / START 21:00
一般4,500円 / 学割 1,998円(税込・D代別)
※全公演、STANCE PUNKS ワンマンライブ