
Photo: launchmetrics.com/spotlight
昨シーズン、ニコラ・ジェスキエールはフランス王ルイ13世の王妃アンヌ・ドートリッシュがかつて暮らした夏のアパルトマンを会場に、暮らしの美学と「家」という親密な空間に思いを馳せた。そして2026-27年秋冬は、ドラマシリーズ「セヴェランス」のプロダクションデザイナー、ジェレミー・ヒンドルによる苔に覆われた“ネオ・ランドスケープ”を舞台に、観客を全く異なる世界へと誘った。

Photo: Filippo Fior / Gorunway.com

Photo: Filippo Fior / Gorunway.com
ショーは、トルコの羊飼いが極寒や雨風などから身を守るために着用する伝統的な衣装のケペネクに似たマントで幕を開けた。言わずもがな、これはルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)だ。マントはマントでも、起毛のファーやレザーで縁取られたウールといったリュクスな素材でできている。とはいえ、他ブランドが発表した過激なデザインに比べても十分なインパクトを放つ。
今季のパリ・ファッショウィークに参加したデザイナーの多くは、着用性を重視した、親しみやすい衣服を打ち出している。そんな中、ジェスキエールはこの強烈な存在感を放つピースを通じて、私たちにもっと夢を見ること、少なくともファッションで冒険することを持ちかけた。
