金城茉里奈アナウンサー
「かつて札幌では知らない人はいないと言われた
 有名人の今を追いました」

依頼人(40代・男性・札幌市在住)
「昔、中山ミシンで働いていた千鳥ふみ子さんを探して下さい」

みなさんは、覚えているだろうか?
札幌の中心部、南3条西3丁目で、雨の日も風の日も、
毎日、店頭でミシンを踏み続けた女性の存在を・・・
こちらが、その「千鳥ふみ子」さん・・・ミシン踏み人形だ。

中山ミシン 中山菊雄 社長
「だいたい年に1回か1年半に1回位は”病院”に入れて整形してきます。
 いつもお世話になっているマネキンの会社なんですけど」

1957年にお目見えしたこの人形は、
ちょうど千鳥足のように交差して編めるジグザグミシンが出始めた頃、
市民から公募して付けられた。

1957年と言えば、テレビ塔が開業し、
HBC(北海道放送)がテレビの放送を開始した年でもある。
そんな頃から、ふみ子さんは
日々、ミシンを踏み続けていたのだ。

ミシン屋で働き始めてから、
既に64年が経過している・・・
今どこで、何をしているのか・・・?
さっそく千鳥ふみ子さんがいた
南3条西3丁目の交差点に行ってみると・・・

調査員
「あちらが千鳥ふみ子さんがいた場所ですが、
 中山ミシンが今はコンビニに変わっています」

ふみ子さんが働いていた中山ミシンがあった場所は、
今はコンビニエンスストアになっていた。

マチの人
「昔、ココにミシン踏み人形が?」
「ありましたね。もうないと思う。
 高校生の時とかにはあった気がする。18年前とかだけど」
「昔、ココにミシンを踏む・・・」
「あー、中山ミシンね。子供の頃とかは、この人形を見てから
 マチの方にいったけど・・・
 引っ越してからは、どこに引っ越したかはわからない」

なんと!千鳥ふみ子さんがいたミシン店・中山ミシンは、
今から8年前の2013年に、
85年の歴史に幕を閉じていた。
その閉店の日から、千鳥ふみ子さんは姿を消した・・・
もう、ふみ子さんには会えないのではないか・・・

そう思っていると・・・
近所のカフェバーで有力な情報を入手した。

カフェイン 上木裕和 店長
「だいぶ昔ですよね?そこの角のところの。
 この辺ではマスコット的な感じのキャラなんで、
 札幌の人は、だいたい知っているんじゃないですかね」

札幌の人なら大体知っている、
そう言わしめるほどの有名人だった ふみ子さん。
その人気の秘密が・・・

中山ミシン 中山菊雄 社長
「中は駄目なんですか?」 「これは男性は見ない方がいいですよ」
「男性は見ちゃダメなんですか?社長も入れない?」
「入れません。あと店の子が全部着替えさせますから」
「あーそうですか」

ふみ子さんは、およそ1週間ごとに、
季節に合わせて髪型や衣装を変えており、
多くの札幌市民が街中を歩く時に注目する存在だったのだ。
お正月には晴れ着に着替えたり、
時にはファイターズのユニフォームを着て応援することも。

中山ミシン 中山菊雄 社長
「マフラーなんかもね、お客さんから頂戴したものです。
 大事に使わせてもらってます。またこれから雪になりますので、
 今度毛糸の帽子をかぶせたり、手袋をつけたりします」

カフェイン 上木裕和 店長
「ミシン屋さんの方は閉店したのは知ってて、
 その後に、どこかでは保存されてるって話は聞いたことがあるが、
 それがどこかはわからない」

なんと!千鳥ふみ子さんが、どこかに保存されているというのだ。
さらに目撃証言も入手!
閉店から4年後の2017年、
札幌国際芸術祭の会場で、多くの札幌市民が
その姿を見ていたことことがわかった。
果たして、ふみ子さんは、今どこにいるのか?
ここでまさかの急展開が!

中山ミシン 中山菊雄 社長
「千鳥ふみ子さんを探してまして?」
「事務所にいる」

なんと!千鳥ふみ子さんを発見!何を隠そう、この方こそ、
中山ミシンの社長、中山菊雄さんだった!
場所は秘密ということで、特別に会わせてもらえることに。

中山ミシン 中山菊雄 社長
「今は内勤しています、千鳥ふみ子です」
「いました!千鳥ふみ子さんいらっしゃいました!こちらに!」

ついに、ミシン踏み人形の千鳥ふみ子さんを発見!
広いオフィスの真ん中で、
今はミシンではなくパソコンに向かって仕事をしていた!
確かに、内勤に異動したようだ!

中山ミシン 中山菊雄 社長
「もともとは洋服店用のマネキン?」
「ミシンを踏む用に、これ専用に作ったもの」
「店頭に置くために わざわざ作った!?ずっと壊れることもなく?」「上半身は初代のまま。下半身は毎日ミシンを踏んでいるから、
 どうしても足首や関節を傷めてしまい、下半身は2台目」

やはり一番気になるのは、
閉店したのに、なぜ、ふみ子さんは残してあるのか?

中山ミシン商事 中山菊雄 社長
「店を閉める時に廃棄しなかった?」
「とってもとっても、そんなことできません。
 何十年も付き合いがあるし、店のために尽くしてくれてるので、
 店を閉めるからといって捨てるわけにはいかない。
 今でも親子みたいなもの。
 私が元気なうちは、ココで仕事をしてもらう」

札幌中心部のマチ並みは、
マチの発展と共に次々と大きく変わっていってしまったが、
長年、苦楽を共にしてきた絆は、今も変わることがない。

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4 Comments

  1. 昔札幌子だったけど、なぁんとなくしか憶えていない。
    でも越して来た頃、現ネコ街にもいたな。場所は憶えていないけど、駅近くの商店街。
    今時じゃミシンってば電動ミシンだけど、ネコは足踏みの方が好き。それなりに上手に使用出来るよw
    JCの頃の家庭科の授業でみんな電動ミシンだったけど、台数は限られている。でも足踏みミシンが1台だけあってみんな虫。使用するのはネコだけってコトで早くに作品完成があったな。

  2. 素敵なお話ですね^^私は九州宮崎に住む半世紀生きているおばちゃんです。なので千鳥ふみ子さんも千秋ちゃん、庵くんも全く知らなかったのだけどぽかぽかと心がして、古き良き時代を懐かしむ気持ちがしました。素敵なお話しありがとうございます。北海道このコロナ後行ってみたい街ナンバー1になりました^^ありがとう^^

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