三山凌輝氏三山凌輝氏 Instagramより

今月8日にBE:FIRSTからの脱退を発表した三山凌輝(26)が27日、インスタグラムの生配信で突如としてソロアーティスト活動の開始と新会社設立を公表した。俳優、歌手、そして社長へ。激変する生活の裏では、妻・趣里(35歳)とその家族が歩んできた日々が静かに重なっていた。

 

三山凌輝、揺らぎの時期を超えて踏み出した“新章”

 今月8日のBE:FIRST脱退発表は、ファンだけでなく業界にも衝撃を与えた。

グループの中でも圧倒的な表現力と存在感を持つメンバーだっただけに、「なぜ今なのか」という問いがインターネット上に渦巻いた。だが、三山は27日のインスタグラム生配信で、静かに答えを示した。

「自分がやりたい表現を、来年からソロアーティストとして形にしていきたい」。その声音には迷いよりも、腹を括った者の落ち着きがあった。

 俳優としても着実にキャリアを積んできた三山には、以前からドラマ・映画のオファーが相次いでいたという。「ありがたいことに頂戴している」と配信で語った背景には、同世代の俳優たちが次々と主演に抜擢される中、自身も役者として勝負したいという意識があったとされる。ダンスと歌、演技の三本柱を“同時に伸ばす”ためには、グループ活動の枠を超えた選択が必要だったのだろう。

 配信を見守ったファンからは「決意が伝わった」「前を向いていて安心した」という声が相次いだ。揺らぎの3週間を経て、三山はようやく次の章へ歩み出した。

 

新会社「スター・オブ・ワンダー」に込めた意味

 今回の発表の中でも象徴的だったのが、自ら会社を設立しCEOに就任したという報告だ。

社名は「スター・オブ・ワンダー」。直訳すれば“驚きの星”だが、三山は「これからの自分自身の存在の仕方として、光り輝き続けるために」と説明した。芸能界の荒波の中で、自ら舵を握るという意思の表れだ。

 近年、若手アーティストの間では個人事務所設立が増えている。しかし、三山の場合は「俳優・歌手・ダンサー・経営者」という多面的な活動を統合的にマネジメントする必要がある。ある制作会社関係者は「自分の表現を管理しながら、作品ごとに最適なチームと組める体制を作りたかったのだろう」と分析する。

 また、脱退発表直後は不安を抱くファンも多かったが、会社設立は三山が“退路を断って前に進む覚悟”を示す象徴となった。単なる独立ではなく、未来を自分で設計していくという宣言でもある。

 

妻・趣里、産後2か月での復帰の裏にあった周到な準備

 一方で、家庭では別の変化が起きていた。9月に出産したばかりの妻・趣里(35)は、11月中旬から映画『踊る大捜査線N.E.W.』の撮影に参加している。主演の織田裕二(57)と並び捜査に奔走する女性刑事役という重責を担うが、「産後とは思えないほど動きが軽い」と、映画会社関係者は驚きを隠さない。

 だが、その背景には周到な準備があった。

撮影が始まる前から、趣里は自身の両親――水谷豊(73)と伊藤蘭(70)に相談を重ね、「仕事に集中するため、一時的に実家を頼りたい」と伝えていたという。夫の三山が12月頭から北海道で映画撮影に入る予定だったため、ワンオペ育児を避ける必要性もあった。

 芸能一家で育った彼女にとって、仕事への復帰はキャリアの継続に欠かせない選択だった。だが無理を押しての復帰ではなく、家族の支えを組み込んだ“戦略的な復帰”だったと言えるだろう。

 

水谷豊、初孫誕生で再び仕事への活力

 趣里の実家での生活を支えているのが、父である俳優・水谷豊だ。大の子煩悩として知られ、趣里の幼少期には送り迎えから学芸会の演出まで担ったというエピソードは有名だ。その水谷が初孫を抱いた今、喜びはひときわ大きいと芸能関係者は語る。

 「娘が帰ってきたという喜びと、初孫の存在が相まって、ますます仕事へのモチベーションが高まっているようです。『相棒』の来年10月クール続編への出演を早々に決めたのも、その影響が大きい」と関係者は説明する。

 水谷自身、かねてより《娘ができてから、この仕事を続けられるところまでやろうと思えた》と語っており、今回の状況は彼にとって“第二の原動力”とも呼べる。

 

撮影中止がもたらした“家族の時間” 三山が見つけた新しい役割

 その頃、三山にも思わぬ出来事が起こっていた。12月から出演予定だった北海道での映画撮影が、ロケ地周辺にクマが出没したため急遽中止となったのだ。制作側の安全判断によるものだったが、このキャンセルが家庭に予期せぬ影響を与えた。

 「スケジュールが空いたことで、三山さんは水谷家で子育てに参加する時間が増えたようです。慣れないながらもオムツ替えやミルク作りを手伝い、初孫を溺愛する水谷さんと一緒に育児に向き合う姿が見られたと聞いています」と制作会社関係者は話す。

 家族全員が同じ方向を向きながら、新しい命を育む時間。その中で、三山は“父としての役割”をより鮮明に自覚したのかもしれない。「水谷さんがあまりにも孫育てに熱心で、じいじをパパと勘違いしないか心配している」という微笑ましい冗談さえ聞こえてくるほどだ。

 これらの時間は、三山にとっても貴重な経験となった。家庭が穏やかであればこそ、三足のわらじという挑戦に踏み切ることができる。家族の支えは、彼の“独立宣言”を静かに後押ししている。

 BE:FIRSTからの脱退は、一般的に見れば大きな転機だ。

しかし、配信で見せた三山の表情は決して暗くなかった。むしろ、自らの表現を磨き続けるための“新たな構築”へと動き出した人物の落ち着きがあった。

 俳優、歌手、そして経営者。いずれも簡単ではないが、家族という確かな支えがある今の三山は、むしろ最も前に進める時期にいるのかもしれない。26歳の決断は、自らのキャリアを作り直すだけでなく、新しい家庭とともに歩む未来の基盤を作る作業でもある。

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