中村獅童
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 歌舞伎俳優の中村獅童(53)が25日、フジテレビ「ぽかぽか」(月~金曜前11・50)にゲストとして生出演。女優・寺島しのぶ(52)が初めて東京・歌舞伎座の舞台を踏んだ経緯について語った。

 歌舞伎俳優の父・七代目尾上菊五郎と母で女優・富司純子の元に生まれた寺島。幼少期から、“男に生まれたら歌舞伎俳優になりたかった”という思いがありながら、17歳で女優デビュー。2023年には、50歳で念願の歌舞伎座の舞台「文七元結物語」で獅童と夫婦役で共演した。

 その経緯について、獅童は「文七元結というお芝居は、しのぶさんのお父様、菊五郎のお兄さんの当たり役。もともと古典であるんですけど、山田洋次監督が新たな“山田洋次版文七元結”を作りたいということで、キャスティングしていただいた」と解説。他の役者について相談中、監督からの「歌舞伎の最近の女形さんはあまり存じ上げないので、どういう方がいらっしゃいます?」との言葉に、「それだったら、普段映画をお撮りになる時の女優さんに出ていただいたら」と提案したという。

 そして「歌舞伎って、何が何でも男性っていうイメージが強いかもしれないけど、昔は山田五十鈴さんとか山本富士子さんがお出になったことがある」と説明。「そういうことを監督にご説明して、“寺島しのぶさんとやりたいです”って言ったら、監督も“出ていただけるんだったら、それは最高だよね”ってことで連絡」と寺島も快諾した。

 獅童は「若い時から、男だったら歌舞伎役者になりたかったっていうぐらい、ちょっと自分だけ仲間はずれにされたような、寂しい思いをしたことがあるっていうのを20代の頃に聞いてました」と回想。「まだまだその頃は大勢の役ばっかり。自分が何か出し物をやれるような役者になれたら、しのぶちゃんと歌舞伎座に立ちたいっていうのは、心の片隅にあった」と振り返った。

 「20代の頃に、たまたまバーで話していてそれを聞いた。寂しい思いをしたっていうのを聞いて、実現したのは50代。今度は2度目の歌舞伎座ということで、ホントにうれしく思ってます」と、「十二月大歌舞伎」(12月4~26日、東京・歌舞伎座)で再び共演する「芝浜革財布」に思いを馳せた。

 これを受けて、寺島は「夢じゃないかなと思いました」と当時の心境を告白。「自分が見ないようにしていたことを、また50歳で掘り起こして、そしてまた実現できることに、みきちゃんが持って来てくれたってことにまず感動して」と、自身が“みきちゃん”と呼ぶ獅童に感謝した。

 しかし「ハタチでそんなことを、みきちゃんに打ち明けてたってことも忘れてました」とぶっちゃけ。獅童は「ほら、忘れちゃってる。もうさぁ、“寂しい思いをした”ってずっと思ってるのに忘れちゃう」とツッコんだが、寺島は「ホントに今泣きそうになってます。この一声がなかったら立てなかったわけですし」と改めて感動していた。

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