『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日系)で、橋本環奈がNHK連続テレビ小説『おむすび』(2024年度後期)後、初の主演を務めている。演じているのは“医療版シャーロック・ホームズ”とも例えられる異色なキャラクターだ。本作で、8年ぶりのドラマ共演にして、初めてバディ役を組む三浦翔平とともにインタビュー。天久鷹央という難役にどのように向き合っているのか、作品の手応えはどうかなどを聞いているうちに、チームワークの良さが見えてきた。

橋本環奈&三浦翔平が工夫した役づくり
(左から)三浦翔平、橋本環奈

――橋本さんが演じている天久鷹央は、“医師”にして“名探偵”という役どころです。かなり異色のキャラクターですが、演じる際に意識していることはありますか?

橋本環奈(以下、橋本):『天久鷹央の推理カルテ』はもともと小説が原作なのですが、鷹央先生は、自閉スペクトラム症かつサヴァン症候群で、圧倒的な医学的知見と診断能力を持つ天才ドクター……と、さまざまな要素を内包する“濃い”キャラクターとして描かれています。彼女を演じるにあたって原作のイメージを踏襲しつつ、これまでに展開されてきたそうした原作の印象を大切にしながらも、アニメや漫画とはまた違う“実写ドラマ”という形で、一人の人間としてのリアリティを持たせるにはどうすればいいかを意識しながら演じています。

――自閉スペクトラム症を抱えているのが鷹央の個性として描かれています。

橋本:それを一つの個性として、鷹央自身がしっかり受け止めているところに惹かれました。専門の先生からお話を伺ったり、資料を読んだりしながら準備を進めましたが、個人的に難しいと感じたのは、人の目を見ながら話せない、という点でした。特に診断や意見を述べる場面では、つい目を見て話してしまいそうになるので、まばたきや視線の動きを工夫しながら、画面でどう見えるかも意識しています。

橋本環奈

――三浦さんが演じる小鳥遊優は、鷹央とは対照的に人の気持ちを巧みに読み取る能力に長けた人物です。

三浦翔平(以下、三浦):小鳥遊は優柔不断で、人との付き合い方によって上手くバランスを取る人間です。人と人とを繋ぐパイプ役で、なおかつその人が抱えている問題を見抜く力があるので、カットごとに目線の移動だったり、声色のトーン、相手の心情に対しての接し方を気にしています。ノリや話すテンポ、リアクションを少し若めに作って、20代後半ぐらいのイメージです。

橋本:翔平さん、普段はちょっとおじいちゃんっぽいところがあるんですよね(笑)。

三浦:疲れるんですよ……。

――本作で共演されている畑芽育さんにインタビューした際、三浦さんのことを「撮影の後半で大変なシーンになってくると、どんどんおじいちゃんみたいになってくる」と話していました(笑)。

三浦:イジられてる(笑)。

橋本:芽育ちゃん、確実にイジってますね(笑)。

三浦:……うん。

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リアルサウンド 映画部

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