本作は、2020年に新型コロナウィルスが蔓延したコロナ禍を背景に、登校や部活動が次々と制限され、さらには緊急事態宣言に直面し、大人以上に複雑な思いを抱えていた中高生たちの青春を描く。斬新な映像表現とキャラクター造形の深さに定評がある新進気鋭のアーティスト・山元環が監督を務め、脚本はドラマ「VRおじさんの初恋」の森野マッシュ氏が担当した。
(C)2025「この夏の星を見る」製作委員会
(C)2025「この夏の星を見る」製作委員会
物語の中心となるのは、コロナ禍で青春期を奪われた学生たち。茨城の高校生の亜紗と凛久は、失われた夏を取り戻すため「スターキャッチコンテスト」の開催を決意する。東京では孤独な中学生・真宙が同級生の天音に巻き込まれ、その大会に関わることになる。長崎・五島では実家の観光業に苦悩する円華が、新たな出会いを通じて空を見上げる。手作り望遠鏡で星を探す全国の学生たちが、オンライン上で画面越しに繋がり、夜空に交差した彼らの思いは奇跡の光景をキャッチする。
桜田が演じるのは、主人公となる茨城県立砂浦第三高校2年生の亜紗。これまで誰も経験したことのないコロナ禍において、不安な気持ちや悩みを抱えながらも懸命に生きる高校生を確かな演技力と多彩な表現力で見事に演じ切った。亜紗と同じ高校に通う生徒役で水沢林太郎、河村花、増井湖々、安達木乃が共演。辻村氏が原作小説を執筆する際、実際に取材した茨城県立土浦第三高等学校で本作の撮影も行われた。
サブビジュアル(C)2025「この夏の星を見る」製作委員会
リモート会議を駆使して同時に天体観測をする競技「オンラインスターキャッチコンテスト」に参加することになる長崎五島に住む学生役で中野有紗、早瀬憩、和田庵、蒼井旬が出演。東京の学生を黒川想矢、星乃あんな、萩原護、秋谷郁甫らが演じ、ネクストブレイクが期待される若き俳優たちが顔を揃えた。さらに、岡部たかし、中原果南、工藤遥、小林涼子、上川周作、朝倉あき、堀田茜、近藤芳正が脇を固め、物語に彩りを与える。
音楽は、2024年に動員100万人突破、興行収入20億円を超える大ヒットを記録した「ルックバック」で音楽と主題歌を手掛けたharuka nakamura氏が担当。主題歌「灯星」は、haruka nakamura氏が作詞・作曲し、「ヨルシカ」のボーカルであるsuis from ヨルシカさんが歌唱を担当した。
予告編では、コロナ禍の東京の静かな街の様子、茨城の美しい桜並木、五島の雄大な自然という3つの舞台を印象的に伝えるとともに、青春を輝かせる主人公たちのさまざまな心の動きも表現。さらに、この作品のもう一人の主人公とも言える「星空」が、圧倒的な美しさと壮大さを感じさせる。コロナ禍の緊張感や喪失感、不安や戸惑いを感じさせながらも、主人公たちの前向きな表情や躍動感が作品全体を覆う未来への希望を感じさせる映像に仕上がっている。
「この夏の星を見る」は、7月4日に全国公開。主題歌を担当したharuka nakamuraとsuis from ヨルシカのコメントは以下の通り。
【haruka nakamura】
suisさんの歌声はとても儚く、でも芯のある美しさをお持ちですよね。今回がはじめましてでしたが、このコラボレーションは相乗効果となる予感がしていました。
主題歌「灯星」が流れてくることで、作品として光を灯すような希望が持てる。夕暮れにひとつの星が登ってくるような、そこまで駆け抜けていける。御守りのようなうたです。
歌詞についても、原作の辻村深月先生のメッセージを大切に想って書かせて頂きました。
【suis from ヨルシカ】
私も星を見上げるのは日課なので、日常的な感情ではありますが、同じ星を見る気持ちで作品に寄り添う歌が歌えればと思いました。自分なりにどう表現できるかというプレッシャーも感じつつ、haruka nakamuraさんの世界を作る力に身を委ね、楽曲の世界に没入させていただきました。
(C)2025映画「この夏の星を見る」製作委員会