韓国の人気音楽グループ「BTS(防弾少年団)」の所属事務所HYBE(ハイブ)は、中国で初となる事務所を開設した。本土でのK-POP公演に対する事実上の禁止措置が近く解除されるとの期待が高まっている。
ハイブの広報担当者によると、同社は先月、北京に拠点を設けた。ライバルの大手芸能事務所エスエム・エンタテインメントもここ数カ月間、中国ビジネスチームの強化を進めてきたという。
中国本土では2016年からK-POP公演に対する非公式な禁止措置が続いているが、それが近く解除されるとの期待が広がっており、業界全体で準備の動きが活発化している。株式市場もこの動きに反応しており、ハイブの株価は年初来で約40%上昇。SMエンタ株は70%余り、女性4人組グループ「BLACKPINK(ブラックピンク)」の所属事務所YGエンターテインメントの株価も80%近くそれぞれ上昇している。
韓国の人気音楽グループ「BTS(防弾少年団)」のメンバーの写真
Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg
一方で、中国最大の音楽配信プラットフォーム運営会社テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループは、SMエンタの株式の約10%を取得する計画を明らかにしている。この動きは、K-POP音楽の流通再開や世界第2位の経済大国である中国でのK-POP再興につながる可能性があるとみられている。
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「RIIZE(ライズ)」やガールズバンド「aespa(エスパ)」などのアーティストを擁するSMエンタは、テンセントとの提携により、2-3年以内に中国を拠点とするアイドルグループをデビューさせる予定だと発表した。
中国本土でアーティストのツアーを過去に実施していたエスエムとは対照的に、ハイブはこれまで中国市場との接点がほとんどなかった。代わりに米国や日本市場への展開を進めており、アリアナ・グランデやジャスティン・ビーバーが所属する米メディア企業イサカ・ホールディングスを買収している。
原題:K-Pop Gears Up for China Comeback After Decade-Long Ban(抜粋)