1978年の発売から47年を経て、いまなお愛されているギンビス社の国民的おかし「たべっ子どうぶつ」のキャラクターたちが、パッケージから飛び出してスクリーンへ。フル3DCGアニメーションで映画化された『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』が5月1日より公開中だ。
今回、スイーツランド発のアイドルグループ「たべっ子どうぶつ」のリーダー・らいおんくん役の声優を務めたTravis Japanの松田元太にインタビュー。モフモフかわいいけれど戦闘能力ゼロという愛らしいキャラクターをどう演じたのか。さらに役との共通点、俳優としての目標についても聞いた。
『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』をたぶん大人は舐めている
(左から)らいおんくん、松田元太
――松田さんにとって「たべっ子どうぶつ」はどんな存在ですか?
松田元太(以下、松田):とても身近なお菓子でした。ご褒美感覚で食べていたので、スーパーのレジ前に並んでいるのを見ると、つい手に取りたくなったり、見るだけでもハッピーな気持ちになれたりする存在でしたね。
――声優として映画に出演して、「たべっ子どうぶつ」への印象は変わりましたか?
松田:改めて「らいおんくんってどんなキャラクターだろう?」と深く考える機会になりました。「たべっ子どうぶつ」のキャラクターたちが動く姿を初めて見たとき、かわいいけど、それだけじゃない姿にギャップも感じたんです。でも、やっぱり「かわいい!」っていう印象は変わらなくて。ますます好きになりました。
――今回の映画はゼロから作られたオリジナルストーリーです。脚本や物語にどんな魅力を感じましたか?
松田:想像の斜め上をいく展開でした。子ども向けと思われがちで、たぶん大人は舐めてると思います。自分も最初は「かわいいだけのストーリーかな」と思っていたんです。でも全然違って。裏を突かれたというか、「やられた!」って思いました。見た目はカワイイけれど、たべっ子どうぶつたちが語る言葉には深さと重みがあって、人として大切なことをたくさん教えてくれる作品だと思います。心がきれいな人にはすごく刺さるし、心がちょっと曇っている人には「これじゃダメだな」って改めるきっかけになる、そんな力もある気がしました。
――かわいいだけではない、深いメッセージ性に驚かされました。
松田:本当にそうです。脚本の池田(テツヒロ)さんをはじめ、皆さんの発想力が「すごいなー!」とつくづく思います。この作品に出会えたこと、らいおんくんからたくさん学べたことに、すごく感謝しています。
――本作の主題歌はTravis Japanの「Would You Like One?」です。Travis Japanにとって初めての映画主題歌となりますが、メンバーの反応はいかがでしたか?
松田:みんなめちゃくちゃ喜んでました。「すごい!」「『たべっ子どうぶつ』の主題歌できるの!?」「ウェーイ」みたいな(笑)。、あの有名なお菓子「たべっ子どうぶつ」の映画で自分たちが主題歌を担当できるなんて、本当に感謝しかないです。楽曲のダンスも「たべっ子どうぶつ」っぽいかわいい振り付けにしているので、小さい子たちにも歌って踊ってもらえたら嬉しいです。
松田元太、『ライオン・キング』で得た「トライしてみる」精神
――らいおんくんをゼロから演じるにあたり、どんな準備をしましたか?
松田:以前、『ライオン・キング:ムファサ』(2024年)で声のお仕事を経験したことも活きました。今回も、子どもから大人まで楽しんでもらえる作品だという意識を持ちながら取り組みました。普段の自分は声が低めなので、意識したのはギアを上げて高い声で喋ること。耳障りにならないように、聴き心地のよさも大切にしました。
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――『ライオン・キング:ムファサ』での経験が活きたと感じる部分はありますか?
松田:日常生活でも、笑うときの「あはっ」「えへっ」みたいなリアクションを恥ずかしがらなくなりました。お芝居でもそうですが、恥ずかしがると表現が小さくなってしまうので、まずは思い切ってトライしてみる、ダメなら修正する、というマインドになったのは大きな変化です。
――声優に挑戦するのは今作が2作目になりますが、余裕も出てきましたか?
松田:いや、まったく余裕なんてなかったです(笑)。『ライオン・キング:ムファサ』のときから声優さんたちへのリスペクトはすごく強く持っていたんですが、今回もレジェンドの皆さんがたくさんいらっしゃって、とにかく緊張しまくりで。でも、しがみつきながらも楽しみたいという気持ちは持っていました。「自分にしかできないらいおんくんを表現したい」という思いで臨みました。
――「松田さんからこういう声が出るんだ!」という、声のバリエーションの広がりに驚きました。
松田:アニメの主人公って、仲間たちや物語の軸にも大きく影響を与える存在だと思うので、そこを意識しました。頭のなかで「こういこうかな」とイメージを持ちつつ、収録ブースに入ってからは試行錯誤。「これは違うな」「これとこれを組み合わせよう」と探りながら、監督のアドバイスも取り入れて作り上げていきました。
――収録が終わったときに達成感はありましたか?
松田:セリフ量がかなり多かったので、それを録りきった達成感はありました。ただ、完成した映像を観たら、「もっとこうできたかな」と思う部分もあって。もしまたチャンスがあれば、さらに新しい表現に挑戦したいです。