新作映画「果てしなきスカーレット」
(C)2025 スタジオ地図
細田守監督の新作映画「果てしなきスカーレット」の公開日が2025年11月21日に決定。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントによる全世界配給も行なわれ、日本公開に続く12月12日よりアメリカでも劇場公開される。その新ビジュアルやストーリーが公開された。
主人公・スカーレットは、とある国の国王である父を殺された王女。しかし、その復讐に失敗したスカーレットが目を覚ますとそこは“死者の国”だった―。
狂気にあふれたこの“死者の国”では、宿敵に復讐を果たし、“見果てぬ場所”にたどりつかなければ虚無となり存在が消えてしまうと言う。スカーレットは虚無とならずに、宿敵に復讐を果たすことができるのか。果てしなき復讐への旅路が始まる──。
「人は何のために生きるのかを問う、骨太な力強い映画を目指したい。今、この“生きる”という大きなテーマを、観客と一緒に考えたい」という細田監督の想いから始まった本作。
監督は「2021年にコロナ禍があり、世界はコロナというウイルスに対し一致団結していたように思っていました。ところが2022年、それが終わりかけたタイミングに世界のあちこちで戦争が起こり、世の中がカチッと悪い方向に変わった感覚がありました。平和ではない世の中をどうやって生きていくべきなのか、ということの答えを、世界中の人が求めている。今作品を作るなら、そういうみんなの切実な気持ちに対し、向き合って映画を作るべきじゃないか、というところから『果てしなきスカーレット』という作品を発想した」と製作のキッカケを語る。
また、「世界で起こっている出来事を見ると、深い遺恨や復讐心が次々と生まれてしまう状況だと感じています。復讐すれば報復がある。どこかでそのループから抜け出さないといけないけれど、簡単に抜け出せるような甘いものではない。映画の中で復讐せざるを得ない状況に主人公が追い詰められたら、どのような行動をとるべきなのか? 課題を突き付けられた気がしました。それで“復讐の物語”を作ろうと思ったんです」と、今作のテーマを「復讐」とした理由を明かしている。
新たに公開されたのは、主人公である王女・スカーレットの純白のドレスが血に染まりながらも、手には鋭い剣を持ち、たくさんの死体の上から鋭い表情でこちらを見据えているティザービジュアル。
「生きるべきか。」というキャッチコピーは、スカーレットの心の内の葛藤なのか、それとも、わたしたち観客への問いかけなのか……。
スタジオ地図・細田作品を象徴する、主人公と“青空”や“入道雲”が描かれた、見る人の心を明るくするビジュアルからは一変。鬼気迫るスカーレットの表情が印象に残る、狂気をはらんだ衝撃ビジュアルになっている。
【特報】『果てしなきスカーレット』<11月21日(金)公開!>
さらに、初解禁となる本編映像では、宿敵への復讐を果たしに旅に出る王女・スカーレットと砂漠に覆われた“死者の国”と呼ばれる世界のカットが多数公開。砂漠の中にそびえ立つ荘厳な城や密集するたくさんの人々、火山、雷など繊細なタッチで描かれた“死者の国”の様子や、竜の存在も明らかになっている。
そんな世界を生き抜くべく、剣を抜きながら険しい表情で迫るスカーレットも登場。たくさんの兵士相手に一人戦うシーンや顔中砂まみれになっている姿など、鬼気迫る表情も映し出されます。一方、汚れ一つない純白のドレスを身にまとったスカーレットも現れ、どんな展開が待っているのか、本編への期待が高まるシーンが満となっている。
ストーリー
2025年冬
この狂気が、世界中に吹き荒れる。
人は何のために生きるのかを問う、骨太な力強い映画を目指したい。
今、この「生きる」という大きなテーマを、観客と一緒に考えたい。
― 細田守
父を殺され、復讐に失敗した王女・スカーレットは “死者の国” で目を覚ます。
狂気にあふれたこの世界では、宿敵に復讐を果たし、
“見果てぬ場所”に辿り着かなければ、<虚無>となり存在が消えてしまう。
想像を超えた冒険。
終わることなき闘い。
時空を超えた運命の出会い。
果てしなき旅路の先に、スカーレットは生きる道を見出せるのか?
『時をかける少女』から19年。常識を打ち破る、衝撃の王女(ヒロイン)が誕生――
細田守監督・コメント
この作品を考え出したのは2022年3月頃です。
2021年にコロナ禍があり、世界はコロナというウイルスに対し一致団結していたように思っていました。ところが2022年、それが終わりかけたタイミングに世界のあちこちで戦争が起こり、世の中がカチッと悪い方向に変わった感覚がありました。日常だと思っていたものが崩れていく様子を毎日ニュースで僕らは知ることになる。自分自身が生きていること、過ごしている世の中、そして今のこの平和というものは非常に危ういものだと、ショックを受けました。
平和ではない世の中をどうやって生きていくべきなのか、ということの答えを、世界中の人が求めている。答えがあるのかないのかわからないけれども、みんなどうしたら争いが解決するのか、どうしたら僕らは安心して生きていけるのか、という答えをみんな必死に探している。今作品を作るなら、そういうみんなの切実な気持ちに対し、向き合って映画を作るべきじゃないか、というところから『果てしなきスカーレット』という作品を発想したんです。
世界で起こっている出来事を見ると、深い遺恨や復讐心が次々と生まれてしまう状況だと感じています。「復讐」すれば「報復」がある。その連鎖は延々終わらない。どこかでそのループから抜け出さないといけないけれど、簡単に抜け出せるような甘いものではない。映画の中で「復讐」せざるを得ない状況に主人公が追い詰められたら、ないしはもし僕らが追い詰められたとしたら、どのような行動をとるべきなのか? 頭では「復讐」のループを断ち切らないといけないと分かっていても、感情的にそんなことが可能なのか? 課題を突き付けられた気がしました。それで“復讐の物語”を作ろうと思ったんです。