ボキャブラリーを更新すること——『人類の会話のための哲学 ローティと21世紀のプラグマティズム』(よはく舎)著者・朱 喜哲さんとよはく舎代表/編集者・小林えみさん インタビュー

自分のボキャブラリーをこう更新していく
と言いますか自分自身をあのよりよく表現
していけるようになっていくためのこう
道具立てというかそのためのこう力になっ
てくれるのが哲学の営みだと思いますの
で沼新太郎です年間7万点も発売される
新刊の中からきっと長く読み継がれそうな
気になる必殺を選び平日ほぼ毎日紹介して
います今日発売の気になる新刊は人類の
会話のための哲学という本です
サブタイトルにはローティと21世紀の
プラグマティズムとあります著者はチ
ヒチョルさん出版社は余白者さんですえ
本書人類の会話のための哲学はま著者の中
ヒチョルさんが専門として研究してきた
リチャードローティという哲学者について
の本そのローティ論の主張であり理論編と
言えるような本だと思います今この放送を
見たり聞いたりしてくださってる皆さんの
中にはま哲学を専門的に学んだ人もいるか
もしれないと思うんですがまおそらくそう
でない方も大半なんじゃないかなという風
に思いますま僕自身も専門的に学んだこと
のない一読者なんですがまところでですね
まこう哲学とはどんな学問ですかていう風
に問われたらまどう答えようかなという
ことなんですけれどもま僕ならなんとなく
ですねこう心理を探求する学問みたいな
答えをましてしまいそうだなと思いますま
ところがこの本書で取り上げられる
ローティという哲学者はそこに探求す心理
があるという立場を取っていませんえ
ローティにとってま1番大切なことはま
今回の本のタイトルにあるえ人類の会話
っていうのを続けることだったという風に
思っていますま人類の会話と言ってもです
ねまとはいえ多分今の説明だけだとピンと
来ないかもしれないんですがであの
ちょっと先回りしてお話してしまうとこの
後のお話を聞いていただいて興味を持った
方には是非その次に触れていただきたい
ものがありましてえそれはですねNHKの
100分で名所という番組のえリチャード
ローティ偶然性アロに連帯というものの回
ですえテキストブックもあのもう出版され
ていますがえこの著者の中ヒチョルさんが
そこに出演されていましてえこの全4回が
きっとNHKオンデマンドなどで見れると
思いますえその放送とこのテキストでまず
はローティの思想についてのですね
ざっくりとしたこう地図というか概念の
理解みたいなものを手に入れられるんじゃ
ないかなと思いましてまそれをやるだけで
随分本書は読みやすくなると思いますえ
本書人類の会話のための哲学はまず学術的
な哲学史的な側面におけるまローティの
取り扱いていうのをこう正置に分析して
いくような本でまこのプロセスっていうの
がもうものすごいこう知的興奮があります
ある本なんですけどもま決してこうかと
言ってすらすら読めるような本ではなく
ないんですがま途中で何度も整理して
まとめ直してくれるのでま読んでいても道
に迷わない本だなという風には思いますで
まあの難しいなと思ったら100分で名所
のテキストを手に取ったりですねあるいは
地産のこれまでの著作えコースあの
フェアネスを乗りこなすという本やえ
バザルトクラブっていう本などえ色々生き
しながら読んでいくともっと理解が深まり
そうだなという風に思っていましてま自分
としてはまだまだ読みたいっていう興奮が
残っていますしもっと理解してからお話し
たかったみたいな気持ちもいっぱいあるの
ですがえ本日はゲストとして本書の著者で
いらっしゃる中ヒチョルさんとえ余白者の
小林恵美さんをお招きしましたそれでは
ちょっとそれぞれまず自己紹介をいただき
たくてちさんからお願いしますはいえっと
ご紹介に預かりました今回の人類の会話の
ための哲学の著者ですえ中ヒチョルと申し
ますえっとご紹介にありましたように
私自身まあの研究者としてまリチャード
ローティというですね20世紀アメリカの
哲学者についての研究を長らく行ってい
ましたでその研究のまある種の成果がです
ねこのタイミングでま立て続けにあの
世の中に出せることになりましてあの
まさにあのご紹介があったNHKですね
100分でメチというあのまいわゆる名所
を紹介するえ番組の中でまローティのです
ねま主著と言っていいと思いますが偶然性
アイロリー連帯という本をあのご紹介をさ
せていただくことになっていますこれが
ちょうど24年の2月の1ヶ月間全4回
オアがあるとことになりますでえっとこの
本でまさにま私なりにですねまこの本1冊
だけではなくてえっとローティという人の
こう思想の全体像それからある意味では
哲学者としてのこうキャリアと言いますか
どんな動機を持って哲学を始めてでどこに
彼が生きついたんだろうかてまそういう
こう全体像を含めてあのこの1冊の本から
あの類推できるというかあの発することが
できるようなあの本としてご紹介をした
つもりですのである意味ではこうね単に
こう哲学書が読みたいっていうだけでは
なくて彼はもうなくなっ2007年に
亡くなってる哲学者ですがま現代の哲学者
がどんなことを考えていてどんな悩みを
持ちながらあの私たちと同じ時代をま生き
てるんだろうかってことをこう知って
いただける本じゃないかなと思ってますで
もう1点だけちょっと事事的なことを足す
とするとですねまさに今話題になってい
ますがえっとアメリカ大統領戦が今非常に
話題になっているわけですねでローティと
いう人物はあのま2000年代ぐらいに
おいて割とこういわゆるこうポストモダン
とかま日本でもフランス現代思想なんかの
流ると同時にアメリカにおけるポスト
モダニストみたいな文脈もあってま1時は
です結構流行ったあの時期があった哲学者
なんですねとはいえ多分今ではなかなか
こう知ってる人は少なくなってるかもしれ
ないという哲学しですこれアメリカにおい
ても実はあの似たところがあったわけなん
ですがところがあの前回の大統領選挙が
ありました2016年にローティがまた
突如こう注目を浴びるわけですねでそれが
他でもないロティアもなくなっていたん
ですがま20年も以前に2016年に起き
たトランプ現象を予言していたんだとま
そういった文脈であの20年前にこれが
分かっていたこんなことが起きるという風
に予言をしていた哲学者がいたんだとま
こんなあのアングルでこう注目をされた
わけですねチャップでメチの方もそうです
がなんでローティという哲学者はそんな
ことが予言できたんだろうかっていうこと
をこう解き明かしていくとまそんな一種の
こうミステリー的な仕になってる面もあっ
たりいたしますのでまそんな観点からも
是非あの入り口としては100分で名張
そしてまより深く知りたい方にはこう人類
の会話のための哲学という風に見進めて
いただけるとま現代において哲学者って何
やってるんだろうかってことがこう分かり
いただけるんじゃないかなとそんな風に
思ってますちょっと長くなりました
ありがとうございますあのでは小林さんも
ちょっと自己紹介よろしくお願いします
はいえ今回の本の半もの余白者の小林笑み
と申しますえっと今回の方はニクス総省と
いう私があの前回いた会社からあの
引き継いであのやっている総称のシリーズ
なのでえっともうナンバーが8になって
おりますえその中にはですね今もう活躍さ
れている斎藤公平さのやはり白音本である
大洪水の前にこちら今もう角川のえ
ソフィア文庫になっているえっとま現代
日本のまだ若い方の白音本があの文庫化
するってなかなかないことではあると思う
んですけれどもあのそれも当時出た時には
やっぱり難しい本だという風にあの言われ
てはいたんですですけれどもま色々な彼の
他の本であるとかと合わせて読み続けられ
ていてあの文庫としても重犯を重ねられて
おりますえ昨年はですねあの高木俊さんと
いう方の関東の判断力批判入門こちらも
判断力批判というすごく難しい本ですね
入門と言いながら入門も結構難しいよと
言われながらなんですけれどもやはり
とてもあの多くの方にあの徐々に評価が
広がっておりましてその中で今回ローティ
ですねあのローティ自身の面白さっていう
のも私も実はあの分析哲学を読み始めた時
に分析哲学があんま面白くないなっていう
風に思っていたんですけれどもなんで自分
がそういう風に面白くないと感じたのかで
まその中でローティが言ってることの何が
面白いのかっていうのをあのまさにチさの
哲学の中から教えていただいておりまして
あのそうしたことがあの今回の本の中から
はあの読み解いていけるかなと思いますで
あの私自身もよくこういう風な本を出して
いると哲学家のご出身ですかということ
聞かれるんですけれども本当に全くあの
人文書っていうのは大人になるまで読んだ
ことがなくてあのこのニクス総称的なもの
を扱い始めてから読み始めて今あのこう
いう風な色々な理解をしていますあの本は
やっぱりそうやって読んで色々あの理解し
てまた次を読んでっっていう風に繋がって
いくことでとっても色々な楽しさがあると
思います今回もあの是非中さの本あの最初
は少し難しいかもしれないんですけれども
色々なものを参考にしなですとか少しずつ
読み進めをしていただきながら楽しんで
いただけると嬉しいなと思っております
ありがとうございますはいあの自分も
まさしくそのように読ませていただいたと
いうかまちょっと結構難しいかもしれない
なと思いながら読み始めたんですけど
やっぱりこうじっくり読んでるうちにあの
ちゃんとあのわ分かってくるというか特に
本当にあの自分が冒頭に申し上げましたが
その100分で名をですね見たら急に
分かるようになったっていうようなところ
もいくつもありますましてやっぱりこれは
その順番も大事だしあの分からなくても
少し我慢してみたりえあるいはこう分かる
ためにそういうちょっと違う入門的な
インプットをしたりするみたいなことまぜ
すごく大事だなと思いながらこう久々に
こうかなり楽しくがっつりこう哲学書を
読ましてもらったっていう感覚があるん
ですがえちょっと改めてえ中さの方から
今回のこのえ人類の会話のための哲学と
いう本がまどんな本なのかというのを少し
もう少し中身をご紹介いただいても
よろしいでしょう
かそうですね今回の本ま私のあの博士論文
が元になってる本ではあるんですがま大幅
にあの過失修正なんかを施してまあの
いかにも論文っていうパートも確かに残っ
てる残ってると言いますか盛り込まれてる
んですがあの全体の大きなストーリー
ラインについてはより分かりやすい本に
なってるかなという風にはをしていますで
それをま貫くストーリーがですねまさに
その人類の会話のための哲学だというま
哲学の捉え方ですね哲学とは何のために
あるのかっていう問をまあるいは哲学者は
何のためにあるいはどんな貢献をすること
で私たちの社会の一員として活躍するん
だろうかっていう問をま冒頭にあの立てて
いるわけなんですけれどもそれの答えが
端的に言えば人類の会話を守るとそれが
あの哲学の使命なんだとまこのようにあの
言えるあの主張をずっと捉えてるという
ことになると思うんですねでそうするとこ
人類の会話って何だろうていう話に当然
なっていくわけなんですけれどもまそれが
あの冒頭のまあの初めのえところでこう
述べさせていただいていますが要はま会話
という場合にはそれは議論とかですねま
論証とかそういったものとこう退避されて
いるわけですね議論や議であれば例えば
こう結論を出す必要があったりであるとか
合意を取る必要があるという風に目的が
あって営まれるわけなんですが会話って
そういったものあるでしょうかこれが1つ
ローティ鑑定ですね会話というものにもし
目的があるとすればそれはその会話を一方
的に打ち切らないということだけだとその
場その場でこう会話をお互いがこう続ける
ために続けることだけが会話の目的なんだ
とまこんな風にロティは考えているわけ
ですねでその時にまやもすると哲学者と
いうのはですね皆さんがどんなイメージを
持たれるか例えば内沼さんもあの心理の
探求をやる哲学という風におっしゃいまし
たがまそういう観点からすればどんどん
こう議論をしていって相手が間違ってる
これも間違ってるっていう風にこうあの1
個個キャンセルする中で唯一の確からしい
答えをこう一緒で求めていくというま言わ
ばこう探求というかそういった営として
哲学を捉えるケースがあると思いますし
そういう観点を取るならば言葉を使った営
の中でもこう会話っていうのはあるしこう
低俗なレベルの低い雑多なものであってで
その中からこうよりこう論理で鍛え上げて
正しい議論を積み上げてくんだとまこんな
風に考える哲学者というのは決して少なく
はないと思うんですねまこのように言わ
なくてですそれに対してローティという
哲学者はむしろ哲学者ってのはそんなこう
言葉の特権性というものを振り返すことを
やめるべきだいう風にま言った哲学者でも
あるわけですねでそのことについてどう
やってそのことを論証するのかということ
がま非常に大事な面でもあるわけですが
ひとまずメッセージ的なことだけを言う
ならばそうではなくてそういった正しさを
追い求める議論をすることがあのま会話
よりもより優れたやり方なんではなくて
むしろ私たちが日常的に営んでいてえざた
なそれでもこう街角で日々行われている
ような会話っていうもののに響いてる雑多
で多様な声たちをどうやってそのまま面白
がるのかそれらをそのままにこう
ありがたいものとしてそれらをそれ本当は
間違ってるんだよとかその言い方って全然
違うんだよっていう風に何か哲学者や言葉
の専門家が指導するかってものではなくて
まそのままにそれがどうやって生き生きと
したものとして我々の人類のある種のこう
財産として言葉遣いを大事にできるの
かっていうことを考えたそんな風にあの
言ってあげることができると思うんですね
でただこのま大きな話をですねちゃんと
主張するためには非常にこうまあるし緻密
な議論が必要になってくるところでそれ
こそ哲学っていうのは何ができるんだろう
かってま自分たちのこうケイパビリティに
ついての自問自とということがもちろん
歴史上もあったりするわけですねでそう
いう観点からまローティと及びそれに
近しい日たちの議論を様々並べながらどう
すればこのローティ的な哲学感というもの
がま今今の時代に私たちがあのある意味で
は間に受けて考えることができるんだろう
かということをあの考えてるもというのが
あの大きな括り方としては言えるんじゃ
ないかと思っていますでそれにもう1点
だけ一声足すとするとまああの大きく3部
構成になっているんですがま第1部がある
意味ではこう現在の話として現在進行中の
哲学特に言葉についての哲学で何をやる
べきなのっていったような今の進行中な
問題においてロテをどのように評価できる
のかという現在の問題を扱っていますで第
2部では過去の問題を扱ってる面があって
えっとローティというある種のこうま非常
に得意な哲学者をですねどんなこう潮流の
中で理解すべきなのかということについて
えま過去に遡る形でローティ以前の
いわゆる分析哲学と言われるような思想の
伝統に即しながらその中でなぜローティが
あの現れてきたのというこのポジションに
ついてま明確にしようというのが第2部
過去の話をしてましたで第3部ではまさに
こう未来というかまこれも現在でもあり
ますが近未来の話でもあってえローティが
なくなってもう17年ぐらい経ってるわけ
ですけれどもまその中で現在も実はあの
ローティ的なモチベーションやローティ的
なこうなんて言うんでしょうかね道具建て
ローティ的なその世界の体重の仕方をえ
備えいる哲学者というのが実際にいてま
それはローティの教え語たちであったり
あるいはその弟子筋さらに弟子筋だったり
するわけですけれどもまそういったあの
哲学者が実際に今現在いるんだよいう話
からあの特にはこうアクチュアルな具体的
な話ですねまさにその例えばこうま今ガで
も生じていますけどこう虐殺のような非常
にこうえあまりに残酷で言葉を絶するよう
な事態について我々は何を考えることが
できるのかというよな分析であるとか
あるいはえまその虐殺に至りうるように
ですね言葉遣いの数々の問題点例えば
ヘイトスピーチのようなものからターンを
起こしてそれがなぜ害悪を用いてついに
行きつくところまで行けば虐殺のような
事態を肯定してしまったりあるいはそれを
こう助長することになり得るのまこんな風
にあの言葉遣いやボキャブラリー会話と
いったものを巡ってそれがどんなあの
ネガティブな面に対して退治することが
できるのかという現在の者たちの営みに
ついてもま紹介をして検討してるといった
ことでもありますのでまその意味でこう
ローティを中心に哲学の過去現在未来に
ついてあのまとめていったまそんな表な本
だという紹介できるかなと思います
ありがとうございます特にま自分が読ませ
ていただいて思ったのは後半のそのヘイト
スピーチに関する部分とかその文化政治
みたいな話に入っていくあたりあのああと
はその感情教育みたいな話と入っていく
あたりっていうのはリアルであの
アクチュアルな問題なので前半のいわゆる
現代の哲学者の中でのえローティの
位置付けみたいなことであるとかその立場
の整理をしていくような部分と比べるとま
非常にこう読みやすいのかなという風に
えっと思っているんですけれども今の話の
中でちょっとそのま人類の会話っていう
言葉からま普通の人がイメージするその
会話を続けること打ち切られないこと
みたいなことでイメージするのはますごく
端的に言うとこうひ行的なロパっていうか
あのそこではいもうここで議論終了みたい
なのがおそらくこう1番こうイメージする
会話が打ち切られる状態かなていう風に
思うんですよねでそれと同時にもう1個
思い浮かぶことっていうのはとはいえその
SNSとかでやり取りされる言葉っていう
のがま非常にこう良くない時もあるなと
いうか人ま心にやられるような時とかも
あっておそらくその僕の理解だとローティ
的な考え方で言うとそのボキャブラリーっ
ていうのは多様である方が良いと差別を
やめていこうみたいな安全な方向に向う
みたいみたいな場合っていうのは逆に言う
とこう使ってはいけないボキャブラリー
みたいなものっていうのがこう求められて
いく方向性も一方にあるんだろうなと思う
んですがでもま多様な方がやっぱりそれは
人類の会話っていうのも存続可能性が
高まるまあるそれは生物多様性と同じでま
そのことがすごく重要なんだっていうよう
な議論もあってその辺りのことていうのを
ちょっとあの少しあの身近な部分だと思う
のであの少しもう少しあの解説いただいて
もいいです

ま今哲学者何やってるんだろうってことっ
て皆さんあまりイメージがないかもしれ
ないと思ったりするんですが例えば
やっぱり昔の哲学がやったことって今だっ
たら例えばま関東の認識論なんていうもの
は今だったらこう農科学とか認知科学が
やってたりするわけですよねでそうすると
哲学にある意味では残されたあの独自の
探求領域って何だろうって考えてみると
それは概ねそのコミュニケーションとか
言葉とかってものに関わってくるわけです
よねでそれが今あの先ほどから述べている
ま分析哲学とか言語哲学っていうジャンル
はまさにそれを扱っているわけですしま
それは別にヨーロッパであろうとあの
何かしらの意味で広く言葉とか
コミュニケーションに関わることをやっ
てるという風に言えると思うんですがそう
するとやっぱりあのまさに今質問があった
みたいにま言葉について考えることが
例えばなぜそのえそれこそ究極的なは
ジェノサイと虐殺のような事態であるとか
そういったことまでこう繋がってるのかか
が言葉の問題じゃないかっていう風にま
思う方は決して少なくはないと思うんです
ねでこれはやっぱりあのどんな言葉遣いを
使ったらいいのってでま今だったらよく
やゆされがちな表現ですがまいわゆるポリ
コレみたいなことを言われてしまって単に
言葉狩りの問題なんじゃないかっていう風
に言ったりする人がいたりするえっとこう
いうなんかこう単純な使っていい使って
悪いとかっていうことの1個手前にですね
あのじゃそもそも言葉の意味って何なん
だろうとか言葉がこう我々の社会において
果たす役割って何なんだろうってことに
ついてはやっぱり非常にこう分厚いえっと
議論の蓄積もありますし考えてきた歴史が
あるわけですよねでそういう歴史の中に
リチャードローティという人物やま私たち
のようなこう哲学者が今立っていたりする
わけなのでまその端的にこうこれ使って
いいの悪いのっていうだけではなくて
そもそも言葉の意味ってどんなところに
あるんだろう言葉が社会で働くって何なん
だろうかってことをこうつまびらかにして
くっていうことからまやってますよという
のがまず今のこうお答えする上の準備段階
の1つお答えのポイントだと思うですね
うんうんでその上でえっと具体的にまあの
ローティという人は哲学の役割を文化政治
だという風に規定をしています文化政治と
しての哲学というまこれは本のタイトルに
もなっていましたがえっと文化政治
カルチャルポリティクスって何かというと
ローティの表現によればどんな言葉を使う
べきなのか使うべきでないのかそれを判断
するのが文化政治であるこれだけ聞くと
ですねあかも先ほど言ったポリコレとか
言葉狩りのようにも聞こえるわけですよね
でも実際はロテはかなりそれと真逆なこと
を言ってるという風に言うことができて
あの単にえっと思考停的にこれはダメだ
あればいいっていうことをやるのではなく
てそもそもどんな言葉を使うべきかについ
て銀にするための様々な道具立てを提供し
てその悪さあるいは一見すると悪さなんだ
けれどもそれは実はこういう風に問題ない
んじゃないかて考えたりするっていうよう
に言葉のこう使われ方についてのこう理論
的道具を提供することそれこそが哲学に
残されたやるべき仕事なんだとこんな風に
考えているわけですねですのでま完全に
ローティと同じ考えを取る人があの今どれ
だけいるかという言葉一旦留保をつけます
がまそれでもですねかなり多くの哲学者
たちが実は今まにあの具体的な言葉の問題
で言葉の問題ってそれだけではないわけ
ですよね言葉がヘイトスピーチになり
ヘイトスピーチがあのサビに行きつき
そして差別がまあの場合によって虐殺に
行きついたりするということがあの実際
起こり得るわけででそういったあの実際人
この社会においてこうま様々な残酷さを
生じさせてしまったりであるとか様々な
問題を生じさせてしまう言葉のメカニズム
全般についてどうやったら理解できるん
だろうかってことをこう日知や研究してる
のが哲学者だと思いますしまその研究のの
一端についてご紹介すると同時にどんな
モチベーションでやってるのってことを
こうしめてるとまそんな風にも言えるかな
とちょっとすませ最初の質問と少し変わっ
ちゃいましたが一旦あのちょっと概要のご
紹介うんいやありがとうございますでも
本当にそうですよねなんか我々がこう今
日常生活を生きていてやっぱ僕もなんか
すごくやっぱ個人的にも気になるのはそう
いう身の回りで使われている言葉のこと
だったりしてうんうんやっぱりそのことて
いうことにはでも絶対そう蓄積がきっとん
だろうということは分かりつつもじゃあ
どういう風にその考えて判断していったら
いいのかとか日常生活を送っていったら
いいのかっていうのは悩んでしまうような
ことっていうのがま非常によくあるんです
けれどもまそういったものに関するこう
考え方の基盤というかそういったものを
こういただけるような本っていう風に捉え
ていいんですかねそうですねあの
おっしゃったみたいにまタレント見たと
思いひという風に呼びますがま彼のそのま
文句の話がさっき出ましたねあのそれって
あなたの感想ですよまロパするっていうの
がまこうある種こうなんて言うんでしょう
かね会話の1つの踏め方としてあるって
まさにおっしゃる通りででもそこの背景に
あるのってなんか言葉の
コミュニケーションを勝ち負けを競う競技
のように考えたり相手をやり込めたりする
ようなある種のこうそういう特殊なルール
が設定されたゲームのように考えて
るっていう傾向がもしかすると今やっぱり
コミュニケーションの空間では暴行してる
ようにも思うわけですよねでそれは特に
SNSのようなそこに身体性があまりなく
て目の前の人にどんな屈辱を与えてしまっ
たらどんなことが起こるか分からない
みたいなことがなくてですねある意味で
安全にそういったことが言えてしまう場所
においてはまてこう横行しやすいものとし
てあるわけででもしかするとですね最初の
最初哲学ってものについて皆さんが関心
持つのはえっと誰の言うことが本当は1番
正しいんだろうだか1番強い哲学者って誰
だろうみたいなことを考えることがあり
得るわけですねなんだけど哲学の学びって
進めれば進めるほどその問いにはあんまり
意味がないってことが分かってくることで
もあってむしろこう私たちが使ってる
言葉遣いとかをどれだけ味わい尽くすこと
ができるのかその危うさとか面白みである
とかそのこうそこから帰結するようなあの
豊かなものですねそれはもちろんあの
ネガティブなものも含めてそれをどれだけ
こう味わいながらその周辺でこうぐるぐる
と考えながら自分たちの言葉を紡ぎ直し
たり社会でどんな言葉を使うべきなん
だろうねっっていうことをこうま一緒に
こう言葉を選んでいくいうことがあのやっ
てくことがやっぱ哲学の醍醐だったりし
ますのであのある意味ではあの1番強い
哲学1番他のもの黙らせる哲学っていう表
あの理念ではなくてどうやって私たちの
言葉をちゃんとこう味わってそれを自分の
言葉としてこうさらにこう引き受けていっ
てそれを自分自身がこんな風に入れたら
いいよなっていう風にこう自分の
ボキャブラリーをこう更新していくと言い
ますか自分自身をあのよりよく表現して
いけるようになっていくためのこう道具
立てというかそのためのこう力になって
くれるのが哲学のだと思いますのでま
そんな関心から持っていただくとま結構
テクニカルな議論もあるんですがモチベー
ションってこういうことなんだっていう
ことがあの比較的あのブレずに書いてる本
なんじゃないかなという風には思ってい
ますいやあめちゃくちゃよくわかりました
なんかありがとうございますあのま今のお
話の中にもあったかもしれないんですけど
も改めてちょっとこの本をまどんな人に
あの読んでもらえるといいかなみたいな
ことをそれぞれお話しいただければと思う
んですがちょっとまずじゃあえっと出版社
の余白者の小林さん
からさっきあの血沼さんもやっぱり自分の
こととしてっていう身近な例っておそらく
たくさんの人が思い当たることあると思う
んですねそれは例えば親子の会話であっ
たりだとかあのパートナーとの会話って
いうことでもありえますしあの私の周りで
言うと例えば私割とフェミニスト的立場
からあの発言することが多いので男性の方
にこうあのあの言ってこうあの指摘をする
立場に回りがちなんですねでもそこでこう
あのやっぱりえっとその問題の本質は何
かっていうことをみんなで一緒に考えたい
と思っているんだけれどもやっぱりそこを
あの謝らせたいんだろうみたいな風に思わ
れがちだしそこがやっぱりキャンセル
カルチャーという言葉で捉えられがちな
ところだと思ってるんですねそれで謝らせ
たいわけじゃないっていう言い方をこちら
がするとじゃあ何がしたいんだっていう
ことの混乱をすごく招きがちだったところ
にあのチさんのこのやっぱり人類の会話
っていうその会話を続けていってみんなで
どうしていくのか考えるべきだっていう
ようなところですねすごく単純化してい
ましたけれどもあのそれがじゃあどういう
構造になっているのかっていうのがこの本
を読むと本当に身にしみてあそうか会話を
続けていかなければいけないんだっていう
ところですねあの思ってもらえると思い
ますのであの皆さんも少しずつこの本読ん
でもらえると嬉しいなと思っております
ありがとうございますえ主さはいかが
でしょうかはいそうですねあのまさにま2
月にオ中でしたNHK100分のメト
ローティにおいてやっぱローティさんの
現代的なこう意義であるとかその注目の
高まりというのは私もやっぱりやっていて
感じたところがありますであくまで
やっぱりあの100分に出メって本当
入り口の入り口をですねなるべくあの
カジュアルに説明しようという番組でも
ありましたのであの是非そこでこうご関心
持っていただいた方にはまその哲学に
どんな過去現在未来があるのかという観点
でそれからまとりわけそれはま私という
現在とあの皆さんと共にこう日本語件でき
てる哲学者を通じてこう理解をされたもの
なわけですけれどもま現在の哲学者が何を
あのやろうとしてるのかっていうその
モチベーションがあるし見える本でもある
かなと思いますのであのま難解な部分が
あることはもちろんではあるんですがそこ
も含めてどんなモチベーションに裏打ちさ
れたま哲学者というあの人たちがですね
あの同じ社会に生きてるのかということを
こうま示せるようなまそういった一冊に
なってるんじゃないかなという風には思っ
ていますのであの是非ご関心持って
いただいた方には手に取っていただいてま
読めるところだけでもぜひ読んでいただけ
たりするとあの非常に嬉しいなという風に
思っておりますありがとうございますえ
続きは是非本章え実際にお手に取ってご覧
くださいということでえ本日のお話はこの
辺りで終わりにしたいと思いますえ今回ご
紹介したこの人類の会話のための哲学と
いう本はえ自分がやってるvalu
BOOKというオンライン書店でもえご
購入いただけるようにするほえリアルの
本屋さんでもえたくさんの本屋さんでお手
に取ってご覧いただけると思いますので
是非見ていただければと思いますえ本日は
ゲストとしてえ本書の著者でいらっしゃる
中ヒチさんとえ刃元でいらっしゃる余白者
の小林笑美さんをお招きしましたどうも
ありがとうございましたありがとうござい
まし
たご紹介した本をvalBOOKの
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「 #今日発売の気になる新刊 」は、ブック・コーディネイターの内沼晋太郎が、年間7万点も発売される新刊の中から、気になる一冊を選び、平日ほぼ毎日紹介していく番組です。本にまつわるあらゆることを扱う「 #本チャンネル」の看板コンテンツです。本は出会ったときが新刊ですので、ぜひアーカイブも合わせてお楽しみください。

【取り扱い書店】
本書は以下の書店ほか、全国の書店でご購入いただけます。
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【書籍について】
朱 喜哲(ちゅ ひちょる)著 『人類の会話のための哲学 ローティと21世紀のプラグマティズム』(よはく舎)
¥4,180(3,800円+税)|2024年2月26日発売

「ローティという不世出の哲学者を、〈人類の会話〉の守護者であろうとし続けた人物として再発見する。」朱喜哲は、混沌とした現在の日本・世界でローティが注目されるべき意味を鮮やかに記した。
古代ギリシア以来の伝統につらなる哲学を筆頭として「唯一の真正な声」を求める営みは、ひとびとの小さな声をつぐませる。
「雑多で多様な複数の声たち」、その会話こそが人類が豊かに暮らす希望ではないか。
哲学者ローティは多くの批判を引き受けながら、その声たちを守ることこそを哲学の任務として引き受けた。
本書は、第一部はミサック、第二部はセラーズ、第三部はブランダムを中心的に扱うことで、先行研究から後世の視点も含め包括的なローティ像を描き出している。
また、同時に現代的な意義、政治や社会の状況に対してどのように参照しうるのかを明らかにした。
こうしてローティの思想を中心にプラグマティズムの意義を明らかにしていくことで、本書は古典から未来へ繋がる哲学の姿をも希望をもって浮かび上がらせる。

【番組を気に入ってくださった方へ】
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【書店のみなさまへ】
書店主・書店員のみなさまは、ぜひ以下より書店向けニュースレターにご登録ください。仕入れる本がある場合、上記の【取り扱い書店】にお名前を掲載いただけるほか(任意)、書店向けに役立つさまざまな情報を週刊で配信しています。
https://forms.gle/Cft1rWy895SWE2Aa8

【出版社のみなさまへ】
紹介する本は、主にJPROの情報から1ヶ月ほど前に選んでいますが、情報が十分でないと感じています。よろしければぜひ、より早い段階で新刊情報をお寄せください。
https://forms.gle/B7nnBkX5MbfAmM7J8

【動画の目次】
00:00 『ボキャブラリーを更新すること』
09:34 本の内容について
17:27 哲学に残されたやるべき仕事
21:53 哲学を学ぶモチベーション
24:34 読者像

【本日のゲスト】
朱 喜哲(ちゅ ひちょる)/哲学者
哲学者。1985年大阪生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。専門はプラグマティズム言語哲学とその思想史。企業に勤務しながら大阪大学招へい教員も務める。著書に『〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす』等。

小林えみ/よはく舎代表
1978年生まれ。出版社・よはく舎を立ち上げ、朱喜哲さんの書籍や高木駿『カント『判断力批判』入門』等の書籍を刊行している

【クレジット】
配信日:2024年2月26日(月) 

ホスト:内沼晋太郎
動画編集:樺沢孝彦
制作スタッフ:西尾清香、神谷周作、生江秀(バリューブックス)

ご連絡、ご依頼はメールにてお願いします。
the.book.channel.2023@gmail.com

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