ホラー映画を中心に執筆するライター・ヒロシニコフさんによる書籍『ホラー映画超近現代史 恐怖が映す時代の不安と欲望』が、ディスクユニオンの出版部門・DU BOOKSより7月7日(火)に刊行される。

同書は、2000年代以降のホラー映画の潮流を体系的に整理した一冊。トーチャー・ポルノ(残虐ポルノ)、ファウンド・フッテージ(遺失映像もの)、ソーシャル・スリラー(社会派スリラー)など、多様なジャンルの変遷を網羅する“現代ホラー完全ガイド”と位置づけられている。

全500ページ超というボリュームに加え、映画批評家や関係者との対談も多数収録。恐怖表現の変化を通じて、時代の不安や欲望を読み解く構成となっている。

トーチャー・ポルノからA24まで 現代ホラーの流れを整理

『ホラー映画超近現代史』では、2000年代/2010年代/2020年代と時代ごとに章立てされ、それぞれのトピックを網羅していく。

2000年代には、『SAW』シリーズに代表されるトーチャー・ポルノや、フランス発の過激なホラー作品の潮流であるニューウェイヴ・オブ・フレンチホラー、そして『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』以降に広がったファウンド・フッテージ作品などが台頭したと紹介。

2010年代ではロバート・エガース監督の映画『ウィッチ(The Witch / The VVitch)』も紹介/画像はAmazonより

2010年代では『ゲット・アウト』に象徴されるソーシャル・スリラーや、『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』などに連なるアートハウス・ホラー(芸術的/実験的ホラー)について整理。

加えて、フェミニズム的視点からの再解釈や、インディー作品の台頭も重要な流れとして扱われる。

さらに2020年代においては、ホラーアイコンのリバイバルや配信文化との接続、ポスト・パンデミック以降のテーマ変化など、現在進行形の動向にも言及。現代ホラーをめぐるガイドブックとして機能する構成となっている。

高橋ヨシキ、町山智浩らが対談参加 多角的な視点で掘り下げ

本書には、映画評論家・高橋ヨシキさんや町山智浩さん、人間食べ食べカエルさんのほか、翻訳家の柳下毅一郎さん、作家の中原昌也さんら、多彩なゲストとの対談も収録される。

多彩なゲストとの対談も収録/画像はAmazonより

映画批評にとどまらず、配給や翻訳、映像制作からソフト販売まで、それぞれ異なる立場からホラー映画を語ることで、ジャンルの広がりと映画産業の背景を浮かび上がらせている。

単なる作品ガイドではなく、「どのように恐怖が流通し、受容されてきたのか」という文化的な視点も補強されている点が特徴だ。

未公開ホラーを掘り起こしてきた著者・ヒロシニコフ

ヒロシニコフさんは、残酷映画やゴアホラーを中心に執筆するライター。

雑誌やWebメディアへの寄稿に加え、日本未公開の海外インディーホラーを紹介するレーベル「VIDEO VIOLENCE RELEASING」の代表をつとめている。

また、世界各国のインディペンデント・スプラッター映画を上映する映画祭「ゴアフェス」も主催。国内では触れる機会の少ない作品群を紹介し続けてきた。

Yugaming

1990年生まれの地方在住。インターネットに青春時代を持っていかれた。VRとesportsが関心領域。最近はnoteを拠点に活動している。

書籍『ホラー映画超近現代史』刊行 2000年代以降の潮流を体系的に解説

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