フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)は、2026-27年秋冬コレクションを発表した。
幼少期の断片的な記憶を、いまの感覚と重ねて
“BACK TO ME”をテーマに掲げた、フミエ タナカの2026-27年秋冬コレクション。デザイナーである田中文江自らの幼少期の記憶を手繰り寄せ、それらを現在の感覚と重ね合わせて構成した。
家族の衣服や身近な風景といったイメージは、時間の経過とともに輪郭が曖昧になりつつも、いまの自分へと連なっているもの。身近にいた犬や、祖父母の家にあった布団、掛け違えたボタンなどの具体的な記憶が出発点となり、ルックの随所にその気配をにじませている。記憶の断片の中に生きてきた自分は、今も昔も変わらず”私”である──そんな静かな確信が、コレクション全体を貫く。
存在感を放つ柄使い
印象的なのは、装飾的な柄使いだ。たとえば、クラシックな雰囲気をまとったダマスク柄はブラウン×ライトブルーとブラック×ホワイトの2パターンで展開。コートやジャケット、スカート、パンツ、バッグにまで落とし込まれ、コレクション全体にノスタルジックなムードを漂わせていた。
目のようにも見える不思議な幾何学模様の総柄プリントもお目見え。規則的に反復されるモチーフを全身で揃えたシャツとパンツのセットアップは、視線を引き寄せる独特の存在感を放つ。
花のような装飾
花のような装飾も、今季を象徴する要素のひとつだ。バーガンディやホワイトなど、落ち着いたカラーで表現された立体的な花のモチーフが、コートやスカート、ロングワンピースの胸元などにあしらわれている。装いの中に静かに浮かび上がるその佇まいは、記憶の断片をそっとすくい上げたかのよう。過度に主張することなく、淡くにじむように華やぎを添えていた。
ゆとりをもたせたスーツスタイル
細かな柄が全面に広がるセットアップは、わずかにゆとりを持たせたシルエットでリラックス感のある仕立てに。ジャケットとトラウザーズにタイを合わせた着こなしは、どこか懐かしさを帯びたクラシックなスーツスタイルを思わせる。




