俳優の柄本佑さん主演の映画「木挽町のあだ討ち」(源孝志監督)の 大ヒット御礼舞台あいさつが3月30日、東京都内で行われ、柄本さんのほか、沢口靖子さん、源監督、原作者の永井紗耶子さんが登壇した。

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2件のコメント

  1. 国宝に続く邦画、時代劇のヒット作です。
    優れた原作と東映の映画力が結集しています。
    冒頭の華麗な仇討ちシーンが何とも見事です。
    人情味タップリの原作とは一味違う、映画ならではの醍醐味があります。
    仮名手本忠臣蔵の芝居を伏線に置いている点が良く効いています。
    序盤の映像美、中盤の謎解き部分が丁寧です。

    画竜点睛、竜頭蛇尾、残念なのが終盤からラストへの盛り上がりと緊張感でしょう。
    もともと仇討ちの謎解きだけでは終盤は持ちません。
    もう一つの謎とその謎解きが必要でしょう。
    世界に配信する前にすっきり作り直した方がいいでしょう。
    使われていない映像があるようですから作り直しは簡単です。

    美濃藩から来た菊之助の許嫁の兄の総一郎が事件の一年半後におっとり刀で仇討ちを調べに来ると言う、源監督のコロンボ総一郎の思い付きは中盤の謎解きには有効でしたが、残念、終盤に活きていません、失速、肩透かしです。
    目の越えた観客は終盤に否定的です。
    その理由は、
    仇討ちが芝居だったのはすぐ分かること、
    また芝居だからこそ良かったこと、で、宣伝でミステリーを強調するのは仕方ないとしても映画では終盤もっと引き込まれる要素が欲しかったです。
    伏線が仮名手本忠臣蔵で、その元になる事件が47年前の赤穂事件なので、赤穂藩の取り潰し、討ち入りした浪士の切腹、赤穂藩の再興、当時の庶民の意識などから、次の対立軸が浮かぶ筈です。

     ①幕府vs美濃藩 (美濃藩が謀反を図っていたり、賄賂を放置していれば幕府の改易、取り潰しに合う筈)
      もともと美濃藩はキリシタン騒動などで幕府の要警戒対象だった藩です。
     ②幕府vs戯作者金治 (幕府を直接批判する戯曲だと、馬場文耕のように金治も打ち首の仕置きがある筈)

    この構図での緊迫感が観客に伝わればラストまで興味が続くでしょう。
    映画では時間を掛けて丁寧に描かれていた清左衛門の死の真相から、この映画では次の要素が必須でしょう。

     ①清左衛門の死には無念があり、その無念は張らされること。
     ②美濃藩は幕府によって赤穂藩のように改易、取り潰しされてはいけないこと。
     ③菊之助が美濃藩に帰郷できるように菊之助の仇討ちが完成すること。
     ④もともと下手人ではない作兵衛は殺してはいけないこと。
     ⑤上のすべてに森田座の面々が活躍する事。

    更には上記を妨害する者がいればより後半の興味と緊迫感を生み出すでしょう。
    →やはり映画の総一郎の設定が誤りです。
    源監督はストーリーテラーとしてコロンボ柄本総一郎を選んで、冒頭の華麗な仇討ちシーンで観客の心を掴み、謎解きでそれを離さないようにと考えたのでしょうが、前者は大成功で後者は当然ながら失速しています。
    →それは原作に出てくる総一郎をそのままストーリーテラーにしたからで、清左衛門の真相を知る美濃藩の侍、総一郎では映画が台無しです。
    何故ならば、美濃藩の侍が一年半後にのんびり江戸に調べに来てはリアリティゼロです。
    若い観客のためにどうしてもストーリーテラーが必要だとしても、百歩譲ってそれは総一郎を騙る、美濃藩の賄賂、謀反を探る幕府の隠密、巡見使とすべきでしょう。
    もう少しで美濃藩の謀反の企みが解明できる、賄賂の帳簿を作兵衛から手に入れば美濃藩を潰してやるくらいの侍が必要です。
    新たな藩主が賄賂事件を片付ける前ならば美濃藩を潰せるという設定が必要でしょう。
    そうすれば上記の対立の構図がはっきりして後半の興味、はらはら感が尽きません。

    時系列もだいぶんはしょり過ぎです。
    まず作兵衛が賄賂の証拠の帳簿を持って江戸に出奔、森田座で裏方で働く。
    (冒頭の博徒はあくまでも芝居で作兵衛は実直な侍です)
    後から、清兵衛の死の真相を知らない菊之助が仇討ちを遂げるべく作兵衛を追って江戸に来る。
    ここで、もしも森田座の面々が絡まなければどうなるでしょうか?
    菊之助が作兵衛を探しだして芝居とは異なる仇討ちが始まり、実直な侍である作兵衛は、清左衛門の意思の通り、菊之助の家の安泰のために自ら菊之助に射たれてしまいましょう。
    これでは清左衛門の無念が残ってしまいます。
    菊之助にも良くありません。
    それをさせないのが森田座の面々です。
    次の場面が欠落しています。
    危うく作兵衛が菊之助に射たれそうになるのを金治が止めないといけません。

    金治 ふたりともそこまでだ。刀を納めなさい。
       作兵衛さんから清左衛門さんの死の真相は聞いている。
       作兵衛さんを殺して、清左衛門さんの死を無駄にしてはいけない。
       帳簿を幕府に奪れてはいけない。
       ここは大芝居を打つのが一番でしょう。
    というやり取り必要でしょう。
    ここで森田座と作兵衛、菊之助の邪魔をする者の出番です。
    総一郎を騙る幕府の隠密の登場でしょう。
    この隠密が帳簿を手に入れて、美濃藩が不正を解決する前に幕府のお裁きが成されれば赤穂藩のように美濃藩は改易、取り潰しに合うという緊迫感が出て来ます。
    映画のように、作兵衛から帳簿を受け取り、忝ないどとは全くお門違いです。
    最後まで帳簿は幕府に渡ってはいけません。
    一八がこの隠密を接待漬けにする場面はそのままで良いでしょう。
    与三郎がこの隠密と対峙する場面はラストが良いでしょう。
    この隠密は原作に敬意を払う意味でも惜しげなく与三郎に始末させましょう。
    その方がこの映画の良さは聞き役の柄本総一郎ではないとメッセージを送れます。

    ラストの美濃藩の参勤交代で当主が森田座と作兵衛に感謝する場面が何とも弱いです。
    ここではっきり美濃藩の賄賂事件が新たな当主によって何とか無事に解決されていることを観客にしっかりと示しておかないとまったく消化不良です。
    例えば名画ゴッドファザーの、結婚式と対立するギャング襲撃場面のように、赤穂浪士の切腹場面と美濃藩の賄賂家老と家臣の切腹、を淡々と重ねると効果的でしょう。
    観客は、
     あー、やっぱり賄賂家老たち、悪党は成敗されたのだ、
     仮に謀反を企んでいたとしても美濃藩は取り潰しを逃れたな、
     領民、侍たちは無事に暮らせるな、
     武家社会は厳しいものだったんだな、
     現代の日本のように普通に治安が保たれているのが何とも有難い、
     こういう江戸時代があったからこそ今の日本があるのだな、
     鎖国2百年は明治の外国勢力に立ち向かうために必要だったのだな、
     先人に感謝しないとバチが当たるな、
     etc
    という感慨を持ち満足感一杯で映画館を出られるでしょう。

    国宝に続く邦画&時代劇のヒット作、木挽町のあだ討ち。
    「木挽町の果し合い」の場面、森田座vs幕府の役人との果し合いをラストに加えて欲しいです。
    冒頭の大芝居とは違うリアルな殺陣が効果的でしょう。
    狂言回しのコロンボ柄本は主役ではあり得ません。
    俳優柄本自身の今後のためにも誤ったメッセージを彼に与えないためにも彼は切って捨てましょう!

    も少し丁寧に脚本を作って欲しかったですね。
    世界に配信する前に作り直しましょう!
    ひとまず区切ります。

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