キネマ旬報社は29日、2025年 第99回キネマ旬報ベスト・テンを発表した。主演男優賞は吉沢亮(31)が「国宝」(李相日監督)ほかにより、主演女優賞は韓国出身のシム・ウンギョン(31)が「旅と日々」(三宅唱監督)により、それぞれ受賞した。吉沢もシムも初受賞で、外国出身の俳優が主演女優賞を受賞するのは、1993年(平5)度に「月はどっちに出ている」で受賞したルビー・モレノ(60=フィリピン)以来32年ぶり2人目となる。吉沢とシムはコメントを発表した。

吉沢亮 1年半の稽古期間のあと、李(相日)監督の渾身(こんしん)の演出のもとで3カ月間、精神をぎりぎりまですり減らしながらの撮影でした。本当に現場の皆さまに支えてもらいながら、どうにかまっとうできた役なので、このような最高の形で報われたことを本当にありがたく思います。

シム・ウンギョン 素晴らしい賞をいただきありがとうございます。この作品と奇跡的に出会えただけでも幸せなのに、受賞まですることができて本当にうれしいです。『旅と日々』で見られる三宅唱監督の世界観に、世界中の皆さんもきっと魅了されるのではないかと思います。

日本映画ベスト・テン第1位は「旅と日々」、外国映画ベスト・テン第1位は米映画「ワン・バトル・アフター・アナザー」(ポール・トーマス・アンダーソン監督)、文化映画ベスト・テン第1位は「よみがえる声」(朴壽南、朴麻衣監督)が、それぞれ輝いた。 「国宝」は、吉沢の主演男優賞に加え、李相日監督(52)の日本映画監督賞と読者選出日本映画監督賞、奥寺佐渡子氏(59)の日本映画脚本賞の4冠を獲得。昨年6月6日の公開後、同11月24日に実写日本映画興行収入(興収)記録を22年ぶりに更新。25日までの234日間で、興収は195億5826万500円まで伸びるなど、日本映画界を席巻した勢いを、キネマ旬報ベスト・テンでも見せつけた。同監督は、10年度「悪人」に続き2度目の日本映画監督賞受賞で、キネマ旬報ベスト・テンでの受賞は、06年度読者選出日本映画監督賞(「フラガール」)、10年度日本映画監督賞、脚本賞(ともに「悪人」。脚本賞は吉田修一氏と共同)に続き、通算4度目。

「ワン・バトル・アフター・アナザー」は、ポール・トーマス・アンダーソン(55=米国)の外国映画監督賞と読者選出外国映画監督賞を合わせて3冠。「旅と日々」が2冠で続いた。

新人女優賞は「ルノワール」(早川千絵監督)の鈴木唯が、最年少タイとなる12歳で受賞した。93年度「お引越し」(相米慎二監督)の田畑智子(45)、08年度「コドモのコドモ」の甘利はるな(29)、13年度「少年H」の吉岡竜輝(25)に並んだ。

その他の個人賞は、以下の通り。

◆助演女優賞 伊東蒼(20=「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」)

◆助演男優賞 佐藤二朗(56=「爆弾」ほか)

◆新人男優賞 黒崎煌代(23=「見はらし世代」ほか)

◆読者賞 秦早穗子(94=「シネマ・エッセイ 記憶の影から」)

個人賞は、李相日監督以外、全て初めての受賞となった。

ベスト・テンの2位以下のランキングは、2月5日(木)発売の「キネマ旬報2月号増刊2025年キネマ旬報ベスト・テン発表号」に掲載。キネマ旬報社のサイト「キネマ旬報WEB」でも2月下旬に掲載予定。表彰式は、2月19日に東京・渋谷Bunkamuraオーチャードホールで開催する。

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