王将戦第2局で永瀬九段(左)に勝利した藤井王将
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 藤井聡太王将(23)=名人など6冠=が京都市の伏見稲荷大社で永瀬拓矢九段(33)を111手で下した第75期王将戦7番勝負(特別協力・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞)第2局から一夜明けた26日、藤井は同大社で修学旅行生にふんして自撮りに初挑戦した。2月1日は同大社のお祭り「初午の日」。商売繁盛や家内安全を願う人々で賑わうのを前におみくじを引くと「吉」。中には「うせもの 出づる、しかしおそし」とあった。

 「普段から忘れ物が多いので」。第2局でも1日目朝、対局場へ信玄袋を持参するのを忘れた。盤側へ置くデジタル時計とウエットティッシュ、扇子、ハンカチの必須アイテムは手づかみで持ち込んだことを思い出し、苦笑いで受け止めた。

 藤井の学生服姿といえば16年末のデビュー戦が印象深い。22日に86歳で亡くなった加藤一二三・九段との対局は戦前、師匠の杉本昌隆八段から「デビュー戦は学生服で行ったら?」と助言されたという。この将棋から歴代最長29連勝が幕開け。「注目してもらえましたし、師匠のアドバイスも通った」と懐かしげに裏話を語った。

 第2局は2日目午後まで優劣不明の熱戦に進んだ。第1局に続く角換わり。終局から半日が過ぎ、自らポイントとして挙げたのが、永瀬が△9七歩と貴重な1歩を垂らした58手目だった。

 これを▲同桂と取るか王自ら▲8八王と上がって「顔面受け」するか。

 「自陣の耐久力をどう見るか、一番難しいところでした。結果的に(▲8八王から)9七王型の“遠さ”が生きる形になって指しやすくなった」

 ただ、対局中は▲同桂との比較に迷い「▲8八王だと長い展開になりやすい。▲同桂の方が強い形でもある」。終局後の感想戦でも▲同桂の変化に利を感じ、「取るのが普通でしたかね」と語っていた。勝てば良し。それで全ての思考を打ち切ってしまわない強さが王者を支える。

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