2025年9月19日、雨天にもかかわらず外国人観光客と市民でにぎわうソウル市中区明洞(c)news1
「ニホンジンデスカ?」——9月19日午後、ソウル・明洞のある皮膚科で来院者を迎えた言葉は韓国語ではなく日本語だった。待合室には40人以上が座っており、大半が外国人観光客であった。診療を終えると、彼らの多くは近隣ホテルへ直行していた。
医療関係者は「週末・平日を問わず外国人の来院が絶えず、多くが周辺ホテルに滞在しているため宿泊関連の問い合わせも多い」と明かす。
近年、外国人需要の拡大を受け、明洞の中大型商業施設には美容整形外科や皮膚科が次々と入居している。新型コロナ禍では外国人客の激減で空室率が50%に達したが、現在は「K-ビューティー」の医療観光拠点として再生しつつある。
業界では「明洞は宿泊・ショッピング・医療を一度に提供できる“ワンストップ・インフラ”を備え、外国人医療観光の需要を取り込んでいる」と分析する。実際、取材時に訪れた皮膚科の周辺には複数のホテルや外国人客に人気のドラッグストア「オリーブヤング」、衣料品店、眼鏡店などが立ち並んでいた。
韓国不動産院の統計によれば、2025年第2四半期のソウル明洞における中大型店舗の空室率は7.24%だ。2021年第4四半期の50.07%、2024年第3四半期の18.75%から急減している。
建国大学不動産大学院のパク・ハプス兼任教授は「明洞は外国人相手の商圏として国内で最も重要な地域であり、K-カルチャーやK-コンテンツの人気を背景に観光客が戻ったことで急速に復活した」と指摘した。
また、西江大学不動産学科のクォン・デジュン教授は「明洞の商圏は皮膚科・整形外科の医師たちによって維持されている。外国人患者中心に再編されているため、観光客が途絶えれば再び沈滞しかねない」と警鐘を鳴らした。
さらにパク教授は「美容医療需要は江南でも大きいが、明洞は観光とショッピング、そして美容施術を同時に楽しめるのが強みだ。外国人が集まる場所に自然と美容外科が集中した」と分析している。
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