米深夜番組の司会者ジミー・キンメル氏は23日夜、テレビ放送に復帰し、保守系活動家チャーリー・カーク氏殺害に触れた自身の発言について、「若い男性の死を軽んじるつもりは決してなかった」と述べた。

  キンメル氏は「自分が誰かを非難したと受け止めた人がいるなら、怒るのも理解できる」と語った上で、殺人の容疑者を「病んでいる」と表現。カーク氏の夫人エリカ氏が追悼式で犯人を許す考えを示したことについては、「私たちが見習うべき手本だ」と述べた。

  ウォルト・ディズニー傘下のABCは17日、「ジミー・キンメル・ライブ!」を無期限に停止すると発表。キンメル氏はその2日前、保守派がカーク氏殺害を政治的に利用しようとしているとの見方を示していた。

ABC's "Jimmy Kimmel Live" - Season 19

ジミー・キンメル氏

Photographer: Randy Holmes/Getty Images

 

  ディズニーはキンメル氏が放送で何を話すかについて本人と合意に達した後、番組を復活させた。同氏は復帰に向け、ディズニーのボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)や同社でエンターテインメント部門共同会長としてABCを統括するダナ・ウォルデン氏と直接交渉した。

  トランプ大統領はキンメル氏の番組放送が始まる数分前のSNS投稿で、キンメル氏の復帰は信じられず、番組再開を決めたABCに対し、法的措置を今後取る可能性を示唆するとともに、キンメル氏を民主党の手先と呼んだ。

 

  キンメル氏はトランプ氏が「私をキャンセルしようと全力を尽くしたが、その結果、数百万人がこの番組を見ることになった。完全に裏目に出た」と述べた。

  キンメル氏はまた、カー連邦通信委員会(FCC)委員長にも批判的だった。カー氏は先週のポッドキャスト番組で、ローカル局に対し、ディズニーに抗議し、キンメル氏の番組を打ち切るよう示唆した。

  この日再開した番組には俳優のロバート・デニーロ氏がFCC委員長役で登場し、カー氏が先週述べた「簡単な方法か、難しい方法か、どちらかだ」という発言を再現し、「スピーチはもうフリーじゃない。今後は一語ごとに課金だ」と言い放った。こうした言葉はギャング映画のせりふのようだと一部で評されていた。

  ABCのローカルテレビネットワークを所有するシンクレアとネクスター・メディア・グループはキンメル氏の番組放送を当面見合わせると発表。シンクレアはその時間帯にニュース番組を編成しているという。両社の放送網は全米世帯の約23%を占める。

  キンメル氏は自身の発言を巡る論争について、自分の番組は重要ではないとした上で、「重要なのは、このような番組を持つことを認めている国に私たちが暮らしているということだ」と語った。  

原題:Kimmel Calls Kirk Murderer ‘Sick’ as Trump Renews Attack (4)(抜粋)

— 取材協力 Jade Khatib

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