【源氏物語あらすじ解説】胡蝶:玉葛十帖その3、晩春の六条院と玉葛への求婚|めっちゃ!源氏物語

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【動画概要】
『源氏物語』第22帖「玉鬘」から第31帖「真木柱」までの十帖を「玉鬘十帖」と言います。この「玉鬘十帖」は『源氏物語』の本筋に対して、「玉鬘」という女性に焦点を当てた一連のストーリーとして「並びの巻」と呼ばれています。今回は、その「玉鬘十帖」の第三話「胡蝶」。前半は、六条院の春の町の素晴らしさがさまざまな角度から描かれて、後半は、玉鬘の求婚譚です。貴公子たちが、続々と玉鬘にアプローチを続ける様子は『竹取物語』のかぐや姫と相通ずるものがありますね。

【語句解説】
・胡蝶(こちょう)
…蝶の別名。『源氏物語』第24帖の巻名。

・六条院(ろくじょういん)
…光源氏が晩年に建てた豪華な邸宅。春夏秋冬4町の寝殿造からなり、春の町には紫上と光源氏、明石の姫君が、夏の町には花散里と夕霧が、秋の町には秋好中宮が、冬の町には明石の君が住まっている。

・玉鬘十帖(たまかずらじゅうじょう)
…『源氏物語』における第22帖「玉鬘」から第31帖「真木柱」までの十帖。頭中将と夕顔の娘である玉鬘を中心とした一連の物語が描かれている。

・紫の方・紫上(むらさきのかた・むらさきのうえ)
…光源氏の正妻格として扱われる最愛の妻。六条院の春の町の女主人。容姿・知性・性格・才芸などでも理想的な女性として描かれる。(※本動画では紫の方)とする。

・女房(にょうぼう)
…高貴な人にお仕えする女官。

・船楽(ふながく)
…船の中で音楽を演奏すること。

・遣り水(やりみず)
…寝殿造りの邸宅などで、庭に水を導き入れるようにつくった小さい流れ。

・龍頭鷁首(りょうとうげきしゅ)
…二隻を一対とし、一隻の船首に龍の彫り物、他の一隻に鷁(げき)という想像上の水鳥の彫り物をを飾った風流な船。平安時代、貴族が池や泉水などに浮かべ、管弦の遊びなどをするのに用いた。

・秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)
…六条御息所と前皇太子(桐壺帝の弟)との間の一人娘。光源氏の従妹にあたる。六条御息所の死後、光源氏の養女となり、冷泉帝に入内。梅壺女御を経て中宮となっている。六条院に里下がり中は、秋の町の女主である。

・季御読経(きのみどきょう)
…宮廷仏教年中行事の一つ。 宮中において毎年春と秋の二季に、僧侶を招いて大般若経を転読する仏教法会。
(※転読…何人かで手分けして経本をアコーディオンのようにパラパラと広げてめくって一巻を読誦したこととする読経方法)

・女童(めのわらわ)
…女の子。少女。特に、貴人に仕える侍女見習いの少女のことをいう。

・六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)
…前皇太子の未亡人秋好中宮の亡き母。光源氏の愛人の一人であったが、嫉妬により生霊となったことで、光源氏と別れることを選択した。娘のことを光源氏に託して他界する。

・八重山吹(やえやまぶき)
…ヤマブキはバラ科の植物。『後拾遺和歌集』兼明親王(かねあきらしんのう)の和歌に「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞかなしき」とある。八重山吹は実をつけないことから、子のいない象徴でもあった。

・築山(つきやま)
…寝殿造りの庭園に観賞用として人工的に作られた山。

・玉鬘(たまかづら)
…夕顔と頭中将の娘。美しく、豊かな黒髪の持ち主。現在は光源氏の養女として六条院・夏の町の西の対で暮らしている。

・明石姫君(あかしのひめぎみ)
…光源氏と明石の上との間に生まれた一人娘。出自の低い母では姫の将来に差し障るため、光源氏の正妻格である紫の方の養女となり春の町で養育されている。この巻では8歳になっている。

・兵部卿宮・蛍兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや・ほたるひょうぶきょうのみや)
…桐壺帝の皇子で、朱雀帝、光源氏の異母弟。当代きっての風流人として知られ、光源氏とも兄弟仲が良かった。第25帖「蛍」の巻以降、「蛍兵部卿宮」と呼ばれる。※藤壺の兄(紫の方の父)の兵部卿宮とは別の人物。

・北の方(きたのかた)
…正妻のこと。寝殿造りの北の対に住むことからそう呼ばれる。奥方。

・髭黒大将(ひげぐろのたいしょう)
…玉鬘に求婚する貴公子の一人。登場時の官位は右大将。髭が濃く、色黒な外見から「髭黒」の通称で呼ばれる。(※すでに正妻もおり、子もいることから光源氏も乗り気ではなかったが、お付きの女房をうまく手なづけて強引に玉鬘を自分のものにしてしまう)

・夕霧(ゆうぎり)
…光源氏の長男。母は頭中将の妹である葵上で、夕霧を産んだ直後に亡くなっている。夕霧の名は彼が中心人物になる第39帖の巻名に因んで後世の人がつけたもの。

・柏木(かしわぎ)
…頭中将(内大臣)の長男。光源氏の息子・夕霧の友人。『源氏物語』第36帖の巻名でもある。

・頭中将(とうのちゅうじょう)
…光源氏の亡き正妻・葵上の兄に当たり、親友であり、また恋の競争相手でもあった。この巻では内大臣となっており、光源氏の政敵となっている。

・男踏歌(おとこどうか)
…年始(陰暦正月十四日)に行われた宮中行事。足を踏み鳴らして催馬楽(さいばら)を歌いながら男性が集団で舞う。女踏歌は正月十六日に行われる。

・夕顔(ゆうがお)
…17歳の光源氏の愛した中流階級の女性。五条の夕顔の咲く屋敷にひっそり暮らすこの女性は、以前頭中将の愛人で子供まで設けていた。光源氏は彼女の従順さ・素直さにのめりこみ、身分を隠して通うようになった。逢瀬の最中、物の怪の祟りで亡くなってしまう。

#玉葛十帖 #胡蝶 #めっちゃ!源氏物語

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