尾道を舞台にした映画が、この夏公開されます。映画のタイトルは「高野豆腐店の春」。今年82歳を迎える名優、藤竜也さんと人気女優、麻生久美子さんが豆腐店の親子を演じる心温まる物語です。
(予告編)
「おはようござます」「おお」「今日もよろしくお願いします」「おお」
ここは尾道にある小さな豆腐店。
「うちの豆腐は東京なんぞには持っていかん」「もっといろんな人に食べてもらいたいんよ」「すきにせい」「辰ちゃんがぽっくり逝ってしもうたら残された春ちゃんひとりぼっちじゃのう」「春なあ」「何」「いやなんでもない」
職人気質の父「辰雄」を演じるのは、数々の映画やテレビドラマで活躍する名優、藤竜也。
そして、父親思いの明るく気立てのいい娘「春」を演じるのは、今や日本映画に欠かせない女優となった麻生久美子。
尾道の街を舞台に優しくあたたかな父と娘の物語が展開されます。
(麻生久美子さん)
「(藤さんが)本当にお父ちゃんとして存在してくれていて、娘を見る目で私のことを見てくださるので、お話の中だけとはわかっていても、藤さんと親子になれたのがすごくうれしくて」
けんかしながらもお互いを思いやる父と娘。
藤さんがお気に入りのシーンとして挙げるのは、二人が夜の商店街を歩く場面です。
(藤竜也さん)
「春と辰雄が、親子が、夜の商店街を幸せに、つかの間の深い幸せの中で二人が歩くシーンがいいですね。幸せな男だなと思いましたね、辰雄を。あんなに優しいいい娘を持って」
「ヨーイ、はい」
尾道でのロケは、今年の2月から3月にかけて行われました。
小津安二郎の「東京物語」や大林宣彦の尾道三部作など数々の映画で描かれた尾道…。
(三原光尋 監督)
「高校の時から尾道の舞台の映画をいっぱい見ていましたから、いつか将来、自分が映画を撮れるようになったときに一度尾道で映画を撮りたいというのが思いでした。夢がかないました。本当にロケハンの時から何回も来させてもらっているのですけれども、本当に街並み、素晴らしくて」
あの「東京物語」が撮影された浄土寺の境内では、春にお見合いをさせようとする商店街の仲間たちとのコミカルなシーンが撮影されました。
(芝居の練習)
「高野さん、先日はどうも」「村上さん、これはどうも」「あらお父さん、お知り合い?」「だめじゃ、だめじゃ、だめじゃ、全然なっとらん」
(麻生久美子さん)
「この尾道という素晴らしい舞台で、親子の絆だったり、街の人たちとの温かい会話劇。そしてお豆腐、とっても美味しそうなお豆腐が出てくるので、皆さんもお豆腐食べたくなるかな。いろんな素敵な要素がたくさん詰まった面白い映画になっているので、是非ご期待ください。見ていただけたら嬉しいです」
笑って、泣いて、ほっこりする映画「高野豆腐店の春」。今月18日からご覧の劇場で公開されます。
※八丁座、福山駅前シネマモード、イオンシネマ西風新都、シネマ尾道で8月18日から公開
1件のコメント
大 林 宣 彦 監 督 の 「 レ ー ス の カ ー デ ィ ガ ン P V 」 は 、 1 9 8 8 年 7 月 1 日 か ら 同 月 5 日 ま で の 5 日 間 で 尾 道 市 内 で 撮 影 さ れ た も の で す が 、 冒 頭 に 汽 車 の 汽 笛 が 流 れ 、 そ し て 坂 上 香 織 さ ん の 声 で 「 汽 車 の 汽 笛 で 目 を 覚 ま す 」 と い う ナ レ ー シ ョ ン が 流 れ ま す 。
山 陽 本 線 を 走 る 列 車 は 電 気 機 関 車 で あ る の に 、 「 汽 車 の 汽 笛 で 目 を 覚 ま す 」 と い う ナ レ ー シ ョ ン が あ る の は 、 映 画 「 東 京 物 語 」 が 1 5 歳 の 大 林 宣 彦 少 年 に 強 烈 な イ ン ス ピ レ ー シ ョ ン を 与 え た こ と を 意 味 し て い ま す 。