
コレクション・リポート:「ミュウミュウ(MIU MIU)」の会場に並んでいたのは、冬の屋内に似つかわしくないデッキチェア。その沈み込むような座り心地は、眠気を誘います。ファッション・ウイークで寝不足続きの来場者の中には、ショー開始までウトウトしていた人もちらほら(笑)。
提案したのは、話題になった2022年春夏シーズンのスタイルからの引用を感じるラインアップ。ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)は、「無意味な目新しさに対する解毒剤」として、シーズンを超えて共鳴するスタイルやムードを進化させました。見慣れたアイテムを大胆にカットすることにより新たなバランスを生み出すアプローチはそのままに、今回はテニスウエアのようなスポーティーな要素をプラス。プレッピーなスクールガールといった雰囲気です。ラインアップは、ニットポロやVネックのアーガイルセーター、ジップアップニット、学生服のようなジャケットやコート、ストライプシャツ、マイクロミニや膝丈のプリーツスカート、ホットパンツ、ルーズソックス、アーティストデュオのナタリー・ユールベリ&ハンス・ベリ(Nathalie Djurberg & Hans Berg)とコラボしたキッチュなアクセサリーなど。今季も上半身はクロップド丈が多く、ローライズのウエストからはサテンのロゴ入りショーツが覗きます。中盤からはチェックのツイードやアップサイクルレザーを使ったアウター、ハードな印象のレザーパンツやブーツ、ビジューや箔をのせた透け感のあるドレスもミックス。甘辛のバランスを効かせたスタイルを打ち出しました。
驚いたのは、ショーで「ミュウミュウ」ボーイズが登場したこと!ただ、これはメンズ・コレクションの復活というわけではなく、多様性やさまざまなアイデンティティーを受け入れることを示しているそう。プレスリリースには「『ミュウミュウ』のペルソナの根幹を成す“ガーリー”は心の状態であり、それはジェンダーから解放されます」と書かれています。マイクロミニ丈を男性がはくのはなかなかハードルが高そうですが、“着たいものを着て、自分らしいスタイルを楽しむ”という背景にある考えには共感します。
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