コレクション・リポート:デジタルでのコレクション発表を続けている「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」ですが、今季はパリでプレゼンテーションも開催しました。会場は、1728年に建てられて1920年代の装飾が残る左岸にある古い邸宅。メンズから継続してコレクション映像の撮影が行われたロケーションです。ドリスは、アントワープの自宅をほうふつとさせる、この場所を選んだそうです。プレスリリースの今季のキーワードは、“官能的なささやき”や“極度のフェミニニティーとメンズウエアの強さのコントラスト”など。彼が、特に思いを馳せたのはイタリアで、建築家、そしてデザイナーや写真家として活躍したカルロ・モリーノ(Carlo Morino)のポラロイド作品に見られるようなノスタルジーやグラマー、官能性を探求しています。奇しくも「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)新クリエイティブ・ディレクターもモリーノのポラロイドをインスピレーション源の一つに挙げていました。先シーズンから女性性を再考する流れは継続していて、今季はイタリアのクラシックな官能美に魅せられたデザイナーが多いようです。会場に流れるのは、イタリア人歌手ミーナ(Mina)の楽曲「ルナ・ディアマンテ」。エモーショナルなイタリアン・ノスタルジアを象徴する曲で、今季の着想源と重なります。

ジャケットやコートは、円を描くように誇張された肩から袖のラインが印象的。メンズウエアに見られる力強い肩と絞ったウエストでコントラストを効かせたデザインや、クリスタルなどの装飾をあしらったスタイルもあります。そこに合わせるのは、ドレープを生かしたドレスやタイトスカートからウォッシュドデニムまで。質感豊かな素材のレイヤードがコレクションを華やかに彩ります。

ドリスらしい自由な柄のミックスは、レオパードやゼブラ、ダルメシアン、ジラフ(キリン)などのアニマル柄、大ぶりなハイビスカスやポピーのプリントなど。インテリアからヒントを得たデザインも顕著で、古い壁紙を想起させるような模様や、アンティークの中国陶器のような白地に青の柄がウエアやアクセサリーに落とし込まれています。

ルックは @wwd_jp プロフィールのリンクから

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