永遠の0（The Eternal Zero）
受賞歴：第38回日本アカデミー賞 8部門受賞
興行収入：約87.6億円
上映日：2013年12月21日
製作国：日本
上映時間：144分
ジャンル：ヒューマンドラマ/戦争
あらすじ：
司法試験に落ち続ける健太郎とフリーライターの姉・慶子は、実の祖父が太平洋戦争で特攻により戦死した海軍航空兵・宮部久蔵だと知る。彼らは久蔵の生涯を調べるうちに、彼が凄腕のパイロットでありながら「生きることに強く執着した人物」であったことや、終戦間際に特攻を志願した理由など、驚くべき事実を知っていく。
レビュー：
『永遠の0』は、戦争と家族をテーマにした感動作である。原作小説の魅力を損なわずに映像化した点は評価できるが、同時にその忠実さが映画独自の工夫や驚きを欠く原因にもなっている。空戦シーンは迫力満点だが、登場人物の心理描写は不十分であり、特攻隊員の祖父がなぜ死を選んだのかが説得力に欠ける。キャストは豪華で演技も上手いが、彼らが演じる人物像は原作から変わっていないため、新鮮味に欠ける。戦争の悲惨さや愛国心を問う作品としては意義深いが、映画としては物足りなさを感じる。
おすすめシーン①：
久蔵が真珠湾攻撃に参加するシーン
久蔵は空母赤城の戦闘機パイロットとして真珠湾攻撃に参加する。彼は敵艦隊を発見し、零戦の操縦技術を駆使して米軍機と交戦する。彼は敵機を次々と撃墜し、無事に帰還する。
おすすめシーン②
久蔵が特攻するシーン
久蔵は終戦間際に鹿屋海軍航空隊から特攻隊員として出撃する。彼は自分の機体が整備不良であることを知り、それを前途有望な学生パイロット・賢一郎に譲る。賢一郎は久蔵の優しさに感謝し、彼の代わりに生きることを誓う。久蔵は別の機体に乗り換え、米空母タイコンデロガに突入するクライマックスシーン。最も衝撃的なシーン。久蔵の無念と悲壮さが強調される。賢一郎は健太郎と慶子の養祖父であることが明かされる。
トリビア①：
映画では久蔵が特攻した空母がタイコンデロガであるが、原作小説ではエセックスである。これは映画化にあたって百田尚樹が自ら修正したものであり、実際に鹿屋海軍航空隊から出撃した特攻隊がタイコンデロガに突入した事実に基づいているようです。
トリビア②：
主題歌はサザンオールスターズの「栄光の男」である。この曲は百田尚樹が原作小説を執筆する際に聴いていた曲であり、映画化が決まった際に山崎貴監督が桑田佳祐に直接依頼したみたいです。
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