NYコレクション・リポート: トム様!!アナタは、やっぱりスゴいです!
2022年春夏の「トム フォード(TOM FORD)」を見て、そう呟かずにはいられませんでした。太陽いっぱいのロサンゼルスで暮らし、でも最近はコロナ禍で外出もままならず……。そんな鬱屈した思いが、一気にバクハツしたのでしょうか?コレクションは、光らないところがない(笑)!!色のない洋服が登場しない(嬉)!!そのくらい、ビッカビカでカラフル。ここまで振り切れるのは、「トム フォード」以外にありません。

ピカピカ光るのは、見るからに肉厚でぜいたくなダッチェスサテンのジャケットやサルエル仕立てのカーゴパンツ、スパンコールを隙間なく敷き詰めたタンクトップ、仕上げに箔プリントを施したようなヘンリーネックのリブニット、そして、ピッカピカに磨いたレザーのジャケットやショートパンツ。パンプスからミニバッグ、ボディバッグにいたるまで、全てがピカピカな上、ゴールドのアクセサリーを「これでもか!」と言わんばかりにジャラジャラ身につけています。ベースのスタイルは90年代のミニマリズムで、実際シンプルなアイテムを重ね着も最小限にまとっただけなのに、なんてゴージャスなのでしょう。

トム様は、これだけピッカピカなのは、コロナでさらに加速したデジタル・コミュニケーションも一因だと語ります。「人々は、デイタイムにドレスアップすることが少なくなり、ソーシャルメディアのためにドレスアップすることが増えたのではないでしょうか?洋服はますます漫画的なパワーを持ち、私たちの携帯電話の小さなスクリーンにパワーを与える必要があります」と打ち明けます。その是非を問うワケではなく、ただひたすらにその時代を生きる人のために洋服を生み出す。しかも、彼らしく。ロサンゼルスに移り、育児にも励むトム様だからこその、シンプルでナチュラルな考え方が心を打つコレクションです。

全ルックは @wwd_jp プロフィールのリンクから

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