
ストックホルム発の「アワー レガシー(OUR LEGACY)」は11月8日、東京の拠点となる店舗を代官山にオープンした。1969年築の建物の2階にあるかつてのアパートメントを、同ブランドのクリエイティブ・ディレクターであるクリストファー・ニイン(Cristopher Nying)と、長年の建築パートナーであるプロファン(PROFAN)が共同で設計し、個人の邸宅とギャラリー、店舗の境界をあいまいにした、迷路のような空間に仕上げた。
「アワー レガシー」は2005年にストックホルムで創業。Tシャツの小さなラインから始まり、現在はメンズとウィメンズのコレクションを手掛ける。ストックホルム、ロンドン、ベルリン、上海、東京で事業を展開し、世界の350を超える有力店が取り扱う。
1969年築のブルータリズム建築を生かす
代官山の新店は、大正時代の建築や昭和初期の同潤会アパート、ヒルサイドテラスなどのランドマークが点在するエリアにある。設計では建物本来のブルータリズムの特徴を色濃く残し、通常は隠すコードや配管ダクト、通気口をあえて露出させ、建物の“血管”や“呼吸器官”のような構造を目に見える形にした。
店内にはメンズウエア、ウィメンズウエア、フットウエア、アクセサリーのコレクションが並ぶほか、「アワー レガシー ワークショップ」専用のセクションも設けた。同ブランドの残反や余剰生地をアトリエで再構築し、新たなアイテムに生まれ変わらせるプロジェクトで、16年に始動。ストックホルムとロンドンに単独の路面店を構え、先日オープンした上海の店舗にも同様の区画を設けた。
北欧の民芸とパンクを対比
店内には、代官山店のために選び抜かれた家具やオブジェ、アート作品が至る所に散りばめられ、服の枠を超えて世界観を広げる「アワー レガシー」のリファレンスを示している。
ギャラリースペースには、“アルモゲ(ALLMOGE)”と呼ばれる17〜18世紀の北欧の実用的な民芸品や家具のコレクションを並べ、ミュージアムショップのような雰囲気をつくった。ニインはアルモゲと日本の職人技に共通点を見いだし、1970〜80年代のパンクムーブメントの要素との対比を店のコアに置いた。50年前のパンクスを思わせるパッチやピン、スタッズでアップサイクルしたスウェーデンやノルウェーの民族衣装、ストックホルムのヴィンテージレザー専門店118レーデルで調達したレザージャケット、初期のスウェーデン・パンクのファンジン(ZINE)をキュレーションして並べた。
フィッティングルームの隣には、スウェーデンのアーティスト、トビアス・ブラッドフォード(Tobias Bradford)のキネティック・インスタレーション「サード・パーソン(Third Person)」。ビデオゲームを延々とプレーし続ける作品で、住人の部屋に足を踏み入れたかのような生活の気配を呼び起こす。別の部屋には、爪をかみ続けるような不気味さを漂わせる同氏の作品「オロ/ウォリー(Oro // Worry)」を設置した。ロンドン店にある1点と合わせ、同ブランドが所蔵するブラッドフォードの作品は計3点となる。
■アワー レガシー東京
オープン日:2026年11月8日
住所:東京都渋谷区猿楽町11-21 2階
営業時間:11:00〜19:00
定休日:不定休
※混雑時はオンライン整理券を発行
PHOTOS : OUR LEGACY
