Wコンセプトの漢南洞の旗艦店「W漢南」(左)と、ジグザグが聖水で開いた期間限定店=各社提供(c)news1
韓国のファッション通販プラットフォームが、競争の舞台を実店舗へ広げている。販売経路の拡大だけでなく、オンラインの強みを実店舗に生かす「O4O」戦略を強化し、ブランド体験と顧客データ、出店企業の育成を結び付けようとしている。
Wコンセプトは16日、ソウル市龍山区漢南洞に初の旗艦店「W漢南」を開いた。自社で育成する新進デザイナーブランドを中心に、ファッション、美容、ライフスタイル分野の約80ブランドを集めた。店舗は商品を売るだけでなく、新進ブランドの知名度向上やライブコマースの撮影にも活用する方針だ。オンラインで強みとしてきた、上質な商品を好みに合わせて提案する力を実際の空間で表現する。漢南洞には大手ファッション企業やデザイナーブランドの店舗が集まり、購買力の高い消費者が訪れる。開店に合わせ、近隣18ブランドの店舗との連動企画も実施した。
ジグザグは、成長を支えてきたオンラインショップを実店舗に集めた。出店ショップと組んだ期間限定店は初の試みだ。16~18日に聖水洞で開いた「ジグザグ・エクスプレス」では、50ショップの約640商品を展示した。オンラインでしか見られなかった服を試着・購入できるようにし、各ショップが新規顧客と出会う場を設けた。ジグザグだけに出店する11ショップを含め、独自企画の商品も紹介。翌日までの配達を保証する「直進配送」を適用し、配送の速さも体験できる構成にした。
エイブリーも、年内に初の実店舗拠点となるショールームを聖水洞に開設する準備を進めている。AIによる個人向け推薦機能を店舗にも取り入れ、オンラインで提供してきた好みに合う買い物を、実際の空間で体感してもらう狙いだ。利用者データに基づいて、定期的に商品提案を更新する計画で、来店客が自然に自分の好みを発見できる空間を目指す。主な利用者が10~20代であることから、服だけでなく、Z世代とアルファ世代を合わせた「ザルファ世代」が関心を寄せる趣味やライフスタイル分野への展開も期待される。
各社の実店舗進出には、既存顧客の定着と新規顧客の獲得を図る目的がある。その中心にいるのが、細分化した好みや体験を重視する、ミレニアル世代とZ世代の「MZ世代」だ。流行に敏感な一方、他人と差別化できる個性も大切にする。著名キャラクターなどの知的財産とのコラボレーションや、独創的なコンセプトの商品が人気を集める背景でもある。新型コロナ禍を経て、実店舗での体験への満足感が以前より高まったとの分析もある。自分の目で見て触り、オンラインでは分からない部分を確かめたいという需要だ。
業界関係者は「競争はオンラインを越え、実店舗を活用した顧客体験へ広がっている」と説明。「それぞれのプラットフォームが独自の個性をどれだけ明確に示せるかが、実店舗での競争力を左右する」と話した。
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