Profile

    高杉真宙(たかすぎ・まひろ)/2009年に俳優デビュー。以降、数々の映画やドラマに出演し、ストイックな役作りで演技派としての地位を確立。10月から出演映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が公開中。

    〈脈 mai〉/台北に本店を構える老舗漢方クリニック〈意一堂〉の日本初分院。中医師の丁寧なカウンセリングによる漢方薬の処方はもちろん、鍼灸治療や温熱ケア、筋膜リリース、女性の健康づくり(生理・更年期・妊活)、自律神経改善などさまざまな治療を行う。養生の薬膳や漢方茶も提供、今回行った内容のワークショップも。東京都港区三田5-1-2。WEBサイト

    「3年ほど前から漢方は身近な存在。コンディショニングに不可欠です」
    漢方サロン〈脈 mai〉の入り口に立つ高杉真宙さん

    都心であることを忘れる静かな一角に佇む漢方サロン〈脈 mai〉。それと知らなければ見過ごしてしまいそうな入り口をくぐった先に、さて何が待つ?

    10代の頃から数々の作品に出演してきた高杉真宙さんが今年7月に30歳を迎えた。キャリアと実績を積み、現在俳優としての円熟期真っ只中。

    「30歳になったからといってカラダや体力の変化はとくに感じてません。でも、今までできると思っていたことができなくなるのは怖いな、と思って過ごしております。たとえば、このくらいの段差、飛び越えられると思っていたのにだんだん飛び越えられなくなったりしそうだと」

    つまり、昔の身体感覚のまま子どもの運動会で激走し、コーナーで面白いようにコケていくお父さんたちのように? そんな恐怖感を抱く年齢として30歳は若すぎるのでは。

    「もともと自分は“できる”という思いが強いんです。変な自信というか。僕は弟が2人いる男兄弟で高校生くらいまではライダージャンプ!とか競い合っていたから余計に。だからこそある程度年齢が上がっていくにつれ、注意しないと怪我をするかもしれないと意識するようになったんです」

    普段のコンディショニングは定期的なジム通いの他、意外なことに漢方薬局にも都度都度お世話になっているという。やはり30歳・男性とは思えないほどカラダに対する感性が細やか。

    「最初は母親の体質改善という名目でお世話になったのがきっかけ。もともと風邪をひいたときには葛根湯などをよく飲んでいたので、漢方薬は身近に感じていました。3年前くらいからだんだん興味を持つようになって、今では体調を崩したときに相談できる漢方薬局さんが2〜3軒あります」

    そんな漢方経験者、高杉さんと台湾発の老舗漢方治療院を訪ねてみることにした。どんな体験ができるのか、水先案内人の高杉さんとともに奥深き漢方の世界を覗いてみよう。

    食欲増進や消化不良の悩みを解消するには?

    鍼灸師のサラさんに体質で気になることがあるかと聞かれると、「実は僕、胃腸があまり強くなくて」と相談事がある様子。

    「仕事に入ると胃腸が疲れて食欲がなくなりがちです。仕事が忙しくなると食べなくてもよくなるというか」

    サラさんによれば、漢方の五臓の考え方でも、考え事が多いときは五臓のうち消化機能を司る「脾」の働きが弱くなる傾向があるという。

    添加物の入っていない天然の食材、また硬い食材をよく嚙んで食べることが重要だというアドバイスも。生薬でいえば、山査子(さんざし)が食欲増進や消化不良の改善に効果的という話。

    「山査子ですか。僕、今年の春に薬膳料理に詳しいイタリアンシェフの役をやったので、そういう食材や生薬の話は興味があります。もともと漢方は好きだったんですけど、最近、なんか漢方づいてるんですよね」

    また、胃腸の不調には耳周辺のツボ刺激が効果的とサラさん。耳を引っ張ったり耳たぶを折ったり、少し赤くなるくらいまで耳を触ると食事が美味しく食べられるという。

    鍼師のサラ・ジャンさんの手技によって耳周辺のツボを刺激している様子

    〈脈 mai〉では鍼治療も受けることができる。鍼師のサラ・ジャンさんの手技によって耳周辺のツボを刺激。

    高杉さんのカラダに適した漢方茶。そして入浴剤作りも!

    他に何か体調の悩みはある? と聞かれると、うーんと悩んで、

    「何かあるかな、寝つきはめちゃくちゃいい方だし……あっ、むくみ! 年齢が上がるにつれてむくみがひどくなってるかもしれないです」

    〈脈 mai〉では漢方茶をブレンドするためのアンケートを実施。体質や味の好み、感情など21の項目を5段階で自己評価する。これをもとにその人に適したお茶が提供されるのだ。

    高杉さんにはトウモロコシのヒゲ、小豆、黒豆などをお茶で飲むといった養生が大事とのこと。

    棚にずらりと並ぶ生薬を見ている様子

    棚にずらりと並ぶ生薬の中から食欲不振を改善する「山査子」、むくみ対策に有効な「黒豆」を探す。漢方薬局に馴染みがある高杉さんだが、こうした体験は初めて。

    高杉さん用にブレンドされた漢方茶を飲んでいる様子

    高杉さん用にブレンドされた漢方茶は西洋ニンジン、ゴボウ、ローズ、黒豆を煮出したもの。

    そしてむくみ対策として、カラダを温める系の生薬入浴剤作りにもトライ。9種類の生薬の中から3種類の材料を決める。

    入浴剤作りにトライしている様子

    ひとつひとつ香りを嗅ぎ、今の自分が心地よく感じる香りの生薬を選ぶ。「入浴剤は温める系がいいなぁ。 あっ、ヨモギのいい香りがします」

    ブレンドされた生薬

    用意されたのはハスの葉、レモングラス、タンポポ、ヨモギ、大風草(ダイフウソウ)、佩蘭(ハイラン)、桂枝(ケイシ)、クローブ、霍香(カッコウ)。

    生薬をすり潰している様子

    選んだ生薬をすり鉢で細かくなるまですり潰す。

    ブレンダされた入浴剤を持つ高杉真宙さん

    高杉さんが選んだのはヨモギ、佩蘭、クローブ。「40℃の湯に5分間浸けて使うそうです!」

    ツボ押し、食養生、漢方茶と、多角的漢方体験の一日となった高杉さん。

    「入浴剤は、毎日湯船に浸かる習慣があるので嬉しいプレゼントです。早速、試してみます!」

    高杉真宙さんが考える、健やかに生きるということ。

    映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』

    公開中の映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』において、高杉さんはステージⅣの大腸がんを宣告された主人公の和(川口春奈さん)を支える夫・将一を演じた。

    「一番思っていたのは、川口さん演じる和さんの支えになれたらいいなということでした。でも川口さん自身は大変な素振りも見せず現場にいらして、むしろこちらがフォローしてもらった気持ちになりましたね」

    印象深かったのは「赤ちゃんがいる現場だったこと」と語る。

    「父親の役は初めてで、抱っこ紐をつけて過ごしてみて『世のお母さんって本当にすごいな』と実感しました。数字の重さだけじゃない大変さを知ることができて良かったです」

    過酷な状態であっても、健やかに、自分の体や心と丁寧に向き合って生きることを諦めない女性とその家族を描いた本作。高杉さんにとっての健康とは?

    「先の不安を感じずに、その日を楽しく必死に生きられたら一番なのかなと。もちろん考えなきゃいけないことはたくさんあるのですが……僕は『考えなさすぎて怒られる』タイプなんですけど(笑)」

    映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』は10月2日(金)より絶賛上映中。映画公式HP

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