「ミキオサカベ」2027年春夏コレクション PHOTO : KOJI SHIMAMURA

    「ミキオサカベ(MIKIOSAKABE)」は10月18日、東京・原宿のラフォーレ原宿で2027年春夏コレクションを発表した。今シーズンのテーマは「Cheers!」。着想源は、日本の夏にショッピングモールで開催される水着ショーだ。そこに共存する日常感と人工的な華やかさ、虚構の世界に着目し、現代日本の精神性をファッションとして再構築した。

    「毎シーズン、日本のカルチャーと関係するものをつくっているが、今回はショッピングモールで開催するファッションショーのようなことをやってみたかった」と坂部三樹郎デザイナー。理想としていたのは、子ども向けのキャラクターショーなども行われる大型ショッピングモール。その独特なにぎわいをイメージしながら、ラフォーレ原宿で近い世界観をつくったという。

    「ミキオサカベ」2027年春夏コレクション PHOTO : KOJI SHIMAMURA

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    ショーが始まる前には、2000年代のヒットソングのカラオケ音源が流れ、途中からは館内放送のように、デザイナーの経歴やブランドプロフィールが読み上げられた。ランウエイには、モールにあるようなサイズ違いのポスターを貼ったパーテーションや、散乱するペットボトルや空き缶などのゴミも演出の一部として見せた。

    アイドルとも違う、グラビアアイドル

    「ミキオサカベ」2027年春夏コレクション PHOTO : KOJI SHIMAMURA

    坂部デザイナーが目を向けてきたのは、世界的に知られるアニメや漫画だけではない、日本に根付くマニアックなカルチャーだ。今回は、グラビアアイドル。「中学生くらいに『週刊少年ジャンプ』や『週刊ヤングジャンプ』を見ていると、グラビアが載っていた。それのカルチャーは今も変わらず、続いている。アイドルとも違う、独特なカルチャーとして面白いと思った。ファッションデザイナーとグラビアアイドルは距離がありそうだからこそ、挑戦したら面白いと思った」という。

    「ミキオサカベ」2027年春夏コレクション PHOTO : KOJI SHIMAMURA

    ファーストルックからビキニ姿のモデルが登場。今シーズンを象徴するビキニは、坂部デザイナー自身、これまであまり手掛けてこなかったといい、今回は数多く作った。水着として見せるだけでなく、ウエスト周りをゆがませたデニムのミニスカートなどと組み合わせ、身体のラインと服の造形を際立たせた。足元には、「水着にも合いそう」と「ミキオサカベ」の代表的なクリアソールのシューズをあわせた。

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    また、ショッピングモールに集う学生を思わせる、ライトグレーやブラックのシャドーチェック柄などを用いた制服ルックも並ぶ。随所にフリルやラッフルをあしらったジャケットやプリーツスカート、パフスリーブのショート丈ジャケットには、小花の刺しゅうや小さなリボンを散りばめたり、生地が大きく裂けて内側から別の花柄生地がのぞくようなデザインを施したりした。

    肩にかけるのは、「高」の文字を用いた校章風の刺しゅうを施したスクールバッグや、「イーストパック(EASTPAK)」のパロディーロゴをあしらったバックパックなど、学生の必需品を思わせるアイテムだ。足元は、新クリアソール“マーファ”のメリージェーンに、魚やクマ、ウサギを描いたポップな靴下をあわせた。

    今回のショーはビッグイヤーに向けた“練習”

    フィナーレに登場した坂部三樹郎デザイナー(左)とシュエ・ジェンファン=デザイナー

    「ミキオサカベ」は2027年にブランド設立20周年を迎える。坂部デザイナーはこれまで一貫して、日本やアジアのカルチャーをファッションに取り入れてきた。「日本のサブカルチャーは世界でも受け入れられているが、まだまだ面白いものがたくさんある」と、今なお新たな可能性を探り続けている。

    今回のショーは、その20周年に向けた「練習」と位置付ける。「もっと大きなことをやりたい」と語る坂部デザイナーは、20年近くブランドを続けてきた今も創作意欲が尽きないという。「昔は同じことを繰り返すだけになるのかなと思っていたけれど、そんなこともなくて。やりたいことはどんどん出てくる」。ビッグイヤーそして将来に向けて、さらなる挑戦を見据える。

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