「昔描いたリュウです」。
    そう添えられてXに投稿されたのは、頬をわずかに紅潮させたリュウが拳を構える一枚の原画でした。
    投稿したのは『ストリートファイター』の生みの親のひとり、安田朗(あきまん)氏です。
    10月16日に全世界同時公開される実写映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』で、リュウとケンの過去を描く回想シーンが、ゲームの原点にあたる1990年代風の手描きアニメで表現されることが分かりました。
    ゲーム原作の実写化が相次ぐいま、作り手がどこまで原作の空気を残そうとしているのか――その具体例として読み解いてみます。

    先に結論をまとめると:
    – 10月16日全世界同時公開の『ストリートファイター/ザ・ムービー』で、リュウとケンの回想シーンが「90年代アニメスタイル」の手描き映像として描かれることが明らかになりました
    – アニメパートはアニメスタジオTitmouseが制作し、リュウとケンの師にあたる剛拳役の声(字幕版)はマ・ドンソクが務めます
    – 初代キャラクターデザイナーの安田朗(あきまん)氏が、自身の原画とともに映画化を祝福するコメントをXに寄せました

    何が起きたのか(Xでの盛り上がり)

    今回明らかになったのは、実写映画の中にリュウとケンの過去を振り返る回想パートがあり、そこだけ手描きの2Dアニメーションで表現されているという情報です。
    剛拳(リュウとケンの師匠にあたるキャラクター)のビジュアルも初めて公開され、字幕版の声優としてマ・ドンソクが起用されたことも明らかになりました。
    ゲームメディアの denfaminicogame は、メイキング映像の内容とあわせてこう伝えています。

    投稿では、俳優の顔立ちやスタントをもとに実写の迫力を手描きで表現する舞台裏がメイキング映像で公開されたことが添えられています。
    ただ、「90年代アニメスタイル」と言われても、具体的にどういう狙いなのかは投稿だけでは分かりません。
    公開されている監督コメントや海外メディアの報道をもとに、もう少し深く調べてみました。

    調べて分かったことなぜ回想シーンだけアニメで描くのか?

    海外メディアの DiscussingFilm や Gizmodo によると、リュウとケンの回想シーンはすべて、アニメスタジオTitmouseによる手描きの2Dアニメーションです。
    監督のキタオ・サクライ氏は、『ストリートファイター』の原点である1990年代初頭へのオマージュとして回想パートをアニメで表現することを選んだと説明しています。
    インスピレーション源として挙げているのが、『AKIRA』や『攻殻機動隊』といった90年代を代表するアニメ作品です。
    これらの回想シーンでは、リュウとケンの修行時代や、2人が袂を分かつことになった経緯、さらに豪鬼(演:ロマン・レインズ)の登場が描かれるとされています。
    アニメパートの声も、実写パートで各キャラクターを演じる俳優本人が担当しているとのことです。
    実写とアニメという表現の異なる技法を1本の映画の中で使い分ける試みは、ゲーム原作の実写化としては珍しい作り方と言えそうです。

    剛拳を演じるマ・ドンソクとは

    剛拳のビジュアルとともに公開されたポスターには、「DON LEE」という表記が入っていました。
    これは韓国の俳優マ・ドンソクの国際的な芸名です。
    『新感染 ファイナル・エクスプレス』や『イターナルズ』で知られる、国際的にも知名度のある俳優です。
    その彼が、リュウとケンの師にあたる剛拳の字幕版の声を務めることが、メイキング映像で明らかになりました。

    剛拳はゲームシリーズでもリュウとケンの修行時代を語るうえで欠かせない存在です。
    その役に実力派俳優が起用されたことは、原作ファンへの目配りと捉えることもできそうです。

    初代デザイナーも映画化を祝福

    剛拳のビジュアル公開と同じタイミングで、Xには興味深い投稿が流れてきました。
    『ストリートファイター』の初代キャラクターデザイナーである安田朗(あきまん)氏が、自身で描いたリュウのイラストとともに、映画化へのコメントを寄せたのです。

    安田氏は1985年にカプコンへ入社し、1991年の『ストリートファイターII』で西谷亮氏とともにキャラクターデザインを手がけた人物です。
    アニメ調のイラストタッチをシリーズに取り入れた提案者としても知られています。
    投稿には「(3回目の)ハリウッド映画化おめでとうございます」とも添えられていました。
    実写映画『ストリートファイター』は1994年のヴァン・ダム主演版、2009年の『チュン・リー伝説』に続く3作目にあたり、キャラクターを生み出した本人が、長年の歴史を踏まえて映画化を祝福した形です。

    Shiritomo MOVIE編集部の考察

    今回の回想シーンの作り方が興味深いのは、ノスタルジーの表現手段として「アニメ」を選んだ点です。
    実写映画でゲーム原作の過去を描く場合、フラッシュバック映像を実写のまま撮ることが一般的ですが、今回はあえて絵のタッチを変え、90年代当時のアニメ的な質感を再現しています。
    これは単なる演出上の工夫というより、原作が生まれた時代の空気そのものを映像として提示する試みだと見ることができます。
    ゲーム原作の実写化は、原作ファンから「別物になった」という評価を受けやすい領域ですが、初代デザイナーの原画がそのまま祝福のコメントとともに世に出たことも含め、今回は原作の歴史を意識した作り方をしている印象を受けます。
    実写とアニメという異なる表現を1本の映画でどう橋渡しするか、公開後の評価が注目されるところです。

    まとめ

    実写映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』は、リュウとケンの回想シーンを90年代アニメスタイルの手描き映像で描くという作り方で、10月16日の全世界同時公開を迎えます。
    剛拳役にマ・ドンソクが起用されたことに加え、シリーズの初代キャラクターデザイナーが映画化を祝福したことも、原作とのつながりを感じさせる出来事でした。

    さらに深掘りしたい方へ

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