2026.10.07 ![]()
BY FRONTROW Editorial Dept.

写真:Splash/アフロ
グラミー賞受賞歌手のFKAツイッグスが、元恋人で俳優のシャイア・ラブーフを相手取って起こしていた訴訟を取り下げた。理由は、ラブーフ側が2人の和解に含まれていた秘密保持契約(NDA)を「終了し、無効」とすることに同意したため。米時間10月6日にロサンゼルスの裁判所へ提出された書類で明らかになり、米Billboardが最初に報じた。ツイッグスは今後、ラブーフとの交際中に受けたと訴えてきた虐待について、制約なく語れるようになる。(フロントロウ編集部)
6年に及んだ法廷闘争
ツイッグス(本名タリア・バーネット)とシャイアは、2019年公開の映画『ハニーボーイ』での共演をきっかけに交際した。ツイッグスは2020年、交際中に「絶え間ない虐待」を受けたとして、性的暴行や暴行、精神的苦痛を与えられたことなどを理由にシャイアを提訴。シャイアは当初、報道機関に宛てたメールで自身のアルコール依存や攻撃性を認めて謝罪したものの、2021年には弁護士を通じて訴えの内容を否定していた。
この訴訟は2025年7月、法廷外での和解によって終結。ツイッグスは同じ訴えを再び起こせない形で訴訟を取り下げ、和解の詳細は非公開とされた。
しかし、話はそこで終わらなかった。シャイアは2025年12月、ツイッグスが米エンタメ誌の表紙インタビューで語った内容が和解時のNDAに違反しているとして、仲裁を申し立てた。問題視されたのは、ツイッグスが「安全だと感じていない」と語り、「被害者を助けたい」という思いを口にした部分だったという。
「女性は口止めされるべきではない」
これに対してツイッグスは2026年3月、NDAそのものが違法だとして新たにシャイアを提訴した。根拠としたのは、#MeToo運動を受けて2019年に施行されたカリフォルニア州の「STAND法」。性的暴行やセクシャル・ハラスメント、性差別に関する事実をNDAによって公表できなくすることを制限する州法で、ツイッグス側はシャイアがNDAを使って「威圧のキャンペーン」を仕掛けていると主張していた。
当時、シャイアの弁護士は「主体性のある女性として、彼女は訴訟を和解すると決め、お金を受け取って訴えを取り下げた」と公に反論。両者の主張は真っ向から対立していた。
それから約7カ月。今回の書類でツイッグスの弁護士マシュー・ローゼンガート氏は、シャイアがNDAの終了と無効に同意したことで「この訴訟は目的を達成した」と記した。ローゼンガート氏は声明で、次のように述べている。
「これは、性的虐待について声をあげる女性が、カリフォルニア州法に反するNDAによって口を封じられるべきではないという原則にとって、重要な勝利です。FKAツイッグスは、自身の経験について語り続け、声をあげるための手段を持たない女性たちを含む、ほかの女性のために活動を続けられることを誇りに思っています」
さらに同氏は「ツイッグスは、自分自身よりも大きなもの、つまり性的虐待を生き延びた女性たちのために立ち上がったのです」とも語った。
シャイア側は「彼女の幸せを願う」
一方、シャイアの弁護士ショーン・ホリー氏は米TMZに対し、「シャイアはツイッグスの人生とキャリアにおける幸せだけを願っており、そのために長年の争いを終わらせることに同意しました。ツイッグスはこの件について何年も語ってきましたし、今後も語り続けることを妨げるものはもう何もありません」とコメントしている。
シャイアをめぐっては今年6月、ニューオーリンズのバーで起きた暴行事件で有罪答弁を行ない、執行猶予付きの判決を受けたばかり。8月には法廷書類で日常的な飲酒について明らかになるなど、私生活をめぐる報道が続いている。
金銭ではなく「語る自由」を求めたツイッグスの訴えは、被害を訴える側の口をNDAでふさぐことの是非をめぐる議論にも、一石を投じることになりそうだ。
※本記事は性暴力・DVに関する内容を含みます。ご自身や周囲の方の被害について相談したい場合は、下記の窓口をご利用ください。
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