齋藤飛鳥(左)と富田望生(WWDJAPAN)
漫画「じゃあ、あんたが作ってみろよ」などで現代の生きづらさや等身大の人間模様を丁寧に掬い取ってきた漫画家・谷口菜津子の「まめとむぎ」が、新たにテレビ東京でドラマ化された。W主演を務めるのは、独自の透明感とクールな眼差しを持つ齋藤飛鳥(清水麦役)と、確かな表現力で現場に生気を吹き込む富田望生(米田まめ役)。正反対に見える2人が現場で培ったのは、過度な共感や同調を求めない、心地よくも誠実な連帯だった。劇中の重要なモチーフである「発酵」を手がかりに、役へのアプローチ、不器用な自己との向き合い方、大人になってからの距離感、そして自身を整えるサードプレイスについて話を訊いた。
【画像】齋藤飛鳥 × 富田望生が語るドラマ「まめとむぎ」——無理に近づかないから生まれた“心地よい関係性”
塩麹のように「ほぐれていく」関係性
——現代の生きづらさや等身大の人間関係を描いてきた谷口菜津子さんの原作に触れた際、表現者としてどのような魅力を感じましたか?
富田望生(以下、富田):登場人物がみんな愛くるしいんです。最初に「クセが強いな」と感じる人物であっても、突発的な劇的変化ではなく、日々の時間を共に過ごす中で徐々にほぐれていく。料理で例えるなら、塩麹を入れると全体がまろやかになって素材の味を包み込んでくれるような感覚です。「こういうドラマチックな出来事があったから成長した」という直線的な積み上げではなく、生活の中で本来持っていた角が取れて、周りの硬いものがほぐれていく、というような。階段を一段ずつ上るというより、ふわーっとぐるっと、成長していく。そういうふうに人間味が深まっていくのが、谷口先生の描く世界の魅力だと思います。
齋藤飛鳥(以下、齋藤):まさに望生ちゃんが言った通りですね。人は無理に変わらなくても生きていけるし、他者に必ず影響を受けなければいけないわけでもない。それでも、誰かと過ごす中で自然と柔らかくほぐれていく。谷口先生の視線はすごく愛情深いと感じます。完璧な人間なんていなくて、どこか不器用で生きるのが下手な部分こそが、愛すべき人間味として描かれているんですよね。
