ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.10.05 10:53

    韓国では、複数の企業が映画『暗殺者(たち)』の痕跡を消す動きに乗り出している。映画が歴史歪曲(わいきょく)をめぐる論争に巻き込まれ、出演俳優を広告モデルに起用した企業に対する不買運動が広がっているためだ。

    4日、業界によると、ハンバーガーチェーンのバーガーキングは店舗から俳優ユ・ヘジンが登場するポスターなどの広告物を順次撤去している。これについてバーガーキング関係者は「ユ・ヘジンは秋の新商品広告に限定した単発モデルで、テレビとオンライン広告を予定通り9月末に終了したため、店舗の広告物も撤去している」と説明した。

    しかし、ある業界関係者は「ユ・ヘジンとバーガーキングのモデル契約期間はまだ1週間以上残っており、テレビ・オンライン広告キャンペーンが終了しても通常、店舗の広告物は数日間は残しておく」とし、「今回の騒動を意識し、今週末までに急いで撤去するものと聞いている」と話した。

    バーガーキングのホームページも同様だ。バーガーキングは2024年以降、テレビやオンラインで放映した広告動画をホームページに掲載しているが、ユ・ヘジンが登場する広告動画は表示されていない。以前にモデルを務めた俳優イ・ジョンジェの広告動画が残っているのとは対照的だ。業界関係者は「今後ももう掲載されることはないのではないかと思われる」と話した。

    これに先立ち、キウム証券は2日、ユ・ヘジンをモデルに起用した広告キャンペーンを終了した。同社は予定されていた日程に沿ったものとの立場だが、業界では『暗殺者(たち)』をめぐる論争の影響ではないかとの見方が出ている。

    俳優イ・ミンホを広告モデルに起用していたフライドチキンチェーンのBBQも距離を置いた。BBQ関係者は「イ・ミンホは8月末に契約が終了しており、現在は広告モデルではない。当時も韓国国内ではなく中国市場を狙って起用したモデルだった」と話した。

    企業がこのように素早く対応する背景には、不買運動の広がりがある。オンラインでは『暗殺者(たち)』に出演した俳優をモデルに起用した企業のリストが広まっている。

    特に主演俳優のユ・ヘジンがモデルを務めているバーガーキングに対する不買の動きが目立つ。オンラインコミュニティーやソーシャルメディアには「モデルを変えるまでは絶対に食べない」「バーガーキングの商品券の払い戻しを申請した」などの投稿が相次いでいる。また、バーガーキングのカスタマーセンターに広告モデルの交代を求めるメッセージを送ったり、アプリを退会したことを証明する投稿も上がっている。

    バーガーキングのハンバーガーを食べる動画を掲載したYouTube動画にも批判的なコメントが書き込まれている。これに先立ち、バーガーキングは公式YouTubeチャンネルでユ・ヘジンの広告に批判的なコメントが殺到すると、「ブランドのSNSは政治的な論争の場ではない」としてコメント欄を閉鎖した。

    不買運動に対する消費者の見方は分かれている。大学生のパクさん(24)は「出演俳優も事前に作品の内容を知った上で自ら選択しただけに、責任を負うべき部分は負わなければならない」とし、「不買運動は歴史歪曲を正そうとする消費者の意思を表明する方法」と話した。一方、大学生のキムさん(25)は「作品を批判することはできるが、俳優に対する過度な攻撃や不買運動にまで広がることについては慎重になる必要がある」と話した。

    仁荷(インハ)大学消費者学科のイ・ウンヒ名誉教授は「出演作品が騒動に巻き込まれると、その俳優を広告モデルに起用した企業も不買運動など予想外の被害を受ける可能性がある」とし、「政治・社会的対立が先鋭化するほど、こうした現象はさらに深刻になる可能性がある」と話した。続けて「今回の事態をきっかけに、モデル契約を結ぶ際、違約金を請求する事由として個人的な問題だけでなく、出演作品による社会的な騒動まで明記する動きが現れる可能性がある」と話した。

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