掲載日
2026年9月29日
パリ・ファッション・ウィークは、若手デザイナーたちにスポットライトを当てて幕を開けました。
ジュリー・ケーゲルス:すべては“りんご”に捧ぐ!
パリ・ファッション・ウィークへの3回目の参加となる今回、ジュリー・ケーゲルスは「転倒」という単一の現象ではなく、さまざまな“落ちる”ことに焦点を当てています。実際、「Apple of the day」は、あらゆる形の“落ちる”——失敗する、プレッシャーに屈する、物事がしかるべき位置に収まる、恋に落ちる——をテーマにしているのだと(”Falling short. Falling under pressure. Falling into place. Falling in love”)、彼女は序文に記しています。第19区ポルト・ド・パンタンのシテ・ド・ラ・ミュジークで披露されたこの2027年春夏コレクションは、ここ数カ月でジュリー・ケーゲルスの日常がいっそう濃密になったことを雄弁に物語ります。
ジュリー・ケーゲルスは、ますます…忙しくなった自身の日常を映し出す – Samuel Gut
LVMH賞を授与されたばかりのジュリー・ケーゲルスは、ブランド設立からわずか2年で、今季のパリ開幕を飾ったことも後押しし、かつてないほどの注目を集めています。ニュートンの目前でりんごが落ちた逸話さながら、彼女の日常にのしかかる重みが、コレクションのルックやピースの随所にまで染み込んでいるのです。
「Apple of the day」コレクションは、シテ・ド・ラ・ミュジークで披露されました – Samuel Gut
グループ「Air」をはじめとするシンセウェーブやエレクトロの旋律に乗せて、「Apple of the day」は、シンプルでありながらカオティックなワードローブとして展開。胸元で断ち切ったドレスや、まるで地球の核へと抗いがたく引き寄せられるかのように半分だけ履かれたタイツが登場します。裏返しに着られたデニムジャケット、解体的なベージュのドレスやサイハイブーツ、スカート風に装ったプリーツトップスは、怠惰や気だるさへのオードとも受け取れたかもしれません。けれども、ジュリー・ケーゲルスが記すように、「重力がなければ、よじ登るものは何もない。おそらく、頂に到達することに意味があるのはそのためなのです」。
重力は、スーパーオーガンザを除いて、何ものをも容赦しません – Samuel Gut
知的でありながら夢想的でもある日常に根ざしたルックには、ターコイズ、トープ、ブルーの斑が散りばめられ、コレクションに軽やかさをもたらします。その感覚は、世界で最も軽い素材として知られるスーパーオーガンザの採用や、徹底してフラットなカッティングによっていっそう強調されています。大きな期待を集めたショーのフィナーレで喝采を浴びたジュリー・ケーゲルスは、2026年、そして間もなく到来する2027年を、自身の年として確かなものにしつつあります。
MaXhosa Africa、火の試練に燃える
パリ・ファッションウィークのラインナップに初めて名を連ねたラドゥマ・ングソコロは、9月28日、MaXhosa Africaを通じて南アフリカの魅力を力強く発信しました。フランス駐在の南アフリカ大使公邸の中庭に集った多くのゲストは、人気アーティストSjavaによるラップと歌を行き来するソロパフォーマンスで迎えられます。これは「Izihlwele Zivumile」と題した同ブランドの2027年春夏コレクションの幕開けであり、デザイナーがマニフェストに記す通り、「私たちが当初から掲げてきたアイデンティティへの承認」を高らかに告げるものでした。
MaXhosa Africaのコレクションは、コサ族の伝統的な技法を今に伝えています。 – Samuel Gut
そして、その“承認”はここで独自の風格として体現されています。16年にわたるたゆまぬ努力とレーベルのアイデンティティへの探求が、MaXhosa Africaに世界のラグジュアリーシーンでの確固たる地位を与えました。年を追うごとに、同ブランドが用いてきた職人技と素材使いが、ラグジュアリーなポジショニングを確かなものにしてきたのです。『Izihlwele Zivumile』でも、それは改めて証明されました。ラドゥマ・ングソコロのモードは、他のどのブランドにも似ていません。
このコレクションにおいて、アクセサリーは重要な役割を果たしています – Samuel Gut
この日の夕刻、ブランドのエンブレムを掲げた旗に続き、コサ文化特有の幾何学模様と色彩をまとった多彩なシルエットが次々に登場。細く波打つ襟のポロシャツに、それとセットのショーツやスカート、メッシュの菱形模様を飾ったセーター、クレージュのいくつかのピースを想起させる彫刻的なウールのドレス、貝殻を用いた多様なヘッドピース、そして房飾りの付いたスコットランドの帽子「グレンガリー」などが行進します。あるモデルは、南アフリカの伝統的な被り物である「イシュロ」に似た非常に背の高い帽子を着用。前面と上縁には“カウリ”のラインがあしらわれ、さらに茶色い毛の皮帯が添えられていました。
「Izihlwele Zivumile」には、多くの刺繍が施された作品が含まれています – Samuel Gut
プレタポルテのピースが、その製作に要する労力ゆえに際立っている一方で、アクセサリーも同様に強い存在感を放ちます。プリーツをフラットに押さえたスカートや、青や銅色のドレスに合わせ、モデルたちは「MXS」のロゴ入りイヤリングを着用。木製のヘアクリップで髪にこの頭文字をあしらうモデルもいます。ラドゥマ・ングソコロは、白・茶・緑・青、あるいは黒・白・茶の配色による、さまざまな編み込みのハンドバッグも提案。さらに、木と金属のパーツを重ね合わせた、サイクロプスの単眼や“マッドサイエンティスト”のレンズを思わせる奇想天外なサングラスも披露されました。この初舞台で、MaXhosa Africaは多様な素材、色彩、モチーフの饗宴によって視覚的にも聴覚的にも来場者を没入させ、そうした要素こそが同ブランドの要であることを印象づけました。
