Sony Group(SONY.US)が2027年1月に米ラスベガスで開催される世界最大のIT・家電見本市CESに参加しないことを決めた。1967年の第1回CESから毎年出展を続けて以来、60年ぶりの不参加となる。
Sonyの広報担当者は28日、声明を通じてSonyと系列会社のすべてが来年のCESに出展者として参加しない予定であることを確認した。これまでSonyはCESで最大級のブースの一つを運営し、基調講演や新製品発表イベントを主導してきた。日本の競合他社が展示規模を縮小する中でもSonyは主力出展者の地位を維持してきたため、今回の決定はCESの展示会構成に少なからぬ変化をもたらす見通しだ。
今回の不参加の背景には、Sonyの事業構造の変化がある。ゲーム・音楽・映画などエンターテインメントと知的財産権(IP)中心に中核事業の比重が再編される中で、ハードウェアの新製品や新技術を主に公開するCESの戦略的重要性が相対的に低下したという分析だ。Sonyは声明で「多様な事業のニーズと優先順位に応じて、イベント参加やコミュニケーションの方法を戦略的に継続して見直している」とし、「今後はエンターテインメントとIP、そしてクリエイターを支援する技術により一層注力していく」と明らかにした。
モビリティ事業の不確実性も影響した。SonyはCES 2026でも自社の家電ブースを設けず、Honda Motor(HMC.US)との合弁会社を通じて電気自動車「AFEELA」のみを展示していた。SonyはこのEVを自社コンテンツと人工知能(AI)サービスが融合した新たなプラットフォームとして活用しようとしたが、両社は今年3月にAFEELAシリーズの開発・発売計画を全面中止すると発表した。2022年に設立された合弁会社の今後の方向性も白紙から再検討することになり、CESでSonyが打ち出すモビリティ展示の推進力が弱まった。
合弁プロジェクトの頓挫には、Hondaの財務危機が決定的だった。Hondaは2025会計年度に4,200億円から6,900億円(約6兆ウォン、約6,900億円)規模の純損失を計上するとの見通しを示した。これは1957年の上場以来初の年間純損失となる。Hondaは北米で生産予定だったEV3車種の開発・販売計画を中止し、2030年のグローバル純EV年間販売目標も従来の200万台から70万~75万台へと大幅に引き下げた。
SonyはHondaとの決別にもかかわらず、自動車分野から完全に手を引くわけではない。同社は依然として車載用イメージセンサーの中核サプライヤーであり、経営陣は自動車が最終的に車内における新たなエンターテインメントの形を創出するプラットフォームになり得るという見解を維持している。
一方、SonyのCES離脱は、見本市自体のアイデンティティ変化とも重なる。CESはここ数年、従来の家電中心からモビリティ・AI・ヘルスケアなどへ展示範囲を広げてきたが、Sonyのように家電よりもコンテンツとサービスに重きを置く企業にとっては、マーケティング効果が以前ほどではないとの指摘が出ている。Sonyが抜けた穴を他の電機メーカーやスタートアップが埋めるのか、それともCESの展示構成がより根本的に再編されるのかは、来年1月のイベントで明らかになる見通しだ。
