【速レポ】<中津川 WILD WOOD 2026>ユニコーン、初日トリで唸らせる“現在進行形”のひととき

周りを見渡せばすっかり暗闇といういい時間帯。3ステージで熱演が繰り広げられた<中津川 WILD WOOD 2026>初日の締めくくりが近づいてきた。Fools GOLDでその役目を担うのは結成40周年、ロックレジェンドと言い切れるユニコーンだ。ついに中津川の地に降臨した彼らはどんなステージを見せてくれるのか。
客席エリアはびっしりと埋まり、楽しそうなざわめき、風や葉っぱの擦れる音、そこにサウンドチェックが混じり合えば野外フェス特有の高揚感も漂ってくる。そこへ壮大なSEが響き、赤いライトに照らされたABEDON、EBI、奥田民生、川西幸一、手島いさむの5人が姿を現せば一気に沸き立つ観客。今か今かと待ち構える中、奥田がギターを鳴らしてまずは「スターな男」を轟かせていくが、もうイントロからしてヤバい。リズムワークにギターの絡み合い、ロックの旨味がいきなり凝縮されすぎている。そこに奥田のハリとコクを兼ね備えた歌声、ABEDONのコーラスが合わされば一気に会場全体が沸き立っていく。手島の巧みなプレイも冴え渡り、絶妙なバランスで繋ぐEBI、ド真ん中で支える川西の頼もしさはもはや言うまでもないと書いてしまいたいほど。

やっぱり、彼らはリバイバルに甘えない。36年前の曲であろうと、感じるのは懐かしさを超えた凄みだ。あくまで現在進行形のロックバンドとして素晴らしい音を鳴らしている。奥田の呼びかけからABEDON、手島とソロ回しを続け、最後は自分もバッチリ決めて、曲終わりには川西のドラミングにもフォーカス。その流れもまた秀逸だった。


そこからそのまま突入したのは「WAO!」。サラッとパートチェンジしてプレイするナンバーだ。ABEDONがギターを抱えメインボーカルとして中央に位置し、伸びやかな歌声を披露。観客も大声援で後押ししていき、少しぐらいの肌寒さを感じてもおかしくない20時30分、むしろ夕方より暑さを感じるほどの熱気が広がっていく。
ちょっと間を空けて、何かくるかと想像を巡らせていたところに飛び込んできたのは代表曲のひとつでもある「すばらしい日々」だった。メンバー全員、当たり前だと言われるかもしれないが、無駄な力みなど一切なく、いい塩梅の脱力感で鳴らす音が折り重なり、見事なアンサンブルとして成立。しっとりと絡みつくような奥田の歌声もやはり格別であり、グッと心臓を掴まれて涙しそうになった観客もいるに違いない。付け加えるならば、アウトロにおける奥田のギタープレイはホントにヤバいレベルを叩き出していた。
ここで「ありがとうございます。ユニコーンです」と挨拶した後、今の充実ぶりも奥田が口にして中盤戦へ。スペイシーな匂いもたまらないディスコヒット「チラーRhythm」からスタートだ。ABEDONが奏でるフレーズもスパイスが効きまくっており、弾けすぎない浮き立ち方がいい。観客もサウンドと一体となり手を左右に振り続け、暗闇にペンライトが揺れる景色はとても美しかった。

ライブの真ん中、ここでグッと全体を引き締める存在となっていたのが現時点での最新曲「クレナイノハ」であろう。時を経て美しく色付く葉を「おっさん」に重ねてイメージし制作された、とのことだが、グッと腰を落とすように深く響かせ、幅と奥行きがあるロックバンドだからこそ表現できる色味がある。ギターのせめぎ合いを経たラスサビの開け方は格別の気持ちよさがあった。

また、行進曲のように「ヒゲとボイン」を響かせた後に続けた、ライブでは鉄板級のキラーチューン「SAMURAI 5」はやはりと言うべきか、なかなかの展開。ABEDONを中心とした寸劇はいつものことのようだが、ちいかわの映画を観るために用意していたさすまたや団扇も飛び出し(※映画自体は満員で観れず)、いろんな意味で心に残る名シーンになったはず。
いよいよ終盤というところでも、決して焦らないのが熟達したミュージシャンの強み。華々しいフィナーレに向かって無駄にギアを上げることはない。爽快な「Feel So Moon」をまずは響かせ、締めくくりは「アルカセ」だ。ポジティブなムードが広がり、伸びやかなメロディーと鮮やかなアンサンブルに包まれていく。願いを捧げるような歌も沁みた。

今年7月にはABEDONの還暦を祝うスペシャルライブを行なったり、10月には約3年ぶりとなるフルアルバム『あたえてこ』をリリースすることも発表。その後は15都市19公演を巡るツアーも開催。無尽蔵なスタミナとシャレも効かせた圧倒的なクリエイティビティを見せつけている彼ら。そのステージは流石としか言いようがなかった。早熟なのに大器晩成とは名プロレスラーであるジャンボ鶴田につけられたキャッチフレーズだが、それはユニコーンというバンドにも当てはまるんじゃないか。まだまだ未来が楽しみになる、そんな時間にもなったのだ。
取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎AZUSA TAKADA
■セットリスト 【Fools Gold】
1. スターな男
2. WAO!
3. すばらしい日々
4. チラーRhythm
5. クレナイノハ
6. ヒゲとボイン
7. SAMURAI 5
8. Feel So Moon
9. アルカセ
◆【特集】<中津川 WILD WOOD>クイックレポート
■<中津川 WILD WOOD 2026>
9月19日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月20日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
〒509-9132 岐阜県中津川市茄子川1683-797
open10:00 / start11:00 / 21:00終演予定
▼出演アーティスト ※A-Z順
【9/19(土)】
10-FEET / dustbox / GLIM SPANKY / Hump Back / JUN SKY WALKER(S) / 神はサイコロを振らない / KREVA / 黒夢 / Lucky Kilimanjaro / Omoinotake / Original Love & CADEJO / Penthouse / 礼賛 / レトロリロン / スガ シカオ / 水曜日のカンパネラ / 東京スカパラダイスオーケストラ / ユニコーン / 水平線(Opening Act)
【9/20(日)】
浅井健⼀ / THE BAWDIES / THE CHERRY COKE$ / FLYING KIDS / HEY-SMITH / 黒木渚 / moon drop / ねぐせ。 / 日食なつこ / Nothing’s Carved In Stone / OKAMOTO’S / サバシスター / 聖飢魔II /ストレイテナー / 竹内アンナ / 土岐麻子×和田唱×川口大輔 / w.o.d. / ヤバイTシャツ屋さん / ヤングスキニー / 板歯目(Opening Act)
