物語の幕開けを飾るのは、ベルベット、ブロケード、レース、刺繍といった、イタリアのクラフツマンシップが生み出す華やかな素材に焦点を当てた演目。そこから舞台は機械の時代へと移り、ジョルジオ・アルマーニをはじめとするデザイナーたちの手によって、テイラリングがいかにより軽やかで体に寄り添い、豊かな表情を持つものへと変化していったかをたどる。

    VOGUE WORLD MILAN

    テクニカルなアプローチ アベニー(左)と同じくモデルのエメリーヌ・ホアロー(左から2番目)、カンラン・ワン(右から2番目)、ステラ・ハナン(右)は、ピエールパオロ・ピッチョーリが手がけたモンクレールの2018 – 19年秋冬と2019 – 20年秋冬のパファーコートやスカートを纏い、スポーティなアイテムをモードへと昇華。〈左・アベニー〉2018 – 19年秋冬のコート スカート 〈左から2番目・エメリーヌ〉2019 – 20年秋冬のコート スカート 〈右から2番目・カンラン〉2019 – 20年秋冬のコート 〈右・ステラ〉2018 – 19年秋冬のコート スカート/すべてMONCLER BY PIERPAOLO PICCIOLI(モンクレール ジャパン)

    続く「メイド・イン・イタリー」の演目では、ヴェルサーチェ(VERSACE)やドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)が象徴する官能的なグラマー、そしてミッソーニ(MISSONI)やプッチ(PUCCI)の鮮烈なパターンが主役となる。そして最後の演目では、モノクロームの服が真っさらなキャンバスとなり、テクノロジーが人間の創造性をさらに高めていく未来を見据える。

    本誌に登場する服にもまた、伝統と革新が息づいている。ヴァレンティノ(VATENTINO)、アルマーニ、ドルチェ&ガッバーナ、ヴェルサーチェなど、イタリアを代表するメゾンが手がけたこれらの服には、何世代にもわたって培われてきた技術、シルエット、そして独自のデザイン言語が受け継がれている。

    しかし、あらゆるファッションがそうであるように、その真価を決めるのは、現代のデザイナーがそれらを通して「今」という時代をどう映し出すかだ。たとえばプラダは、スポーツウェアのモチーフやテクニカルな素材を取り入れながら、独自の女性像を表現している。一方、ピエールパオロ・ピッチョーリはモンクレール(MONCLER)初の「ジーニアス」コレクションで、クチュールのシルエットを大胆かつ革新的に再解釈した。

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