【ソウル聯合ニュース】世界3大映画祭の一つ、第83回ベネチア国際映画祭の授賞式が12日夜(日本時間13日未明)、イタリア北部ベネチアのリド島で行われ、韓国のイ・チャンドン監督の「もしもの愛」が最高賞に次ぐ銀獅子賞の審査員大賞を受賞した。

    イ・チャンドン監督(資料写真)=(聯合ニュース)

    イ・チャンドン監督(資料写真)=(聯合ニュース)

     韓国映画が同映画祭のコンペティション部門で受賞するのは、2012年に故キム・ギドク監督の「嘆きのピエタ」が最高賞の金獅子賞を受賞して以来、14年ぶり。審査員大賞の受賞は今回が初めてだ。

     また、イ監督が同映画祭で受賞するのは、2002年に「オアシス」で銀獅子賞の監督賞を受賞して以来、24年ぶりとなる。

     イ監督は受賞の壇上で「多くの人々の待ち続けた時間と忍耐がなければ、この映画が世に出ることはできなかったでしょう」とし、「特に、映画を待つために毎日酒を飲まなければならなかった製作者のイ・ジュンドンに申し訳ないと伝えたいです」と笑顔を見せた。

     続けて「この映画に命を吹き込んでくれたチョン・ドヨン、ソル・ギョング、チョ・インソン、チョ・ヨジョンの4人に感謝します。この賞は皆さんのものです」と述べ、主演俳優たちをたたえた。

     イ監督は10年余り前、解雇された労働者の問題を扱った映画を作ろうとしたものの、製作準備の段階で断念した。その物語は長い年月を経て「もしもの愛」として完成した。イ・ジュンドン氏は製作会社ファインハウスフィルムの代表で、イ監督の作品「ポエトリー アグネスの詩」(2010年)、「バーニング 劇場版」(2018年)などの製作者でありイ監督の実弟。

     イ監督は「労働が消えつつある時代に、人と人とのつながりが断たれつつある時代に、私は映画で何ができるのか、映画は何をしなければならないのかを問うために、この映画を作りました」とし、「この賞をいただいたのは、これからも問い続けなさいという意味だと受け止めています」と語った。

     「もしもの愛」は「バーニング 劇場版」以来、8年ぶりの新作であり、イ監督にとって初のネットフリックス映画でもある。

     同作は、裕福な夫(チョ・インソン)を持つドキュメンタリー監督(チョ・ヨジョン)が、解雇された労働者夫婦(ソル・ギョング、チョン・ドヨン)の暮らしをカメラに収める中で、階級的背景の異なる人々が互いの人生と欲望に向き合っていく物語を描いた。

     6日に同映画祭でワールドプレミアとして上映された後、7分間にわたるスタンディングオベーションを受け、海外メディアからも相次いで好評価が寄せられた。

     審査員を務めた香港映画界の巨匠、ジョニー・トー監督は、閉幕後の記者会見で「イ・チャンドン監督の作品の中で最も円熟した作品」と評し、「映画に盛り込まれた全てのディテールが好きです。私ならこのような映画は作れないでしょう」と称賛した。

     同作は閉幕式に先立ち、国際映画批評家連盟賞も受賞し、その作品性が認められた。

     イ監督は、「オアシス」で俳優ムン・ソリに同映画祭の新人俳優賞を、2007年の「シークレット・サンシャイン」でチョン・ドヨンにカンヌ国際映画祭女優賞をもたらしたほか、自身も2002年に銀獅子賞、2010年に「ポエトリー アグネスの詩」でカンヌ国際映画祭脚本賞、そして今回の審査員大賞を受賞し、韓国を代表する巨匠であることを改めて証明した。

     一方、今年の金獅子賞は、メイ・エルトーキー監督の「ウーマン・アンノウン」が選ばれた。

    hjc@yna.co.kr

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