TOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン株式会社)と 株式会社FIXER(本社:東京都港区、以下FIXER)は、テレビ番組およびテレビCMの考査業務を支援するAI考査システム「GaiXer Review Agent(ガイザー レビュー エージェント)」を共同開発いたしました。

    本システムは、テレビ番組およびテレビCMの映像・音声・台本・絵コンテなどから、放送基準や関係法令への適合性をAIが判定・提示する画期的なシステムです。このシステムの画期的な点は、長尺番組(いわゆる30分以上の通販番組、一般番組、アニメ番組等)の動画素材においてもAI考査が可能になったことです。

    TOKYO MXが放送現場で長年培ってきた「考査の知見」と、FIXERの「先進AI技術」を掛け合わせることで開発が実現しました。
    これまで、考査担当者の経験に依存していた業務の「標準化」と、過密化するチェック業務の「効率化」が可能になります。TOKYO MXではすでに導入し、システムと考査担当者によるダブルチェック体制で運用しています。

    このたび、外部提供に向けたサービス展開を開始しています。なお、本システムは特許出願中です。

    <システム画面イメージ>

    ■開発の背景:考査業務の効率化のニーズ

    テレビ放送においては、放送法や日本民間放送連盟の放送基準、景品表示法などの関連法令を遵守するため、放送前に、それらに抵触していないかを確認する「考査」が行われています。
    しかし、チェックすべき項目が年々増加し、漏れリスクが増大する一方、短納期での対応が求められるため、現場の業務負荷は慢性的に高まっています。また、経験に依存する判断も多く、担当者の異動や退職時のノウハウ継承が困難であるという課題を抱えていました。

    ■TOKYO MXの知見や経験が反映された本システムの強みと導入効果

    本システムでは、TOKYO MXが過去に蓄積してきた膨大な考査知見や放送基準、関係法令を反映しています。担当者による判定のばらつきをなくし、一定の基準に基づいた一次判定を提示することで判断のブレを防止します。TOKYO MXではシステムと並行して考査担当者が考査素材を独自に見ることで、システム回答にのみ依存することなく、最終判定しています。
    これにより、実際の考査業務において大幅な処理量の向上と時間短縮を実現しました。具体的には、従来は熟練担当者でも1本あたり5時間程度かかっていた「30分通販番組」の考査にかかる時間がこのシステムを使うことで1本あたり2時間程度へと大幅に短縮した(システムだけでは約10分弱で完了)ほか、「アニメの絵コンテとシナリオ(10~12話分)」のチェックにかかる日数も従来の2~3日間からわずか数時間へと短縮されています。

    ■「GaiXer Review Agent」の主な機能

    【放送局ごとにカスタマイズ可能なAI判定】
    ・法律やガイドラインだけでなく、放送局独自の内規や採用している法令、業界ルール等をAIに適用し、運用するテレビ局ごとにカスタマイズすることが可能です。 
    ・通販番組等における「医薬品」「化粧品」などのカテゴリー別基準や、表現規定の洗い出しにも対応し、各社の考査の質を担保します。 
    ・抵触している度合いを3段階(重大・中程度・軽微)に分けて解析します。

    【動画から絵コンテ・台本まで、多様な素材をマルチ解析】
    ・動画だけでなく、放送台本や絵コンテ、WEBサイトの解析にも対応しています。 

    【タイムライン連動とPDF回答書の自動生成による効率化】
    ・映像・音声・テロップを横断チェックし、問題のあるシーンの時間位置(タイムスタンプ)と重要度(重大・中程度・軽微)を自動で特定します。
    ・指摘箇所と根拠をまとめた回答書をPDF形式で自動生成するため、手打ちによる作成の手間を大幅に削減します。

    【AIとの対話で疑問を解決する「チャット機能」】
    ・レポート結果について、チャット形式でAIに深掘り質問を行うことが可能です。
    ・法的にリスクのある表現に対して、AIが代替表現や修正案を提案し、考査業務をサポートします。

    <チャット機能画面イメージ>

    【サブリミナル検出・赤色点滅チェック機能】
    ・一瞬の映像挿入(サブリミナル)や、光感受性発作を誘発する恐れのある赤色点滅の自動検出にも対応しています。

    【放送前コンテンツを守る「データ非保持設計」】
    ・放送前の解析した動画・台本・絵コンテ・Webサイトなどの情報は、レポート生成完了後にクラウド上から自動削除されます(解析したレポートはシステムに残ります)。
    データを残さないことで、漏洩リスクを最小化する安全な設計です。

    ■今後の展望:各テレビ局での導入検討がスタート

    本システムは、すでに複数のテレビ局において導入に向けた具体的な検討が始まっております。TOKYO MXおよびFIXERは、自社内での運用にとどまらず広くシステム提供を積極的に進めてまいります。

    ■各社コメント

    【TOKYO MX 編成局考査部長 德島 悠木】
    このシステムは、放送局の知見をフルに活用したという点で放送局の考査の現場に寄り添っていて使いやすいということ、動画素材だけではなく絵コンテや台本・WEBサイトも考査対象であること、そして、放送局ごとにカスタマイズできる点が大変画期的であると思います。実際にTOKYO MXでは考査の大幅な省力化を実現しました。また、人手をかけずに考査できるので、その分人員の足りない部署に配置できることも可能と考えます。それはモノづくりの会社である放送局にとって、今後を左右する大きなシステムに成り得ると確信しています。

    【株式会社FIXER 映像領域 責任者 大隅 良太郎】
    TOKYO MX様より、考査業務における効率化が現場の長年の課題であると伺い、その解決に向けて共にシステム開発に取り組んできました。放送現場の厳しい基準やノウハウをAIに落とし込む作業は決して簡単なものではありませんでしたが、TOKYO MX様との対話を重ねながら、一つひとつの判定基準をすり合わせ、開発を進めてきました。考査業務の大幅な効率化という形で成果を実感していただけたことを、大変嬉しく思っております。今後も、今回の協業を通じて得た知見を活かし、より多くの放送局の現場に貢献できるサービスへと育てていきたいと考えています。

    東京メトロポリタンテレビジョン株式会社
    Webサイト:https://s.mxtv.jp/

    株式会社FIXER
    Webサイト:https://fixer.co.jp/

    ※その他記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
    ※記載の内容、製品、仕様、問い合わせ先およびその他の情報は、発表日時点のものです。これらの情報は予告なしに変更される場合があります。

    Share.

    Comments are closed.