その謎めいた歌詞のイメージこそ、スティーリー・ダン(Steely Dan)の魅力のひとつだった。そして彼らは、1974年3月2日にリリースした3作目のアルバム、その名も『Pretzel Logic』で、ファンの期待に見事に応えてみせた。
彼らのファン全員が、この『Pretzel Logic』が「当てにならない、循環的な論理」を意味することを知っていたわけではないだろうし、知っていたとしても気にしなかったかもしれない。重要なのは、バンドが戻ってきたということだった。そして最初の2作『Can’t Buy A Thrill』と『Countdown To Ecstasy』の成功に続き、彼らは自身初の全米TOP10アルバムとキャリア最大のヒット・シングルを生み出そうとしていた。
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Rikki Don’t Lose That Number
『Pretzel Logic』は同年3月末に全米アルバム・チャート(Billboard 200)へ登場し、その後最高8位を記録した。2003年のRolling Stone誌による“歴代最高のアルバム500選(500 Greatest Albums of All Time)”では385位にランクインしている。
これまで同様に、ゲイリー・カッツがプロデュースを手掛けたこのアルバムには、ウォルター・ベッカーとドナルド・フェイゲンによる、知的でひねりの効いたロック・ナンバーが並び、「Night By Night」や「Barrytown」といった人気曲も収録された。
また本作には、デューク・エリントン「East St. Louis Toodle-Oo」のカヴァーやチャーリー・パーカーへのトリビュート曲「Parker’s Band」も収録されるなど、ベッカーとフェイゲンのジャズへの傾倒も色濃く表れている。
このアルバムのレコーディングには、ウォルター・ベッカー、ドナルド・フェイゲン、ジェフ・“スカンク”・バクスター、デニー・ディアス、ジム・ホダーという当時のバンド編成に加え、ザ・クルセイダーズのウィルトン・フェルダー、イギリス人パーカッショニストのヴィクター・フェルドマン、そして後にTOTOのメンバーとなるデヴィッド・ペイチとジェフ・ポーカロといった錚々たるミュージシャンも参加している。
アルバムは、スティーリー・ダンの代表曲のひとつとなった「Rikki Don’t Lose That Number」で幕を開ける。同曲は、それまでの最高位だった「Do It Again」の6位を上回り、全米チャート4位を記録した。
イギリスでは、ラジオで頻繁にオンエアされる人気曲だったにもかかわらず、なぜかチャート入りを逃している。1979年の再発時には、58位という控えめな成績を残した。それでも、『Pretzel Logic』はバンドにとって初の全英チャート入りを果たし、2週間にわたってチャートにランクイン。最高37位を記録し、批評家からも高い評価を受けた。
英Melody Maker誌は、同作を次のように評している。
「彼らにはソウルがあり、情熱がある。それでいて、素晴らしいプロダクションと楽曲によって、何ひとつ偶然に任せていない」
Written By Paul Sexton

スティーリー・ダン『Pretzel Logic』
1974年3月2日発売
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