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おもしろいバンドとレコード屋の循環が続けばいい」
ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文×
FLAKE RECORDS 和田貴博(DAWA) 対談
@「MUSIC inn Fujieda」
「『FLAKE RECORDS 20TH』をきっかけに
おもしろいバンドとレコード屋の循環が続けばいい」
ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文×
FLAKE RECORDS 和田貴博(DAWA) 対談
@「MUSIC inn Fujieda」
音楽を作り奏でる人――ASIAN KUNG-FU GENERATION・後藤正文と音楽を届ける人――FLAKE RECORDS・和田貴博。2010年より少し前のTwitter黎明期からSNS上とFLAKE RECORDS店頭などでも交流を始めたふたり。今年9月に大阪城音楽堂で開催されるFLAKE RECODSの20周年を祝う『FLAKE RECORDS 20TH』2日目に、大トリとしてASIAN KUNG-FU GENERATIONが出演するのは、その関係値を示すものだ。イベントの開催まで約1ヶ月となった8月上旬、後藤正文が中心となって設立したNPO法人「アップルビネガー音楽支援機構」が手がけた滞在型音楽制作スタジオ「MUSIC inn Fujieda」にて、後藤と和田の対談が実現。音楽を軸に手がけるものは違えど共に“音楽と出会う場を作ること”に汗を流すふたりの、出会いから20周年イベント出演の想いまで、たっぷりと話を聞いた。
相互扶助のようなイメージで
「MUSIC inn Fujieda」を作った(後藤)
――後藤さんが発起人となり、今年春に静岡県藤枝市でオープンした滞在型音楽制作スタジオ「MUSIC inn Fujieda」にお邪魔しています。道中でも「こんなことでもないとなかなか来られない」とお話しされていましたが、施設を見学してのDAWAさんの感想から聞かせてください。
和田(以下DAWA)「演者ではないから詳細なところまではわからんけど、泊まってその場所で演奏して録れるところまでいけるのはすごく快適なんやろうなと思うよね。関西から少し遠いけど、その分使用料が安いのはいいなと」

――後藤さんはどんな想いで「MUSIC inn Fujieda」を作ろうと思われたのでしょうか。
後藤正文(以下後藤)「音楽の制作費の中で、ドラム録音のスタジオ費にすごく金がかかるんですね。若いミュージシャンにとって時間も金もないのは本当にしんどいことで、そういう制作上の問題点を解消してあげたいというのが出発点です。そうしないと楽曲のクオリティが上がっていかない+売れない、ゆえに金がないというスパイラルに入ってしまうじゃないですか」
DAWA「ボーカルやギターは家でも録れるけど、ドラムはスタジオで録らなしゃあないもんな」
後藤「自分のレーベルを運営していろいろやってみた上での実感もあります。働きながら制作をしている人たちにはじっくりやりたい想いがあっても、仕事の合間に都内のスタジオで録ろうとすると狭い上に費用もすごくかかる。メジャーになれば広いところは借りられるけど、インディーズだと難しかったりもして」
――そもそもドラムの録音には、広さが必要なんですね。
後藤「必要ですね。”デッド”というんですけど、狭いと音が響かない造りにせざるを得ないですよ。狭くて反響がないスタジオでさらに近隣に音が漏れない配慮をした環境で作るから、ギチギチの音になったりして。もちろん、それぞれのスタジオなりに工夫はされていますけど、なるべくいい環境で自分たちもやりたいと思うし、やらせてあげたいなという考えもありました」

――DAWAさんも若手のバンドとコミュニケーションを取る機会も多いと思いますが、スタジオに困る声は聞きますか?
DAWA「スタジオがないと聞くことはないかなぁ…若い子たちはうまい具合に完結できる器用さを持ってたりするから」
後藤「DTMでね」
DAWA「そこで完結する音楽とスタジオで鳴らす音楽は違うから、こういう環境を経験することは必要だと思います」
後藤「バンドの子たちはスタジオで録るしかないからね。インディーズでも若い子たちは割り切ってドラムは打ち込みでとかライブとは全然別の考え方で音源を作ったりするけど、やっぱり俺たちの世代のバンドはコロナの時も、どうしたらいいかわからなくなっていたやつも多かったし、誰もが宅録をできるわけではないですから。実感としては、無骨なロックほど金がないとクオリティが上がっていかないところもあります。…ただみんなが打ち込みでやっていくと、スタジオが潰れていくんですよ」
DAWA「スタジオ自体を維持できひんよな」
後藤「やってみたらわかるけど、スタジオ運営って商売としては効率が悪いんですよ。デジタル系の機材は買い替えがあるし、そもそも初期費用がすごくかかる。閉業するスタジオも増えていて」
DAWA「機材を譲り受けるか買い取るかって感じ?」
後藤「そう。でも譲るのもうまくいかなくて、商用のスタジオはただただ潰れていく。やっぱり家でやれるでしょっていうのは大きいですよね。そうやってコンピューターの中の音源でやりますっていう人たちもいるから、双方にとって難しい季節はもう10年くらい前から来てしまっていて、バンドもロックもスタジオも経営が厳しいみたいな感じはあります。だから支え合ってレコーディングできる場所を作って残しておくと、みんなが助かるよねという相互扶助のようなイメージでここを作りました」
DAWA「自分たちも使えるもんな」
後藤「アジカンが使おうとすると機材が多過ぎて手狭になっちゃうところはあるけど、ギターだけを録るならすごくいいし、メジャーでも作り手がちょっと都会を離れて作曲週間を作ってみようかなみたいな感じで来てもらえるといいかな」
――じゃあここでやろうとしていることの軸は、あくまでも制作スタジオであると。
後藤「そうですね。ただここが始まってから地域社会との関わりも増えてきているんです。町の人たちと一緒にお祭りを作ったりとか」
DAWA「町おこしみたいなところもあるんやな」
後藤「盆踊り用の曲を依頼されて」
DAWA「作ったん?」
後藤「作ってる途中で。元々ある「藤枝音頭」をTurntable Filmsの井上(陽介)くんにアレンジ頼んで、ダブミックスみたいな前衛的なものができそうになっていて(笑)。まぁみんなお祭りを欲しているんでしょうね。あとは地域の子どもたちに楽器を教えたりしたいなと思っているところです」

FLAKEはちゃんと店に人が来て、
カルチャーのハブになっている(後藤)
――地域という大きな話でいうと、20年の歳月をかけてFLAKE RECORDSも大阪の南堀江に根付きました。後藤さんとDAWAさんは以前から親交があると思うのですが、出会いをうかがえますか。
DAWA「Twitter?」
後藤「そうだけど、純粋にレコードを購入する客でもあります」
DAWA「でも店に来るようになる前に、フォローされた気がする」
後藤「あ、確かに。時期としては五味アイコン(奈良のロックバンド・LOSTAGEのベース&ボーカルである五味岳久がTwitter(現在のX)のプロフィール画像用に描いた、シュールなタッチのモノクロの似顔絵イラストのこと。ミュージシャンや音楽関係者、著名人の間で使用され、作品集も出版されるなど話題となった)でDAWAさんたちがTwitter上でわちゃわちゃしている時におもしろいなぁと思って絡みにいって、ミュージシャン仲間がみんなアイコンを描いてもらったりして。当時のTwitterは楽しかったですね」
DAWA「どうでもいい感じで自由につぶやけた時代ね」
後藤「その頃にDAWAさんとの交流が始まりましたけど、実はその少し前からFLAKEの通販でレコードを買ってはいたんです」
DAWA「俺はTwitterで絡んだあたりからライブに行かせてもらうようになって」
後藤「そもそもDAWAさんにTwitterで絡んだのは(LOSTAGE・五味)岳久とか(8otto)TORAちゃんがきっかけでもあって」
DAWA「俺がゴッチと知り合う前にアジカンはLOSTAGEも8ottoもフェスに呼んでたもんね」
後藤「『NANO-MUGEN FES.』に出てもらっていました。DAWAさん、あの頃のLOSTAGEと8ottoのツアーとか作品とかめちゃめちゃ売ってたもんね。日本で一番売ってた?」
DAWA「あいつらがレコードに興味ない時にレコード作ろうや〜って俺が全部作って、LOSTAGEは今自分でレコードも作ってて卸してもくれへんで」
――(笑)。お互いの最初の印象で覚えていることはありますか?
後藤「レコ屋のおもしろいおじさんって感じでした。ただ、店に行くとすごくいいレコードやカセットがいっぱい置いてあるのよ。俺は普通にただの常連客です」
――例えば東京や他の都市にFLAKE RECORDSのような店はあるんでしょうか。
後藤「言われてみればほとんどないですね」
DAWA「そもそも新譜だけのレコード屋が存在しないんよ。中古だけとか中古と新譜がごっちゃになってるところとか。あともっと狭かったりもするかな」
後藤「そう、FLAKEは意外と広い。静岡にもCORNERSHOPっていうレコード屋があるんだけど、商品がギッチギチに並んでるなって感じるほどだから。そこもほぼ中古で新譜がちょっとだったと思います」
DAWA「FLAKEも、最初は俺の私物を売るところから始めてんねんで」
後藤「そういうところもDAWAさんらしいなぁと思います。今では”日本に行ったら立ち寄るべきレコードショップ”みたいな紹介もされて、やっぱりFLAKEは特殊だと思うんですよ」
DAWA「実は俺、最近クロアチアのジャーナリストが店に来てインタビューを受けてん。ザグレブ(中欧・バルカン半島に位置するクロアチアの首都)のメディアの人だったみたいで」
後藤「えー、すごい! 俺も海外に行ったらレコ屋を探すけど、新譜だけの店ってあんまりないのよ」
DAWA「新譜だけの店はないし、あったとしても本当にただ置いてるだけで紹介されてないのよ。俺は全アイテムに自分でコメントを書いていて。 日本では、それをしないとどんなアーティストなのかわからん人もいるのと、海外はみんなが知識持ったうえで買いに来るっていう違いもある気がしてる」
後藤「ペルーに新譜だけのレコ屋があったけど、全然流行ってなかったもんなぁ。誰が買うんだよっていうくらい高かったし。あとチリでもレコード屋に行って、地元の音源しか売ってない新譜のレコ屋があって。そこはめちゃくちゃおもしろかった。tiny desk concertsみたいなライブ営業もやっている感じで」
――そういうふうにレコード屋も本当にいろいろな特色があったり、アーティストのみなさんもいろいろなことを考えながら楽曲を制作したりされていると思うのですが、お互いが取り組んでいることを見て、おもしろいことをやっているなぁと思うことなどありますか?
後藤「いやもう、単純にレコード屋を続けているのがすごいと思います。続けるのって一番すごいことですよ」

――レコード屋を続ける難しさとは、どんなところだと思われますか。
後藤「だってそもそも南堀江ってそんな地価の安い場所じゃないでしょう? そういうところでレコード屋を成り立たせる努力自体が絶対に難しいからこそ、続けていることがすごいんですよ。ちゃんと店に人が来て、カルチャーのハブになっている。この人ほどライブハウスにマメに顔を出してみんなと酒を飲んでいる人もいないですよ。レコ屋の人ってもうちょっと内向的な人が多いイメージが俺にはあったんですけど」
DAWA「レコ屋はライブハウスには行けへんよな。個人で店をやってたら、夕方に店を閉めてまでライブには行かれへんし」
後藤「DAWAさんはライブハウスにいすぎる感じも含めて、メジャーレーベルのディレクターのムーブでしょ。とにかく現場にいるのがめちゃめちゃ偉いと思うんです。だからミュージシャンも信頼してレコードを買いに来るし、商品のポップを見ても愛があるなと思います。やっぱり、同じことをしている人は他にいないですよね」
DAWA「ライブに行っても同業者に会うことはないな〜」
後藤「海外になるとDAWAさんの動きってプロデューサーっぽくもあるけど、本人はプロデューサーでもないですしね。自分のレーベルから出しているバンドの作品に口出しもしないし、こいつらやったらおもしろいものを作るやろ、好きにやり、みたいな。不思議ですよ」
DAWA「できあがった作品をどう売るかはめちゃくちゃ相談するけどね。先行シングルはこっちよりこっちがいいんちゃう? とか。若いやつらは全然言うこと聞けへんけど」
――おふたりの共通点としては音楽を広めようというよりも、たくさんの人に音楽との出会いの場を提供しているところにあるなぁと個人的には思っているんです。
DAWA「レーベルもイベントも店を維持するためにいろんなことをやっている感じで、自然とそうなっているというか。トータルで商品や金の流れを考えるのでそういうやり方をしていると、自然と誰を誰に紹介するかとかそういうのを考えるのがおもしろくなってくるっていうのはあります」
後藤「シモリョー(ex. the chef cooks me)の音源も確かFLAKEで作ったやつを聴いて」
DAWA「そうそう、俺がゴッチに渡した」
後藤「聴いてこれ誰ですか? って店先で話したよね。the chef cooks meやねんって教えてもらったな」
DAWA「店をやってると情報はいっぱい入ってくるから、相談された時にあそこに声かけてみたら? とかあそこがこういう人を探してるとかつなぎ役になれることは多いかも」

――後藤さんも音楽の出会いの場を作るという意味では、DAWAさんと方向性は似ている気がします。
後藤「出会いを作ろうとは思っていないけど、巻き込まれている感じはありますねぇ」
DAWA「そうやんな、わかる」
後藤「俺たちは音楽百姓としていろんなことをやっているんです。今や、音楽もコメだけ作ったらやっていけるとかではないんですよ。専業でコメだけを作っているわけにはいかない時代になったので、いろんなことをやっているというか」
――以前はコメを作ることに専念できました?
DAWA「できたと思うよ」
後藤「今は特に農家が自分で販路を開拓していかなきゃいけなかったりもするし。元々農業もコメだけじゃなくて食べていくために、いろんなものを作っていたわけじゃないですか。コメを作りながら、わらじを編んで売りに行くとか傘を作って売りに行くみたいに、音楽にまつわることをいろいろたくさんやっているっていうイメージですね。俺にはアジカンっていう軸があるけど、他にも好きなことがいっぱいあるから」
DAWA「ホント、いろいろやるよね」
後藤「いろいろやるし、DAWAさんにも相談しに行きますよ。今どんな感じが売れてますか? とか。7インチは全然売れへんで! って言われたり」
DAWA「それは俺が現場で見ている感じを伝えてるんです」
――後藤さんはDAWAさんの助言を信頼して。
後藤「実際の店での流れを聞くから、そうなんだろうなと」
DAWA「ただ、俺が感じてることが正解かどうかわからんところもあるよ。例えば別の店だったらめちゃくちゃ売れてるかもだし、それは正直わかれへん。そもそも客の流れが違うしね」
後藤「水流もいろいろあるからね。ただ俺らはこっち(FLAKE)の文脈の中で売れるものを作って積み上げていきたいんです。そこで土台を作りたいというか」
――音楽とはいろいろな水流が存在する巨大なシーンじゃないですか。そのどデカい流れの中で、コメも作るしトマトもきゅうりも作りながら自分で考えて行動していくことのおもしろさと難しさについてうかがえますか。
後藤「おもしろさと難しさは別ではなくて、同居している気がしますね。そもそも難しいです。でも楽しい。楽しいけど難しい」
DAWA「そうそう、楽しいからできてるしな。一般的なレーベルのやり方をしていたら儲からんから、いかにお金にするかを考えたらまた別のアイデアが思い浮かぶんだけど、思い浮かんでも現状の音楽シーンとして前例がないことをやろうとすると…20年やってきてもまだまだ難しいことばっかりやなと思う」
――ガチガチなことがまだ多い、と。
DAWA「みんな当たり前のことに縛られてて、こういうもんでしょが多いと思う」
後藤「慣習も含めて、それだけ音楽シーンにおけるシステムが強固だってことなのかなとも思いますね」
――難しいこともあるシーンに身を置きながら、FLAKE RECORDSは20周年まで積み重ねてきましたね。
DAWA「まだまだ憤慨することも多いよ」
後藤「確かにいつも”なんでやねん!”とか言ってるよね」
――でも20年続いているのは楽しいから。真面目にコツコツと。
DAWA「そう」
後藤「俺ら周りの仕事は本当に地道にやるしかないですよね。ただ何が売れるかわからないっていうのも本当のところなので、ビジネスとしてはもうトントンになればOKというか」
DAWA「でもな、×××××(詳細を書けない、レコード屋を運営する上での仕入れにまつわるアレコレが、怒りも含めて語られる)!!!!」
後藤「怒ってるな〜」
――FLAKE RECORDSとして葛藤がいろいろあるというのは、表向きには出ない話ですね。
後藤「いや、だからそういう話を聞くのはおもしろいですよ。バンドをやっていてもレコ屋でこういうことが起きているなんて知らないですから」
DAWA「知らんよな。だってアジカンを売る個人店はうち以外にないから!」
後藤「そうそう。だからDAWAさんと直で話してじゃあこうしようとか、考えるんです」
DAWA「そこに興味を持ってるのがゴッチの不思議なところで」
――なぜそこに興味が?
後藤「普通に音楽ファンからしたら、なんで? って思うじゃないですか。自分が通う店でレコードはなるべく買いたいし、好きな店に金を落としたいし。これであのレコードが入荷できないというのは…」
DAWA「単純になんで? ってなるやんな。でも共感してくれる他の店も存在しないから、アーティストに話して聞いてもらうっていう」
後藤「ただそういうことを知るほど自分のレコードは真っ当に売りたいなと思うので、実情を知るのはいいことだと思っています」

20周年でもないとアジカンに
オファーできる機会はない(DAWA)
――そして9月には『FLAKE RECORDS 20TH』@大阪城音楽堂に、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとして出演されます。DAWAさんはかなり早い段階でオファーされたと聞きました。
後藤「そうですね。かなり早くいただきました」
――オファーを受けた時の率直な感想はいかがでしたか?
後藤「率直な感想は…心配」
――心配!?
後藤「アジカンの事務所から出演料を容赦なく請求されないといいなぁと思って(笑)」
――これまでソロではFLAKEのイベントにも出演されていますけども。
DAWA「20周年でもないとアジカンにオファーできる機会なんてないやん! しかも大阪城野音のスケジュールを2日おさえられたから、大きな目玉としてお願いしようって」
――アジカンとして大阪城野音は…?
後藤「実は初めてです」
DAWA「これはトピックです!」
後藤「大阪で野外はやったことがないから楽しみです。この日は出演の並びもおもしろいですよね」
DAWA「アジカンのツアーにTempalayもgroup_inouも呼んでるやろ」
――ストーリーがありますね。
DAWA「ちゃんと親和性がある感じで組んでます」
――とにかくアジカンのセットリストは気になります。
DAWA「再現ツアー(2026年10月から3rdアルバム『ファンクラブ』の完全再現ツアー「ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2026 “Midage Fanclub”」を開催/11月20日公演以外SOLD OUT)前、やんな?」
後藤「前だね。どうしましょうかねぇ。『ファンクラブ』の曲をやってもいいなとも思っていて。大阪公演のチケットを取れていない人も多いと思うから」
DAWA「野音は4人編成でやってもらう予定です」
後藤「『ファンクラブ』をやってもいいし、なんかレアなことやりたいですね。「リライト」100連発とかよくない?」
――フジロック直後にXで話題になりましたね。
DAWA「子ども集めて寸劇して「リライト」。曲の直前には子どもをはしゃがせて」
――子どもの入場料は1500円だし、大阪城野音は子ども向きの会場でもあります。お子さん連れもたくさん来てほしいですよね。
DAWA「芝生席もあるし暑かったら近くにキューズモールがあるから逃げてもらって。そもそも会場のすぐ外は公園やし」
後藤「宿題をやらなかった子がリライトされるっていう感じで。宿題やらなあかんよ! って言い聞かせますよ。ひとりひとりリライトしていこうかな」
DAWA「なんのこっちゃわからんな(笑)。なんであれバズってんの?」
後藤「フジロックの会場でふざけて走り回っていた子どもにお母さんが「静かにできないなら今からアジカンのところいくよ」って説教していてアジカンが鬼みたいに扱われていたっていうXの投稿があって。それに俺が「言うこと聞かない子はまとめてアジカンのツアーに連れて来てください。きっちりリライトしますので。」って返したの。バズったねぇ。でもこれもめっちゃおもしろいなと思って。まあ当日は、アジカンらしい曲をやるのはいいかなと思っています」
DAWA「なんぼでも聴きたい曲はあるな」
――DAWAさんが演奏してもらいたい曲はありますか?
DAWA「『マジックディスク』は最近やってなくない?」
後藤「やってないね」
DAWA「『マジックディスク』のレコードをむっちゃ扱ってたのよ。FLAKEで扱った最初のアジカンのレコードな気がする。そのくらいからアジカンはレコードを出し始めたよな」
後藤「『マジックディスク』ね、ふむふむ」

――9月の20周年イベントを終えればまたFLAKE RECORDSは次の10年へと走り出しますが、後藤さんから今後のFLAKEへの提言はありますか?
後藤「……ないでしょう。世の中、何がどうなるかわからないんで。続けてほしいと思いつつ、友達でもあるから無理しないようにっていう気持ちもあります。ちゃんといい場所で続いていくといいな。あとはそうね、健康でいてくれれば」
――ここ最近のDAWAさんにまつわる取材をいくつかしていますが、最後はDAWAさんの健康の話になるっていう…。
後藤「ライブハウスに行って毎日酒飲んで、体力的にすごいなって思いますよ」
DAWA「しかもちゃーんと出勤してるし!」
後藤「朝まで飲むバンドのやつらにもちゃんと付き合うでしょ?」
DAWA「長いけどちゃんと家には帰ってるで」
後藤「でも長い飲み会にいてくれる信頼感もありますよ。とりあえず大阪で飲みたいと思ったら、DAWAさんに連絡したらどっかで飲んでるやろみたいな」
DAWA「酒を飲んでる分、意識して水は飲んでる!」
後藤「水飲めばいいってもんでもないでしょ」
――後藤さんも年を重ねてきて健康は意識します?
後藤「健康でいたいなと思いますよね。いつまでできるかわかんないし、体を壊したら終わりだし。とりあえず揚げ物と砂糖を断てるか実験中です。…でも昨日手羽先揚げたの食べたな。その意志の弱さがねぇ?」
DAWA「揚げ物、俺も気をつけよ」
後藤「そういえばFLAKEの店頭で尿酸値の話したよなぁ。よく考えたら、FLAKEが30周年になったら俺ちょうど60歳なんだね。還暦だなぁ」
DAWA「うちが30周年やる時は、ちゃんちゃんこ着て出てな」
後藤「その10年後は今俺がリライトしてる子どもたちが、ちょうどレコードを買う世代になると思うの。この20周年のイベントがそういう循環のきっかけになったらいいよね。今年の大阪城野音で音楽に触れた子どもたちが、自分のおこづかいを使えるようになったらFLAKEにレコードを買いに来るっていう。そういう循環が生まれたら俺たちも長く続けられるし、おもしろいバンドやおもしろいレコードの循環が続いて、若い子たちがもっとレコ屋に来てくれたらいいなと思います」
取材・文/桃井麻依子
写真/キョートタナカ
(2026年8月26日更新)
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