■事業概要
GameWith<6552>は、ゲーム情報メディア「GameWith」での広告収入を主とする「メディア」、ゲーム会社からのタイアップ収入やファンビジネス、スポンサー収入、大会賞金等で構成される「eスポーツ・エンタメ」、ゲーマー向け光回線を提供する「ISP」、NFTゲーム運営等を手掛ける「その他(新規)事業」の4セグメントで事業を展開している。グループは同社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成される。子会社の(株)アットウィキはユーザー投稿型Wikiメディア「@WIKI」を運営し、(株)GameWith NFTはNFTゲーム「EGGRYPTO」の開発やWeb3関連メディアの運営を展開する。また、(株)GameWith Contents Studioは攻略ライターの育成・採用に特化し、(株)DetonatioN及びDetonatioN KOREA Co., Ltd.はプロeスポーツチーム「DetonatioN FocusMe」の運営や所属選手のマネジメントを担っている。
1. メディア
メディア事業では、「GameWith」のメディアとしての価値向上に向けて、主に(1) ゲーム攻略、(2) ゲーム紹介の2つのコンテンツ提供と充実を図っている。売上高はアドネットワーク等を活用した「ネットワーク広告」と、特定の広告枠等を販売する「タイアップ広告」の2軸で構成される。ネットワーク広告は、複数の広告主がオークション形式で入札・広告枠を獲得するモデルである。国内最大級のPV数を持つ自社攻略サイトの運用に加え、広告マネタイズチームを自社内で運営することで、高い広告単価を実現している点が強みである。タイアップ広告は、広告主と直接契約を締結して獲得するモデルである。国内最大級のゲームメディアが持つゲーマー層へのリーチ力と、ゲーム領域に特化した信頼性の高いソリューション営業を強みとする。商材としては、攻略サイトトップのジャック広告やゲーム紹介記事の作成、Xの広告商品など多角的に展開している。創業初期はネットワーク広告を中心に拡大したため月間平均PV数を最重要KPIとしていたが、モバイルゲーム市場の成長鈍化を受けて、現在はタイアップ広告も強化している。
(1) ゲーム攻略
ゲーム攻略では、コンテンツ制作を外注せず、同社の専属ライターがゲームタイトルごとにプロジェクトチームを編成し、実際にゲームを攻略して記事を作成している。ゲームに特化したライターが複数人で記事を作成することで正確性の高いゲーム攻略情報の提供が実現し、ゲーム内のイベントやアップデートに合わせてタイムリーに記事を提供することでユーザーニーズに対応している。また、アットウィキにおいて、ユーザーがプレイしたゲーム攻略情報を直接投稿できるWiki形式のメディア「@WIKI」の運営も行っている。
(2) ゲーム紹介
ユーザーが新たにゲームを始める契機創出に向け、新作・注目のゲーム情報の提供を行っている。新作タイトル発表時には、所属ライターによる紹介記事の執筆に加え、一部タイトルでは自社スタジオにて紹介動画を制作・配信することで、ゲームの魅力を多角的に伝えている。ユーザーは記事を通じてリリース前から作品の概要を把握できるほか、「GameWith」の事前登録機能を活用してリリース時に即座に通知を受け取れるようになっている。
2. eスポーツ・エンタメ
eスポーツ・エンタメ事業ではプロeスポーツチームの運営を主力としており、傘下の「DetonatioN FocusMe」は、世界大会への出場実績を多数有する国内トップレベルのプロチームである(名古屋にホームスタジアムを保有)。活動領域はMOBA※1、FPS※2、TPS※3、TCG※4、格闘ゲーム、対戦アクション、サッカーゲームなど多岐にわたり、各ジャンルで強固なブランド力を確立している。売上高はスポンサー収入、タイアップ・イベント収入、大会賞金・支援金、ファンビジネス等で構成されている。同社はチーム価値やSNS認知度の向上を軸に、今後は特に収益性の高いスポンサー収入及びファンビジネスのさらなる拡大に注力していく。
※1 マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナの略称で、複数のプレイヤーが2つのチームに分かれ、各プレイヤーが1人のキャラクターを操作、味方チームと協力しながら敵チームの本拠地を破壊するか降参させることで勝利となるゲーム。
※2 ファーストパーソンシューターの略称で、1人称視点でアクションを行うゲーム。
※3 サードパーソンシューターの略称で、第3者視点でアクションを行うゲーム。
※4 トレーディングカードゲーム
3. ISP
ゲーム市場に精通した同社の強みを生かし、ゲーマー向け特化型光回線サービス「GameWith光」を2022年3月より展開している。アルテリア・ネットワークスとの合弁会社であるGameWith ARTERIAからインターネット接続サービス及び光回線事業のノウハウ提供(仕入れ)を受け、同社がユーザーへサービス提供及びプロモーションを行って利用料を獲得するビジネスモデルである。
収益構造としては、プロモーション等の顧客獲得コストが先行するものの、その後に継続的な回線使用料収入が得られるストック型モデルであり、初期獲得コストを約2年間で回収する設計となっている。そのため、短期的には先行投資が利益を押し下げる要因となるものの、ユーザー数の積み上がりとともに中長期的には安定した高収益が期待される。オンラインゲームやeスポーツにおいて超高速・低遅延な通信環境は必須要件であり、同市場の拡大に伴い、同社が提供する専用回線へのニーズは一層高まるものと見込まれる。
4. その他(新規)事業
その他(新規)事業では、NFTゲーム「EGGRYPTO」の提供や、初心者向け専門メディア「GameWith NFT」(2022年7月開設)の運営等を手掛けている。一般層への認知度が低く参入ハードルが高いNFTゲーム領域において、同社は専門メディアの運営を通じてユーザーの間口を広げ、市場の発展と普及を目指している。
主要プロダクトである「EGGRYPTO」は、投資先である(株)Kyuzanと共同展開するiOS/Android対応のスマートフォン向けRPG型NFTゲーム(2020年4月リリース)で、同社がプロモーションやノウハウ提供を行い、ユーザーからの課金収益を両社で分配(レベニューシェア)するビジネスモデルを採用している。同社のメディア影響力を背景に、リリースから1年で30万ダウンロードとなり、2025年5月時点では250万ダウンロードに上るなど順調にユーザーを伸ばしている。同作はモンスターを育成してクエストやアリーナに挑戦するストーリーとなっており、ゲーム内で入手できる一部の希少モンスターが暗号資産取引可能なデジタル資産(NFT)となっている点が特徴である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠)
