
COWCOW(左から多田健二、善し)
COWCOW・多田健二さん、善しさんが、2020年にTikTokに投稿したネタ動画「ありが闘牛士」が、いまSNSでリバイバルヒットしています。同ネタのパロディ動画の再生回数が5000万回を超えたとの報道もありました。「ありが闘牛士」の動画は、「寒ーい」と凍えている善しさんに、多田さんがクールに「これ着ろよ」と着ていた上着を差し出します。すると、善しさんはリズムに合わせて、その上着を闘牛士のようにひらひらと広げながら「ありが闘牛士!」と歌いながらダンスします。
そこで、多田さんが「ちょっとやめろよモ~」と指でツノを立てて牛のように突進する内容。このコミカルなダンスとノリが、いまになってZ世代に刺さり、櫻坂46や乃木坂46、浦島坂田船、&TEAMといった人気アーティストたちが続々と「踊ってみた」動画を投稿したことで、一気にバズりました。
COWCOWの強みは、2人ともネタを作れるところ。「ありが闘牛士」も漫才で使っていたフレーズをリズムネタにアレンジしたものだそうです。個人でも、多田さんはピン芸の日本一を決める大会『R-1ぐらんぷり2012』(フジテレビ系)で優勝。善しさんも同大会の決勝に5度出場している実力者同士のコンビです。
さらに2人は、毎年、全国単独ライブツアーも開催しており、今年で19回め。10月17日の愛知公演を皮切りに全国4都市をまわり、新ネタ、リニューアルネタ、定番ネタを披露します。
筆者は以前、2人に単独ライブへの並々ならぬこだわりについて話を伺っています。
多田「単独ライブって、毎年やっていく限りはお客さんを入れないといけない。そうなってくると、テレビに出ないと……。しかも、テレビの出方にもよるんですよ。ネタ番組にちゃんと出ているかというのが大事。だから、出してもらえるのはありがたいのですが、テレビでドッキリにかけられても、ライブの動員にはつながらないんです」
では、2人の代名詞である「あたりまえ体操」の大ヒットは、実際の観客動員にどう影響したのでしょうか。
善し「ん〜、シッピングモールとかでの営業は、お客さんがめちゃくちゃ増えましたけど」
多田「単独ライブでも、一時はお客さんは増えたんですけど、『あたりまえ体操』でみなさんに知ってもらえたぶん、それが終息すると、反動でお客さんが減ったりしましたね」
善し「『あたりまえ体操』が人気になったとき、たくさん見てお腹いっぱいになってしまって……翌年の単独ライブにまた行きたいかと言ったら、『もうお休みしようかな』みたいなことはありますね」
2人の代名詞のネタは諸刃の剣でもあったようです。となると、「あたりまえ体操」は、いわゆる「一発屋的なネタ」という位置づけになってしまうのでしょうか。
多田 「『あたりまえ体操』は、僕らがいろんなネタをやってきたうちの1本なので、僕らのなかでは一発屋という感覚はないんです。別に『あたりまえ体操』のブームが終わっても、漫才もピンネタも歌ネタも、いっぱいあるという感覚です。でも世間は、そうはなかなか見てくれない。番組に出なくなってくると『あれ? COWCOWどないしたんやろ?』みたいな(笑)」
多田さんが語るとおり、2人の手元には『あたりまえ体操』のほかにも、長年作り続けてきた膨大なネタのストックが存在します。今回の『ありが闘牛士』もまた、毎年コツコツと単独ライブで磨き上げてきたストックのなかから、時を経て光が当たった1本に過ぎません。
一見するとブームの波に翻弄されているようにも見えますが、2人は毎年、泥臭く新ネタを作り続けてきました。今年の単独ライブは「ありが闘牛士」のバズりにより、動員数を心配する必要はなさそうですね。次は、どのストックが時を超えてSNSを賑わせるのか期待が高まります。
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