《スカパー! 30周年》スカパー! ×ザ・シネマ 映画「シュリ」上映会&トークイベント より

    【写真】好きな韓国作品アンケートで「シュリ」が1位

    《スカパー! 30周年》スカパー! ×ザ・シネマ 映画「シュリ」上映会&トークイベント 【Filmarksリバイバル連動企画】が、8月18日に都内で開催された。本イベントは映画専門チャンネル「ザ・シネマ」と「スカパー! 」の共催で行われ、韓流ブームの原点となった大ヒット映画「シュリ デジタルリマスター」のスクリーン上映、韓流ナビゲーターとして第一線で活躍している田代親世氏をゲストに招いてのトークショーを展開。韓国エンタメの礎となった映画「シュリ」の魅力と、現在の韓国コンテンツに与えた影響を紐解く内容となった。

    ■「韓国のエンターテインメントは愛とやるせなさを描かせたら天下一品」

    《スカパー! 30周年》スカパー! ×ザ・シネマ 映画「シュリ」上映会&トークイベント より

    「シュリ」の公開は2000年。26年経った今、改めて見た感想として田代氏は「久々に拝見せていただきましたが、韓国のエンターテインメントは愛とやるせなさを描かせたら天下一品だと思っていて、その原点がこの映画の中にもあったということを改めて感じました。アクションシーンは大迫力で、テンポよく進んでいく“緊張感”のある作品ですけど、描いているものは“やるせない人間関係”や“愛の切なさ”で、最終的に愛の物語へと持っていってくれるところに、韓国らしさを感じますし、監督はロマンチストだなと思いました」と語った。

    ■「シュリ」が公開されてから3カ月で観客動員数100万人突破の異例のヒット

    「シュリ」が公開された当時について、「韓国の俳優も、韓国のコンテンツも日本では興味を持たれていない時代で、韓国映画で興味を持たれたのは、イム・グォンテク監督が国際映画祭で賞を取るような社会派な作品ぐらいでしたね。前年に公開されたハン・ソッキュさん主演の『八月のクリスマス』が映画好きな人の間で注目されていましたが、一般的にはまだまだ、という感じでした」と伝え、「2000年に取材で韓国に行った時、『日本の人が韓国のコンテンツに興味があるんですか?』と驚かれる時代だったんです」と当時を振り返った。

    「シュリ」は2000年1月に日本で公開され、公開から3カ月後の4月には観客動員数が100万人を突破。当時の韓国映画としては異例の大ヒットで、ニュースにも取り上げられた。配給会社は100万人突破記念パーティーを開催し、チェ・ミンシクや監督らが来日。田代氏はその時にチェ・ミンシクにインタビューを行い、「3カ月前には、こんなことになるとは思っていなかったが、僕たちはやり遂げたと思う」と興奮気味に語っていたのが印象的だったと話した。

    「シュリ」のヒットは、日本の映画界にも大きな影響を与えたという。「当時の日本のクリエイターたちは、韓国が製作費わずか3億円でこれだけの映画を作ったことに驚き、大きな刺激を受けました。この頃に日韓映画界の交流の扉が開いたんです」と、大きな転換期だったと語った。

    ■「“「シュリ」の前と後”と言われるくらいガラッと変わりました」

    《スカパー! 30周年》スカパー! ×ザ・シネマ 映画「シュリ」上映会&トークイベント より

    ここで、観客へのアンケートの結果を「好きな韓国作品ランキング」と題して紹介。「ザ・シネマ」を含む“一般応募枠”と“スカパー! 応募枠”に分けたランキングで、前者の1位が「シュリ」、同票数で「パラサイト 半地下の家族」。3位に「新感染 ファイナルエクスプレス」、4位が「愛の不時着」と続き、スカパー! 応募枠では「冬のソナタ」が1位で、2位が「トッケビ〜君が愛してくれた愛しい日々〜」、同票数で「猟奇的な彼女」、4位「シュリ」、5位「イ・サン」という結果となった。結果を受けて、田代氏は「分かりやすく、一般(ザ・シネマ)枠は映画好きの方が多く、スカパー! 枠はドラマを入口にして韓国のコンテンツに入っていらしたんだなっていうランキングですね」と分析し、それぞれのトップに映画「シュリ」、ドラマ「冬のソナタ」が名を連ねていることに、両作品の人気の高さが伺えるとも語った。「シュリ」に関しては、「その後の歴史を塗り替えた作品で、“「シュリ」の前と後”と言われるくらいガラッと変わりました」と、特別な作品だということを改めて強調した。

    《スカパー! 30周年》スカパー! ×ザ・シネマ 映画「シュリ」上映会&トークイベント より

    「好きな韓国俳優ランキング」では、一般枠の1位がソン・ガンホ、2位がイ・ビョンホン、3位がマ・ドンソクで、スカパー! 枠が1位にパク・ソジュン、2位にペ・ヨンジュン、3位にイ・ジュフンらがランクイン。

    ソン・ガンホに関して、田代氏は「『シュリ』の前にも何本か映画に出演していて、個性的でインパクトの強い特異な役、奇妙な役が多かったんです。それが目を引いて監督が抜擢したのですが、『シュリ』では個性を抑えたスマートなキャラを演じたことで、ご自身としては納得のいく評価が得られず、『シュリ』の後、ちょっとスランプに陥ってしまいました」と語り、「でも、『反則王』の監督が声をかけて、主演で出たことによってスランプを脱出して、『JSA』につながり、国民的俳優になっていきました」とすぐに復活した経緯も伝えた。

    イ・ビョンホンについては、「2000年頃の韓国は、テレビドラマですごく有名でもタレント扱いで、映画に出てヒットすると文化人扱い。それぐらい俳優さんの格が、ドラマ俳優と映画俳優で違っていました。イ・ビョンホンさんはドラマですごい人気だったけれど、映画でのヒットはなくて模索していた時期でした。でも、『JSA』のヒットによって韓国の国内での扱いがガラリと変わりました」と、ターニングポイントに「JSA」がなったと話した。

    2000年公開の「シュリ」、2001年公開の「JSA」をきっかけに大きく変わったという例として、2001年にソン・ガンホとイ・ビョンホンが揃って来日したが、取材陣は30人ほど。しかし、2004年秋の東京国際映画祭ではチェ・ジウとイ・ビョンホンが「誰にでも秘密はある」のプロモーションで来日し、その時の取材陣の数はなんと800人だったと語った。

    ■今注目の俳優“マ・ドンソク”「一つのジャンルになっている」

    《スカパー! 30周年》スカパー! ×ザ・シネマ 映画「シュリ」上映会&トークイベント より

    今、注目している俳優として、ランキングにも入っていた「マ・ドンソク」の名前を挙げた田代氏。「今や、マ・ドンソクさんが出ているというのが一つのジャンルになっているくらいで。ドラマとか映画で『この俳優さん、いい味出してるな』って思っていたら、あれよあれよという間に主演俳優になっていって、45歳の時に『新感染 ファイナル・エクスプレス』でブレイクしました。『守護教師』も『無双の鉄拳』もザ・シネマで放送されますが、肉体派で素手で全部解決するところがいいですよね」と、遅咲きながら、今や“ジャンル”にまでなっていると魅力をアピールした。

    最後は、「シュリ」がもたらしたものについて、「1本の作品がいろんなものを変えていくんだなと感じた映画です。ドラマだと『冬のソナタ』が変えましたが、『シュリ』は日韓のクリエイター間の信頼感を築き、いい意味で『負けてられない』という気持ちを掻き立てた原点となる作品だと思います。クリエイターに限らず、日本における韓国作品の見方を変えたという意味で、全ての原点がここにあるのかなとも思います」とコメント。プレゼントの抽選会を行った後に、「この映画が原点ですが、今の新しい韓国のエンターテインメント作品もたくさん見て、愛していただければと思います」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。

    ザ・シネマでは、特集「Filmarksリバイバル連動企画『新感染 ファイナル・エクスプレス』4K上映記念〜韓国アクション映画の系譜」として、8月23日(日)13時から「シュリ」「JSA」「シルミド/SILMIDO」「守護教師」「無双の鉄拳」を一挙放送する。

    ◆取材・文=田中隆信

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