韓国の歌手兼俳優ソ・イングク=ReiHORIUCHI(c)KOREA WAVE

    韓国の歌手兼俳優ソ・イングク=ReiHORIUCHI(c)KOREA WAVE

    【08月21日 KOREA WAVE】韓国の歌手兼俳優ソ・イングクが9月、EP「TRACE」を発売する。東京では8月30日~9月1日、大阪では9月4~5日に発売記念イベントを予定している。

    「TRACE」のテーマは「時間の中に残された痕跡を記録するアーカイブ」。ソ・イングクは、コンサートやサイン会などを通じ、日本のファンと積み重ねてきた時間を振り返りながら制作したと説明している。

    韓国の音楽オーディション番組「スーパースターK」で2009年、約72万人の頂点に立ち、歌手としてデビューした。その後、ドラマ「応答せよ1997」などで俳優としても注目され、2013年4月にはシングル「Fly Away」で日本歌手デビューを果たした。

    当時は、日本語の発音指導を受けながら収録に臨んだ。日本の聴衆に自分の歌が受け入れられるか不安もあったという。日本でのデビュー後は、日本語楽曲の発売やコンサート、ファンイベントを断続的に続けてきた。2023年には東京と大阪で日本デビュー10周年記念公演を開き、日本語曲を披露した。

    ソ・イングクは、必ずしも日韓関係について積極的に発言してきたわけではない。日本語で歌い、日本のファンに手紙を読むことも、日本市場で活動する韓国芸能人にとっては一般的な販売促進やファンサービスの一部といえる。

    一方、注目すべきなのは、日本デビューから13年が経過しても、CDや配信だけでなく、対面型の発売イベントが組まれている点だ。韓流ビジネスは、新人や一時的なブームを売り込む段階から、長年応援してきた固定ファンとの関係を維持し、継続的な収益につなげる段階へ移っている。

    ソ・イングクも、ドラマで得た知名度を音楽活動へ結び付けてきた。俳優と歌手という二つの活動を組み合わせ、日本では公演、作品販売、ファンクラブ、対面イベントを展開する。今回の「TRACE」も、ファンとの思い出を作品のテーマに取り込み、長期間の支持そのものを商品価値に変える試みといえる。

    日韓の政治関係は、この13年間も悪化と改善を繰り返してきた。こうした状況にあって、ソ・イングクは日本での活動を続けてきた。そこから見えてくるのは、韓流市場が政治情勢とは別の論理で動き、固定客を抱えるまでに定着したということだ。

    「TRACE」が記録する「痕跡」は、韓国の一人の芸能人と日本のファンが13年かけて築き、その関係を維持してきた韓流ビジネスの足跡といえる。【KOREA WAVE編集部 生島マキ】.

    (c)KOREA WAVE/AFPBB News

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