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「ファストファッション」の意味はその字面に集約されている通りだが、なぜこれほどまでに普及したのかを理解するには、アパレル業界全体を深く掘り下げる必要がある。ファストファッションとは、短期間で生産され、低価格で販売されるトレンド商品のこと。しかし、現在の衣類の生産と消費のペースは、その製造に関わる人々と地球環境の両方に、甚大な影響を及ぼしているのだ。
若い世代を中心にサステナブルでエシカルなファッションが支持を集める一方で、ファストファッションの規模と売上高は急速に拡大している。CoherentMIの市場調査によれば、2023年に411億5,000万ドルだった米国におけるファストファッションの市場規模は、2030年までに598億5,000万ドルに成長すると予測されている。この数字は、ファストファッションの勢いが衰えるどころか、さらに多くの衣服が世界中の埋立地や中古市場に流入することを意味している。
ファストファッションの定義
ブランドがファストファッションかどうかは、価格帯や商品構成、シーズンごとのリリースサイクルではなく、その生産方法やマーケティング、販売方法によって決まる。
1800年代後半、コレクションは秋冬と春夏の2シーズン制で発表されていた。「アパレル業界は、産業革命後に開発された、規模の経済を実現させるための大量生産システムに基づいています。そのため、コストと価格設定を適正に保つために、膨大な量を生産しなければならないのです」と、パーソンズ美術大学テキスタイル学科のプログラム・ディレクター兼准教授のプリーティ・ゴピナスは言う。21世紀に入り、トレンドへのアクセスや需要が高まる中、ミシンなどの新しい技術を取り入れたスピード生産システムが確立され、衣料品の大量生産・販売が可能になった。
1990年代に入り、年間52回以上もの“マイクロシーズン”で衣料品を生産するフォーエバー21(FOREVER 21)といったブランドを筆頭に、トレンドのサイクルは加速。ソーシャルメディアがより早いペースでトレンドを広める現在、シーイン(SHEIN)などのオンラインに特化した新ブランドは、高度なアルゴリズムを活用してわずか数日で新しいスタイルを市場に投入している。そしてファストファッションをさらに速いペースで生産するこのモデルは「ウルトラ・ファストファッション」とも呼ばれている。
