世界では今、「IP」が企業価値を左右する時代。映画やアニメ、ゲームだけではない。独自の世界観や物語を持ち、それをさまざまな場所や体験へ展開できる“エンタテインメントIP”は、地域や企業の価値を高める新たなビジネスとして注目を集めている。
光、音、身体表現が一体となった没入型インスタレーション。instagram:@uzetsu_official
日本文化を体現するエンタテインメントIP
その潮流が日本にも広がり始めた。神社や庭園、伝統芸能、土地に伝わる歴史や神話といった文化資産を現代の感性で再編集し、新たな体験価値へ昇華する試みが各地で生まれている。
その一例が、自社IP「UZETSU」を展開する企業の宇悦が手がけ、赤坂クリエイティブ財団助成のもと、東京・赤坂氷川神社で開催された一夜限りの没入型インスタレーション「akasaka AKANE night」。2026年6月15日、赤坂の地名の由来ともいわれる「茜」をテーマに1000年以上の歴史を持つ杜で、光、音、身体表現を融合。来場者は境内を巡りながら幻想的な世界へ入りこむ体験を味わった。
重要なのは、同じ演目を各地へ持ちこむことではない。それぞれの土地が持つ文化や歴史を読み解き、その場所ならではの物語を生みだすことにある。文化財を観光資源として活用する発想を超え、日本文化を未来へ継承する新しい方法論が見えてくる。
エンタテインメントIPとは、文化や土地の価値を、人の記憶に残る体験へと変えること。その可能性は、日本のラグジュアリーや観光、地域創生を進化させる、新たな原動力になりそうだ。
赤坂の地名の由来とも伝わる「茜」をモチーフにしたオブジェ。土地の記憶を現代アートとして描きだす。
身体を極限まで柔軟に曲げたり反らせたりして表現するコントーションパフォーマーの動きは圧巻。
赤坂氷川神社が幻想的に。
「茜」をイメージしたクラフトビールも提供。
