白川郷の古民家が鎌倉へ

    雪深い村の記憶を秘めた築220年の家は、2023年にカフェ「WITH KAMAKURA」として生まれ変わり、湘南の陽光を浴びている。

    すぐそばには平安時代からこの地を見守ってきた古社、御霊(ごりょう)神社が鎮座する。緑豊かな庭に面したカフェのランチ、そして観光客にも人気の御霊神社へ。小さな長谷散歩に出かけよう。

    移築が生んだ新たな魅力

    耐火性の低い茅葺き屋根は、都市部では採用できないのだ。材料の茅も、屋根を葺き替える職人も、時代の変化とともに失われていった。そのかわりこの建物には、芝生に張り出したウッドデッキのテラスという新たな魅力が加わっている。

    暖簾をくぐると、庭の緑と自然光がガラス越しに広がり、思いのほか軽やかな空気に包まれる。天井に幾本も渡された梁の驚くほどの太さが、220年前には豪雪の重みを支えていたことを物語る。薪(まき)ストーブのある一角には、天井から、四角い格子の木枠が麻縄でつり下げられている。あれは何だろうか。

    地元食材の旬を味わうランチ

    注文した鮭は大ぶりだ。鉄板でこんがり焼かれた皮目に箸(はし)を入れると、パリッと快い音が鳴る。この皮の香ばしさと食感が大きな魅力だ。ふっくらした身に、焦がし黒ニンニクとキノコのソースが旨みを重ねる。

    「素材本来のおいしさを大切にして、シンプルながら丁寧な調理を心がけています」とスタッフは語る。献立は季節ごとに内容を変えるという。

    ティータイムなら、スパイスの効いたキャロットケーキや、マスカルポーネのアイスクリームケーキをコーヒーとともに楽しみたい。

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