大ヒットしたディズニー・アニメーション映画を、10年の時を経て実写映画化した『モアナと伝説の海』(公開中)で、メガホンをとったトーマス・ケイル監督にインタビュー。確固たる信頼関係を築きあげたマウイ役のドウェイン・ジョンソンとの関係性や、モアナ役の新星、キャサリン・ランガイアの魅力、音楽へのこだわりなどをたっぷりと語ってくれた。
『モアナと伝説の海』トーマス・ケイル監督にインタビュー[c]2026 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
四⽅を海で囲まれた島で暮らす16歳のモアナが、島の愛する⼈々を守るため、村の掟を破って⼤海原に出かけていく。彼⼥と冒険を共にするのは、“神の釣り針”を使って⾃由⾃在に姿を変えることのできる半神半⼈の相棒マウイ。2人は闇に⽴ち向かい、世界を救うことができるのか?
主戦場が舞台であるケイル監督は、2005年に「イン・ザ・ハイツ」でトニー賞候補となり、2015年、リン=マニュエル・ミランダが主演と⾳楽を務めたミュージカル「ハミルトン」でトニー賞11部⾨に輝き、翌年にはピューリッツァー賞を受賞。同舞台を映像化した配信作品での監督経験はあったケイル監督だが、本作では重責の長編映画監督デビューを果たすことに。
「ドウェイン・ジョンソンとはすばらしいパートナーシップが築けた」
【写真を見る】キャサリン・ランガイア、ドウェイン・ジョンソンら豪華キャスト、スタッフ登壇の『モアナと伝説の海』ワールドプレミア[c]2026 Getty Images/Getty Images for Disney
世界的人気を博すディズニー作品を実写版で描くことには、かなりのプレッシャーを感じたに違いない。作品に取り組む際、「これだけは貫こう」と決められたテーマや信念などはあったのか?と尋ねると「はい。このプロジェクトで非常におもしろいなと思ったのは、私がずっといろんなテレビや舞台などで扱ってきた共通のテーマみたいなものがあったからです」と答えてくれた。
それは「一体私は誰なんだろうか」「私はどんな人なんだろうか」や、「コミュニティにどうやって適応していけばいいのか、あるいは家族のなかでどうやって適応していけばいいのか」、また「自分の内なる声がほかの人から期待されているものと違う」というアイデンティティに関わるテーマだったと述懐。
モアナ役は、奇跡の歌声を持つ18歳の新⼈キャサリン・ランガイア[c]2026 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
さらに「自分にとって新しく感じたのは、モアナが自分の精神や魂のようなものを保とうとするストーリーです。モアナは自分の周りにある自然世界、大地といったものに対して非常に共感し、それを保持したいと思っています。それが、自分にとっては新鮮でした」と語った。
モアナ役を演じるのは、全世界3万⼈超の候補者から選ばれた、奇跡の歌声を持つ18歳の新⼈キャサリン・ランガイア。モアナと⾏動を共にする相棒が半神半⼈のマウイを、アニメーション版でも同役の声を演じたジョンソンが演じ、本作ではプロデューサーも兼ねての参加となった。
シリーズに携わるのが3度目となるジョンソンの存在は、きっと大きかったに違いない。ケイル監督は「まさにそうですね。最初に彼と話をしたのが2023年の3月、3年前です。ドウェイン・ジョンソンと一緒に朝食をとっていた時、彼が私に『このプロジェクトに参加してくれないかな?そういうアイデアがあるんだよね』という話をしたんです」と、ジョンソンから監督のオファーを打診された経緯を述べた。
半神半⼈のマウイ役は、アニメーション版でも同役の声を演じ、本作でプロデューサーとしても参加したドウェイン・ジョンソン[c]2026 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
「その時に彼はこう言いました。アニメーション版で声優をやり、実写版でも自分が俳優としてその役をやるといったことは、映画史でもなかなかないことで非常にワクワクしていると。そして同時に、彼はやはり自分の文化、ポリネシアの文化というものがこのディズニーという世界的な発信力がある映画で、前面に推し出されるということに対して非常に興奮していたんです」とドウェインとのやりとりについて明かす。
「最初のミーティングで、ドウェイン・ジョンソンと私はパワー・オブ・シネマ(映画の力)について話をしました。舞台の演出家で有名なピーター・ブルックが言っていましたが、舞台というものは溶ける雪の上に文字を書いていくようなものだと。消え去ってしまうということを表現していたのですが、ドウェイン・ジョンソンと話をしていて、ああ、映画というものは溶ける雪に書くのではなくて、ずっと残るものなんだなというふうにすごく感じたんです。なので、ドウェインはプリプロダクションからポストプロダクションまで本当の意味でのパートナーでした。もちろん現場の役者さんとしてもすばらしいのですが、映画全体のパートナーとして、本当に最初から最後までずっとそばにいてくれました。だから、彼はいろんなシーンのいろんなバージョンを見ているわけです。彼とは本当にすばらしいパートナーシップが築けたので、それが今後も続くといいなと願っています」。
