作家・佐野広実による人気小説を実写映画化した『シャドウワーク』が、2026年9月25日(金)より全国公開を迎える。
このたび、吉岡里帆と奈緒の実力派共演でも話題の本作の公開に先立ち、原作者・佐野広実の作品を特集。佐野氏より寄せられたコメントとともに紹介していく。
©佐野広実/講談社 ©2026「シャドウワーク」製作委員会
吉岡里帆×奈緒W主演“サバイブ”サスペンス『シャドウワーク』
配偶者や親から暴力を受けた女性たちを匿うシェルター<おうち>。一見穏やかなその場所では、日常と同じ手つきで、“あること”が行われている――完璧に考え抜かれた方法で。
声なき者たちの“極限の決断”を描くサバイブサスペンスが、いま静かに動き出す。
©佐野広実/講談社 ©2026「シャドウワーク」製作委員会
佐野広実の人気小説を映画化。主人公の紀子を演じるのは、『正体』で第48回日本アカデミー賞・最優秀助演女優賞など多くの演技賞を受賞し、現在はNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で主人公の妻・慶を好演している吉岡里帆。もう一人の主役である薫を、<東京ドラマアウォード2025>で主演女優賞を受賞し、『東京サラダボウル』をはじめ映画・ドラマ・舞台など多岐にわたり唯一無二の存在感を放つ奈緒が演じる。
©佐野広実/講談社 ©2026「シャドウワーク」製作委員会
幅広い作品で多様な人物を生き抜いてきた二人が初の映画ダブル主演を果たし、覚悟と揺らぎ、爆発寸前の緊張感を体現した本作。共演には、風吹ジュン、美保純、酒井若菜、ファーストサマーウイカ、佐月絵美、北村匠海、原嘉孝(timelesz)、清水尚弥ら独自の世界観を確立する俳優たちが集結した。監督は『君は永遠にそいつらより若い』の𠮷野竜平が務め、善悪では語れない社会の歪みに鋭く切り込む。
©佐野広実/講談社 ©2026「シャドウワーク」製作委員会
“現代社会の歪み”を描いた<不穏三部作>とは?
『シャドウワーク』映画化に原作者・佐野広実のコメントも到着
江戸川乱歩賞受賞作家・佐野広実。その作品群の中でも、DVや同調圧力、家父長制など現代社会に潜む歪みを題材に、日常の延長線上にある恐怖を描いた三作品は、<不穏三部作>とも称される。
その中でも、このたび映画化された『シャドウワーク』の舞台となるのは、配偶者や親から暴力を受けた女性たちが身を寄せるシェルター「おうち」だ。本作のメガホンを取る𠮷野竜平監督は、「血の繋がっていない人たちの疑似家族のような関係性、事件にのめり込みすぎて堕ちていく刑事、弱い立場の人間の生命力、その3つの要素に惹かれました」と、原作の魅力を語っている。
原作の佐野氏も、「𠮷野監督は素晴らしい映画に仕上げてくれました」と、その出来栄えを高く評価。ということで今回は、『シャドウワーク』をはじめ<不穏三部作>の魅力を一挙紹介する。
©佐野広実/講談社 ©2026「シャドウワーク」製作委員会
『シャドウワーク』(2025年10月 講談社文庫)
男たちの暴力に抗い、絶望の淵で連帯する女性たちのサスペンス
繰り返される夫の暴力から命がけで逃れ、江ノ島を望む一風変わった場所にたどり着いた紀子。そこは、独自のルールによって成り立つ理想郷のようなシェルター「おうち」だった。
一方、ある事件を追う刑事・薫は、捜査を進める中で「おうち」の存在と、その裏に隠された真実へと迫っていく。
「法律は殺すなと言うけれど、踏みにじられてきた者にとっては、殺されるな、なのよ」
絶望の淵で連帯した彼女たちが、自らの命を守るために下す究極の決断。その選択がもたらす衝撃の結末とは――。暴力と支配にさらされた者たちの、生き残るための抗いと善悪の狭間を描く戦慄のサスペンス。
佐野広実「シャドウワーク」書影
『誰かがこの町で』(2024年11月 講談社文庫)
同調圧力と忖度の恐怖を描いた、衝撃のミステリー
誰もが羨む高級住宅街。しかしそこは、目に見えない同調圧力が人々を支配し、外界から遮断された恐ろしい秘密を抱える町だった。
失踪した家族の行方を追うため、その地に足を踏み入れた法律事務所の調査員。だが、待ち受けていたのは、あからさまな妨害と執拗な監視だった。やがて、理由も分からぬまま執り行われる村八分と、誰の指示でもない不可解な犯罪が連鎖していく――。
そして、住人たちがひた隠しにしてきた19年前の驚愕の真実が明らかになる。閉ざされたコミュニティを支配する同調圧力と、その裏に潜む静かな狂気を描く一作。
佐野広実「誰かがこの町で」文庫書影
『氾濫の家』(2025年1月 講談社)
この国に根深く残る家父長制の歪みをあぶり出す
郊外の住宅街で平穏な日々を送る専業主婦・新井妙子。
ある日、隣家で起きた殺人事件をきっかけに、穏やかに見えた隣人一家の秘密を知ることに。同時に、妙子自身の家庭の歪みも露わになっていく。
「お前は黙って従っていればいい」
「誰に食わせてもらっているんだ」
何気ない日常に潜む家族の支配構造を通して、家父長制やモラハラをはじめ、現代社会に根付く闇を浮き彫りにする。
佐野広実「氾濫の家」書影
原作者・佐野広実より、『シャドウワーク』映画化に寄せた特別コメント到着
𠮷野監督は素晴らしい映画に仕上げてくれました。
ぜひ「おうち」の一員になった気持ちで観ていただきたいと思います。「私たちは選んだ。壊れないために。壊すために。」というキャッチフレーズは、
DV被害に限らず、さまざまな問いを投げかけています。観るたびに新しい発見があるはずです。あなただったらどうするか。
答えが決まっているわけではないからこそ、きっと誰かと映画「シャドウワーク」について話したくなる。
そんな映画だと思います。
©佐野広実/講談社 ©2026「シャドウワーク」製作委員会
『シャドウワーク』は9月25日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
